「名勝負」を語る 善臣さんにしかできない競馬。オレハマッテルゼの高松宮記念 2026年3月27日 中山競馬場のスタンド1階メインエリアからエスカレーターで地下に降りると、フードコートがある。その入り口付近には二人の騎手のパネルが設定されている。一人は坂井瑠星騎手。フォーエバーヤングで世界と戦う今をときめくスタージョッキーはポップコーンをもち、ポーズを構える。その隣にいるのが柴田善臣騎手だ。昔となんら変わらない柔らか... 勝木 淳
「名勝負」を語る 「制圧」を感じさせる「躍動」 - ナリタブライアンの1995年・阪神大賞典 2026年3月21日 ■1994年、菊花賞。あっさりと、三冠達成。 1990年代前半の名馬たち──オグリキャップ、スーパークリーク、メジロマックイーン、トウカイテイオーなどの名前は、知っていた。しかし、彼らの物語については、無知だった。 彼らのレースを、競馬場で実際に見たことはなく、テレビ中継で見たこともなかった。 ではなぜ彼らを知っていた... 稲庭うどん
「名勝負」を語る きらめきは、確かにそこにあった - 2025年 阪神スプリングジャンプ 2026年3月14日 ひとつの時代が、完成された形で幕を下ろした。その余韻がまだ色濃く残るなか、次の流れが動き始めている。 王者なき時代、と簡単に言い切ることはできない。しかし、これまで積み重ねられてきた勢力図が確かに書き換わり始めた。どの馬が主役となり、どのようなレースが繰り広げられていくのか。人々の期待は、確かにそこにあった。 そんな中... 鳥野 紗々実
「名勝負」を語る 東京競馬場に王威を示す - ダノンキングリーの安田記念戴冠 2026年3月12日 GⅠレース。すべての競走馬が目指す頂である。そこに辿り着けるのは、ほんの一握りだ。それは、天賦の才を携えていたとしても変わらない。 今回紹介するのは、才能・努力・巡り合わせ、そのすべてが噛み合い、その頂に到達した特別な馬―ダノンキングリーである。 王者の素質 ダノンキングリーは、北海道浦河町の老舗である三嶋牧場で生を受... AG
「名勝負」を語る テイエムオペラオー - 2000年京都記念、王道の幕が上がった日 2026年2月14日 年号が1999年から2000年に替わる年頭。「2000年問題」という、今から思えば摩訶不思議なことが話題となった。「2000年問題」とは、西暦2000年になるとコンピューターシステムが日付を正しく処理できなくなるとされた問題。多くのシステムが年号を西暦の下2桁で管理していたため、2000年を「00」と認識し、1900年... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 父メジロマックイーンが残した悔しさを、娘エイダイクインが回収した日 - 1998年クイーンカップ 2026年2月13日 私はメジロマックイーンが好きだ。 2006年4月に彼が亡くなってから20年が経った今でも、「私の好きな馬第1位」の座は揺らいでいない。おそらくこの先も、永遠に変わることはないだろう。 メジロマックイーンの競走生活、とりわけ“秋”は不運続きだった。 5歳(現4歳)の春、天皇賞(春)を制して父子三代制覇を成し遂げた彼は、京... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る ゆっくりでも大丈夫。名手のやさしさと確かな戦略。2009年リーチザクラウンのきさらぎ賞 2026年2月7日 武豊騎手の勝負服といえば。 その問いに対する答えはファンの年代によって色々違ってくる。40年近くトップジョッキーであり続ける男に対する答えは多彩であり、その歴史にこそ武豊騎手の価値がある。個人的に答えるとするなら、「紫、白鋸歯形」。臼田浩義氏の勝負服だ。そう、はじめて栄光の日本ダービーを手中に収めたスペシャルウィークの... 勝木 淳
「名勝負」を語る 極寒の時代を忘れさせた切れ味。シルクフォーチュンが驚異的な末脚で制した2012年根岸Sを振り返る 2026年2月1日 ■極寒に耐える季節 根岸Sといえば、手袋がないと少し辛い寒さのなか、フェブラリーSの前哨戦として東京競馬場で行われる風物詩とも呼べる重賞競走である。 レース名に冠されている「根岸」は、かつて横浜に存在した「根岸競馬場」が存在した地名に由来する。1987年に創設された当初は11月に現在と同じ東京ダート1400mの舞台で施... ムラマシ
「名勝負」を語る 2001年に輝いたスプリンター・トロットスターの記憶/シルクロードステークス 2026年1月29日 ■毎週のレースは歳時記である 競馬と過ごす年月を重ねると、毎週のレースが歳時記となり生活サイクルに組み込まれはじめる。子供のころ、七夕やお月見で季節を感じたように、今は競馬新聞に記載されるレース名が、春夏秋冬の移り変わりを知らせる「便り」のようになっている。 「正月は金杯から」で始まる番組プログラムも、G1レースが組ま... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 響き渡った「みんな頑張れ頑張れー!」の実況。カネヒキリが勝利した2008年東京大賞典を振り返る 2025年12月29日 ■2008年 リーマンショックに揺れた社会 2008年(平成20年)という年を思い出すとき、最初に思い浮かぶのは、リーマンショックに端を発した金融不安である。私事になるが、その年私は大学を卒業し、新卒で就職したものの会社が合わず、なんと1か月で退職。なんとか競馬で食いつなぎ(今思うと恐ろしい)、7月に再就職をしたものの... ムラマシ