「不受胎馬検査はどうしますか?」とも聞かれました。毎年、繁殖シーズンが終わった時期に、軽種馬農協にて不受胎に終わった繁殖牝馬を対象に検査が行われます。費用は2万円ぐらい。碧雲牧場では今まで不受胎馬検査をしたことがないそうで、詳しいことはかつて軽種馬農協に獣医師として勤めていた下村獣医師ことシモジュウに聞いてみたらどうで...
治郎丸敬之
「ROUNDERS」編集長。単なる馬券検討ではなく、競馬の持つ様々な魅力を広く伝えていきます。好きな馬はヒシアマゾン、ブラックホーク。敬愛するジョッキーは野平祐二、安藤勝己騎手。週刊Gallopにて「超・馬券のヒント」、一口馬主DB、キャロットクラブ会報誌にて連載中。著書に「馬体は語る」、「馬券は語る」(主婦の友社)
治郎丸敬之の記事一覧
生産者から見る血統の世界と、競馬ファンから見るそれは、分けて考えるべきだと僕は思います。生産者にとっての血統は、受胎から産駒の誕生、幼少期までを形づくるため、競馬ファンにとっての血統は、それ以降の競走馬としての活躍を占うためのそれです。同じサラブレッドの血統ではあり、地続きではありつつも、競走馬「以前」と「以後」では血...
「ダートムーアの受胎が確定しました!」と碧雲牧場の慈さんから報告がありました。受胎していること自体はだいぶ前に確認できていたのですが、そこから消えてしまったり、流れてしまったりする馬もいますので、夏から秋に最終妊娠鑑定が行われます。そこできっちり受胎していることが分かれば、あとは来年の出産を待つのみです。まずはひと安心...
毎日のように牧場から届く、福ちゃんの幸せな日々を眺めていると、福ちゃんは片目が見えないことをつい忘れてしまいがちになります。他の仔馬たちと同じように走り回り、母ダートムーアの乳房を吸い、草を食み、天使のような寝顔で眠っています。小眼球症という病気があることを知らずに遠くから見れば、普通の馬と何ら区別がつかないのではない...
暑さ寒さも彼岸までということで、朝晩が涼しくなってくる10月が近づいてくると、来シーズンの種牡馬の予約が始まります。昨年度はタイミングを逃してしまい、すでに一杯で予約できなかった種牡馬もいましたので、今年は先手で攻めていきたいと思っています。生産の世界に足を踏み入れてまだ2年目の若輩者であり、1年を通しての全体の流れが...
毎年、数えきれないほど多くの馬たちが生まれる牧場において、強くて速いサラブレッドをつくるために、一定数の不受胎や流産、奇形の問題は許容されてきたのです。もちろん、大手の牧場も海外からサンデーサイレンスなどの血が入っていない繁殖牝馬を導入して血の更新に努めていますが、爆発的に増えるサンデーサイレンス系に対しては、付け焼き...
大狩部牧場の代表となった下村獣医師ことシモジュウと電話している中、「宙に浮いてしまった馬がいて困っているのです」という話がポロっと出ました。最初は馬が宙に浮いているSF小説のようなシーンを想像しつつ、作家ガルシア・マルケスの「たとえば、象が空を飛んでいるといっても、ひとは信じてくれないだろう。しかし、四千二百五十七頭の...
福ちゃんの件でバタバタしているうちに、もう1頭の繁殖牝馬スパツィアーレは腸閉塞と闘っていました。昨年のこの時期は腹痛を起こして転げまわり、1日でケロッと回復して事なきを得ましたが、今年はそうは行きませんでした。便が出なくなってしまい、獣医師に下剤を入れてもらったものの、なかなか良くならず、かなりの期間苦しむことに。食べ...
夏休みのある日の夜、川崎競馬の山﨑裕也厩舎のバーベキューに参加させていただくことになりました。台風7号が本州に接近していたこともあり、花火大会が中止になったばかりか、バーベキューの日程も1日延期されましたが、当日は雨も風もない台風一過の夜になりました。誘っていただいた友人と川崎競馬場で待ち合わせすると、そこには「最速で...
知り合いの小さいお子さんが、転んで本の角に顔をぶつけてしまい、目と目の間のところを縫う怪我をしてしまったそうです。「女の子なのに、大変なことをしてしまった」とお母さんは嘆いていました。その娘さんとは何度も遊んだことがあり、道端に落ちている石や草など、何でも口に入れて食べようとしてしまうほど食欲が旺盛で、可愛らしい丸顔の...
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