「名勝負」を語る Rewind the Race [Rewind the race]名優之舞~2015年・アルゼンチン共和国杯~ 2020年11月6日 天皇賞秋が終わり、東京開催の一区切りがつく11月の初週。この週に設けられているのが、ハンデ長距離重賞アルゼンチン共和国杯だ。近年ではここをステップにG1を戦う馬も多く、さらにシュヴァルグランやスワーヴリチャードなどG1レースを制覇する馬も輩出している。そんな伝統あるハンデ重賞の歴史の中で、今回はこのレースを舞台に急激に... ハラシュー
「名勝負」を語る 第8回JBC競走観戦記~園田で見た、ドバイへの夢 2020年11月3日 JBC当日である2008年11月3日の朝。ベッドから出た私はまだ酔っていた。 誤解のないように書いておくが、前日のお酒が残って酔っていたわけではない。月並みな表現になってしまうけれど、その前日に行われた天皇賞(秋)でのウオッカとダイワスカーレットの壮絶な叩き合いが頭の中に残っていたのだ。 その当時、まとまった休みを取っ... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る 二頭のダート王による頂上決戦〜2011年 JBCクラシック〜 2020年11月3日 JBCは、開催スケジュールの面でもマイルチャンピオンシップ南部杯とチャンピオンズカップのちょうどはざまに開催される。前哨戦が充実していることもあって、3レースそれぞれでGⅠ級勝ちのある実績馬が複数出走し、過去に、幾度となく好勝負が展開されてきた。その中で今回取り上げるのは、ダート中距離界に君臨していた2頭の王者が初めて... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る Rewind the Race [Rewind the race]最速駿馬~2014年・菊花賞~ 2020年10月22日 秋の淀で行われる3冠最終章「菊花賞」。3000メートルという誰も経験したことが無い長距離で行われることなどから「最も強い馬が勝つ」と言われることもある競走である。三冠達成の瞬間やクラシックホースの勝利、真夏に鍛えぬいた上り馬の激走など、様々な名シーンが誕生した菊花賞。今回は歴史ある菊花賞の中から、1頭の奇跡の駿馬が誕生... ハラシュー
「名勝負」を語る 桜花賞馬vsダービー馬、永遠のライバル対決『第3章』2007年 秋華賞 2020年10月18日 ──ライバル同士の激闘。勝負の世界であれば競技を問わず存在する。もちろん競馬の世界でも、大レースを制した馬同士がGⅠの大舞台で激突するライバル対決が過去に何度もあり、見る者の心を熱くさせてきた。 中央競馬においては、古くはトウショウボーイvsテンポイントvsグリーングラス、平成に入るとグラスワンダーvsスペシャルウィー... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る 導火線 〜1989年オールカマー・オグリキャップ〜 2020年9月27日 ──この人に出逢っていなかったら、いったい今、どうなっていたのだろう。時にそんな仮定をしてしまうような大きな出逢いが、人生においては起こる。 人は毎日多くの人とすれ違い、顔を合わせ、そして言葉を交わす。 そんな中でも、得難い人との出逢い、自分を変えてくれたと感じる人との出逢い、返せないほどの恩義を与えてくれた人との出逢... 大嵜 直人
「名勝負」を語る リトルゲルダ〜異系の血を持つ牝馬が夏の短距離界を席巻〜2014年・北九州記念〜 2020年8月23日 血統に関する競馬用語の一つに『三大始祖』という言葉がある。各馬の血統表の一番上の父馬を「父の父の、そのまた父の父の……」とずっと遡っていくと、現代の世界中のサラブレッドはダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリータークの三頭に遡るというものだ。しかし実際のところ、現代のサラブレッドのほとんどの父系はダーレー... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る ヤマニンキングリー〜未来を変えた、札幌記念での激走〜 2020年8月21日 札幌の短い夏を賑わせる伝統の一戦・札幌記念。札幌競馬場の芝コース完成の伴い1990年から芝の重賞となって以降、芝の実績馬たちが夏に使う一戦として重宝されてきた。 90年代はメジロパーマーやエアグルーヴ、セイウンスカイらが勝利。00年代はファインモーションやヘヴンリーロマンス、アドマイヤムーンらが勝利。10年代はハーブス... 横山オウキ
「名勝負」を語る 「園田の雷神」から「地方の雷神」へ〜オオエライジン・黒潮盃〜 2020年8月19日 今回は、大井で行われる真夏の3歳限定重賞「黒潮盃」のなかでも、2011年に行われた黒潮盃を取り上げたいと思います。 黒潮盃は地方馬限定の3歳重賞としては屈指の高額賞金を誇り、真夏に開催時期が変わってからは南関クラシックのあとに各馬が目標とするレースと言えます。 2004年からは地方全国交流となり、各地からも強豪が集まる... 馬人
「名勝負」を語る マチカネニホンバレ〜日本晴れの越後路にて戴冠す 2009年・エルムステークス~ 2020年8月10日 現地観戦した新馬戦を勝利した馬が後々出世を果たし……ついにはGⅠを勝利すると、「俺、あの馬のデビュー戦を現地で見てたんだよな」と、ついつい友人に自慢話をしたくなる。その新馬戦から後々GⅠや重賞を勝つ馬が複数頭出たりすると、後に『伝説の新馬戦』などと呼ばれるようになり、それを現地で観戦したことのプレミア感たるや半端なもの... 齋藤 翔人