「名馬」を語る 2つの光の「あわい」で静かに輝く。「地上絵」を描き続けた孤高の旅人、ジオグリフ 2026年1月5日 イクイノックスとドウデュース。 日本競馬史が到達した一つの頂点とも言える同世代の2つの光は、互いを照らし、屈指の眩い輝きでターフを照らした。この時代を鮮やかに彩った両雄の強さとドラマは、きっとこの先も長く記憶される。 その蹄跡を辿ると、ふと、光の陰陽が変わる瞬間がある。鮮烈な二つの光の「あわい」で静かに輝きを放つ、一つ... norauma
「名馬」を語る ウシュバテソーロ - 数奇な旅路を辿った皆の宝物 2026年1月4日 有名なクセを持つ名馬といわれて、私が真っ先に思い浮かべる馬は"彼"である。毎回、この世の終わりみたいな表情で首を下げ、パドックをやる気なく歩いていたウシュバテソーロだ。全力で走るのを嫌う、夏も嫌い、ゴールを通り過ぎた途端に立ち止まる、調教中に騎手の手綱を無視して勝手に帰ろうとする等々…奇矯とも言える振る舞いが印象深い。... 大守アロイ
それぞれの競馬愛 オルフェーヴルがくれたかけがえのない出会いと繋がり そして、今も忘れえぬ言葉たち 2026年1月3日 「3月11日、東日本大震災が日本を襲いました2011年。自分と向き合い、他人を想い、絆を確かめ合った2011年。掉尾を飾るGⅠは、もちろん有馬記念です」 これは、オルフェーヴルが一度目に勝利した有馬記念のスタート前、中山競馬場の実況を担当していた舩山陽司アナウンサーが発した言葉である。 この年、巨大地震と津波が日本列島... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 諦めの悪さにこそ力は宿る。ソウルラッシュの現役生活を振り返る 2026年1月2日 2019年の終わりから毎週末の重賞を回顧する記事を書くようになった。振り返る記事は基本的に当然ながら勝ち馬を主役に展開する。なぜなら、競馬は勝つことが第一であり、勝ち馬こそがそのレースの最高だからだ。そうでなければ競馬の価値がおかしくなる。一頭の馬に関わる人々はみな、ただ1着でゴールすることにすべてを注いでいる。その情... 勝木 淳
インタビュー [インタビュー]「競走馬の引退後には多くの選択肢があることを知ってほしい」太田篤志さん(Yogiboヴェルサイユリゾートファーム)の語る想い 2026年1月1日 かつて競走馬として活躍した馬たちが、引退後に穏やかに幸せな日常を過ごすYogiboヴェルサイユリゾートファーム。宿泊施設やカフェの併設や、Yogibo社とのネーミングライツ契約、さまざまなグッズの販売など、国内でも稀有な観光型養老牧場として知られ、2025年12月28日に募集を終了した「新厩舎プロジェクト」のクラウドフ... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 響き渡った「みんな頑張れ頑張れー!」の実況。カネヒキリが勝利した2008年東京大賞典を振り返る 2025年12月29日 ■2008年 リーマンショックに揺れた社会 2008年(平成20年)という年を思い出すとき、最初に思い浮かぶのは、リーマンショックに端を発した金融不安である。私事になるが、その年私は大学を卒業し、新卒で就職したものの会社が合わず、なんと1か月で退職。なんとか競馬で食いつなぎ(今思うと恐ろしい)、7月に再就職をしたものの... ムラマシ
「名馬」を語る 誇り高き岩手の皇帝 - 漆黒の雄・トーホウエンペラー 2025年12月29日 漆黒の馬体が凍てついた地面を力強く蹴る。砂塵が舞いあがり、蹄音が響く。 厳冬を乗り越えた四肢は、しなやかで逞しく、美しい。ひとつ、またひとつと確かな軌跡を刻んでいく。 東北の雄、トーホウエンペラー。 幾度の冬を超え、皇帝としての才を開花させた。そして地方に在りながら、中央の強豪と渡り合い、その名が示すように、砂の頂へと... norauma
競馬を学ぶ 有馬記念、もうひとつのラストラン物語/スマートレイアーとアエロリット 2025年12月28日 「有馬記念は名馬のラストランを見送るレースである」。 その言葉には、「別れ」への一抹の寂しさと、次のステージに旅立つ「夢」が宿る。 長い歳月をかけて磨かれた血が、冬の中山に最後の蹄跡を刻む瞬間。私たちは勝敗だけでなく、名馬が今まで積み重ねてきた勝利の記憶までも見届けようと、静かに息を呑む。 ラストランとは、終わりではな... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る グランプリこそ彼女の舞台 - 芦毛のヒロイン・クロノジェネシス 2025年12月28日 ぼくは、アスリートと呼ばれる人たちとは無縁の生活を送ってきた。幼稚園児のころから運動は不得意だったし、小学生になると体育の時間は苦痛以外の何物でもなかった。クラスの中で一握りの「運動が得意な児童たち」の華やかな活躍を冷ややかに眺めている、ノリの悪いその他大勢。そんなクラスのスターたちに対して憧れの気持ちを持っていなかっ... 高橋薫
「名馬」を語る 兄よ、弟よ - ニュービギニングが放ったひとつの輝き 2025年12月27日 私には、6つ年上の兄がいる。 兄は幼少期からずっと賢くて、私とは違う速度で物事を理解していた。 兄の背を追って地元の中学、高校に進学した私に、先生方は決まって兄の話をした。 兄は博士号を取得し、文筆の道に進んだ。 毎日大量の本を読み、思索に沈みながら紡いだ言葉は、やがて賞や書籍という形になった。兄は今、自らの名でキャリ... norauma