「名馬」を語る 「今度こそ」を何度もくれた君へ - ボンドガールの引退に寄せて 2026年8月9日 2023年6月4日。新緑の東京競馬場。 前週の日本ダービーの余韻もまだどこか残る2歳新馬の開幕週。その中で、その馬は初めて、私たちの前に姿を見せた。 ボンドガール。 鹿毛の美しい馬体に、どこか可憐で品のある眼差し。走り出せば弾むようなしなやかなフットワークを見せた。眩しい陽を追いかけるように軽々と気持ちよさそうに駆け、... norauma
「名馬」を語る 未来を変える勝利 - アジアエクスプレス 2026年8月5日 競馬という競技にはさまざまな側面があります。ギャンブルであったり、スポーツであったり、時には小説を超えるようなドラマを魅せてくれることもあり、本当に奥深い競技だなと常々感じさせます。 その多様な側面の一つに「子孫を残す馬を決める選定」と言う部分もあります。特に生産者にとっては生産した馬が高く売れるかどうか、活躍するかど... 館山 速人
「名馬」を語る 君に繋がる物語 - アイムユアーズ 2026年8月2日 天皇賞(春)を連覇したフィエールマン、重馬場の皐月賞を豪快に差し切ったソールオリエンス、そして2025年の天皇賞(秋)を勝ち、世界とも肉薄したマスカレードボール。翌26年もクラシックに主役の一頭、リアライズシリウスを送り込むなど、いまや美浦のトップ・トレーナーの一人に数えられる手塚貴久調教師。 その資質は開業当初からす... 玩具販売者
「名馬」を語る 遥かなる旅路のプロローグ - 北の大地でディアドラが広げた、世界への翼 2026年8月1日 ディアドラという存在は、一羽の気高い渡り鳥のように思える。 ドバイ、イギリス、アイルランド、フランス、サウジアラビア、バーレーン、香港──。海を越え、国境を越え、その土地ごとに異なる芝を踏みしめながら、世界中の強豪へ挑み続けた。日本調教馬が海外へ遠征することは、もはや珍しい時代ではない。それでも、これほど長く、一つの場... norauma
「名馬」を語る 日本最速の直線にその名を二度も刻み、「光の王」となったカルストンライトオ 2026年7月29日 短距離馬の魅力は、一瞬で勝負を決める速さにあるだろう。なかでもカルストンライトオは、その速さをもっとも分かりやすい形で示したスプリンターだった。黒鹿毛の馬体に大きな流星を浮かべ、スタートから迷いなく前へ出る。直線コースでは、ただひたすらゴールへ向かって加速していく。その姿は、駆け引きというよりも、純粋なスピードそのもの... 真実 良
「名馬」を語る ショウナンマイティ - 暴君と龍王、2頭の王に迫った末脚 2026年7月28日 かつて、王を意味する異名を持つ2頭の競走馬がターフを席巻する時代があった。 そのうちの1頭は金色の暴君オルフェーヴル。そして、もう1頭は龍王ロードカナロア。同じ世代に生を受けた2頭の競走馬は、一方はクラシックから古馬の中長距離路線、もう一方は短距離路線でそれぞれ絶対的とも言える力を堅持していた。 むろん、そのような時代... ポグリエル
「名馬」を語る 輝ける場所。スクリーンヒーロー・ウインカーネリアンと鹿戸雄一調教師の物語 2026年7月25日 1.グラスワンダーの血 「最強世代」。競馬界で様々な世代に対して遣われてきた表現である。何を基準とするかによって判断は割れるし、個人的な思い入れによっても見解は分かれる。しかし、所謂「98世代」、スペシャルウィーク・エルコンドルパサー・キングヘイローらが活躍した1998年クラシック世代がその候補の一角であることは衆目の... 縁記台
「名馬」を語る チェッキーノ - 夏の新潟に刻まれた、「栗毛の才媛」のラストラン 2026年7月22日 夏の新潟開催を語るなら、まず思い浮かぶのが関屋記念だ。灼けるような陽射しの下、真っ直ぐに伸びる新潟外回りの芝1600mを、馬たちが一気に駆け抜ける。その舞台は昔から「夏のスピード決戦」の象徴であり、今もなお好タイム決着が名物となっている。2025年にはカナテープが1分31秒0のコースレコードで駆け抜け、観客を沸かせた。... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る ロサード - 夏を愛した、バラ一族の切り込み隊長 2026年7月18日 一頭の繁殖牝馬から続々と活躍馬が登場し、やがて大きく枝葉を広げ派生していった一族は名牝系と呼ばれる。もちろん、日本の競馬にもいくつか名牝系は存在するが、その中で、フランス生まれの牝馬ローザネイから派生し、薔薇にまつわる馬名がつけられている牝系が、通称「バラ一族」である。 当初、バラ一族からは重賞勝ち馬が多数登場したもの... 齋藤 翔人
「名馬」を語る アルバートドックが辿り着いた港 2026年7月11日 ゆっくりと自らの航路へ アルバートドックという馬名を聞いて、すぐに小倉大賞典や七夕賞の勝ち馬だと答えられる人は、決して多くないかもしれない。 ディープインパクト産駒。松田博資厩舎の期待馬。クラシックを目指した素質馬。そして、サマー2000シリーズの王者。 だが彼の物語は、日本での現役生活だけでは終わらなかった。馬名の由... ムラマシ