きっかけは2000年安田記念だった。前年暮れの香港スプリントを勝ったフェアリーキングプローンが10番人気の低評価を覆し、優勝。これを機に香港勢の日本遠征が活発になった。日本の競馬ファンにとって、競馬は1年365日全国どこかで開催されているシーズンオフなき競技だが、世界の競馬にはオフシーズンなるものが存在する。香港では4...
「名勝負」を語る
「名勝負」を語るの記事一覧
すべては、この熱き日のために 「今日はダービーめでたいな」という有名な歌詞があるが、ダービーの日はめでたい。なぜならその日に新たなダービー馬が誕生し、また新たなダービーの歴史が誕生するからである。仮に騎手や調教師、オーナーたちにとっては2度目以降の制覇だとしても、それもまた快挙達成の瞬間であり、めでたいことに変わりはな...
競馬には色々な格言、定石というものがある。スローペースなら先行馬。ハイペースなら差し警戒。そんな展開読みから導く優位な位置取りもそのひとつ。そして、展開、つまり流れを読むのは競馬において非常に大切だ。騎手のコメントには「緩い馬場で走りにくそうだった」「もう少し流れてくれれば」といった馬場や流れを敗因に挙げる場合が多い。...
競馬界には色々と"格言"があるが、長距離のレースにも幾つかの格言はある。その一つは『長距離で、逃げ馬を自由にしてはいけない』。そんな格言を体現するような走りを見せた馬がいる。彼の名前はイングランディーレ、そして鞍上は横山典弘騎手。 3200m戦の天皇賞春は、言わずと知れた古馬混合G1最長の長距離レースである。スタミナ自...
「東京優駿出走」の重さ 生涯ただ一度だけ出走することができる東京優駿の出走枠は「18」。 前年6月にスタートしたクラッシックロードを戦い抜き、ようやくスタートラインに立つことが出来るのが、18頭である。そこまでの過程には、『能力』だけでなく『運』も伴わないと辿り着くことができない。 「ダービーでビリの18着といっても、...
2019年4月14日、皐月賞の開催日。この日、私は友人とともに現地・中山競馬場へと足を運んでいた。レース前から熱気に包まれていたこのレースは、4頭の若駒に人気が集中していた。 1番人気は、ホープフルS勝ち馬サートゥルナーリア。父ロードカナロア、母シーザリオという血統で、ここまで無敗を貫いてきた。どれもほぼノーステッキで...
夏の初め、北東の風が軽やかに国旗をはためかせる。曇り空から薄日が差し込む中、2か月半遅れのJ・GⅠファンファーレが響き渡った。 真夏日に迫る気温の中山競馬場。この日を待ちに待ったスタンドのファンから大声援が上がる。 第13回中山グランドジャンプの幕が、切って落とされようとしていた。 2011年。3月11日に発生した東日...
牡馬クラシック第一戦 皐月賞 サラブレッドが生涯に一度だけ、その年の選ばれし18頭のみが出走できる3歳クラシック競走。その初戦として位置づけられているのが皐月賞であり、牡馬三冠の一冠目である。そのため、三冠馬たちの『伝説』の始まりのレースとして語られることも多いレースである。 2000mで行われることから、『最も速い馬...
皐月賞をはじめとするクラシック競走はサラブレッドにとって一生に一度のチャンス。古馬G1とは違うこのクラシックの特性が数々の物語を生んできた。それは馬の物語であり人の物語。2006年の皐月賞はそれを強く感じさせてくれたレースであった。 この年の皐月賞は大混戦だった。1番人気は単勝2.2倍でアドマイヤムーン、鞍上は武豊騎手...
四月。日に日に春の訪れを感じられるようになるこの月は、何かと新しいことが始まる時期でもある。 学生新入学や新学年、クラス替えなどもあるだろう。社会人であれば転職や転勤、新入社員が加わるような季節でもある。 競馬ももちろん例外ではない。暦によって例外はあるが、原則、この月から『牡馬・牝馬クラシック』が始まる。3歳馬たちに...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]古馬相手でも適距離では負けられない! 混戦を断った3歳馬シックスペンスが、秋初戦を快勝~2024年・毎日王冠~
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[重賞回顧]春の悔し涙は歓喜の涙に。アクシデントを乗り越えたルガルと西村淳也騎手が、復活のGⅠ初制覇~2024年・スプリンターズS~
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[重賞回顧]いざ、菊の大輪へ 鮮やかに逃げ切ったメイショウタバルが復活の重賞2勝目!~2024年・神戸新聞杯~
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[重賞回顧]春の鬱憤を晴らす豪脚で突き抜けたアーバンシックが重賞初制覇~2024年・セントライト記念~
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[重賞回顧]新星クリスマスパレードが、鮮烈なレコード勝ちで秋華賞の切符を獲得!~2024年・紫苑S~
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[重賞回顧]関東のホープとエースによる叩き合いを制したマジックサンズが、デビュー2連勝で重賞制覇!~2024年・札幌2歳S~
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[重賞回顧]雨中に鳴り響くアキラコール!外ラチ沿いの攻防を制したブローザホーンが悲願のGⅠ初制覇~2024年・宝塚記念~