「名馬」を語る きっと明日も晴れるはず~アップトゥデイト~ 2019年10月4日 彼はいつも、笑顔に囲まれていた。 彼の周りでは馬と人が、人と人が、堅い絆で結ばれていた。 そしてその愛らしい瞳に燃えるのは、決して諦めない闘志であった。 2015年、史上初の春秋・中山大障害連覇を成し遂げた名馬は、無尽蔵のスタミナと慎重な美しい飛越を武器に闘い抜いた。 彼の名は、アップトゥデイト。 エイコーンパス、サナ... ウマフリライター
「名馬」を語る ディープインパクトとキングカメハメハ 〜2頭の名種牡馬が令和に託す『希望』〜 2019年8月12日 平成後期の競馬界を支えた2頭のサラブレッドが、この世を去った。 キングカメハメハと、ディープインパクト。 ともにダービー馬であり、種牡馬としても多大なる功績を残した2頭だ。 競馬ファンでなくとも、その名を知る人は多いだろう。特にディープインパクトは、社会現象を巻き起こしたほどのサラブレッドだった。キングカメハメハも「大... 葵ゆう子
「名馬」を語る タンタアレグリアとの約束 2019年7月13日 「あなたが最も忌み嫌う四字熟語は何ですか?」 答えは様々あるだろうが、私は、こう答える。 「予後不良」と。 回復が極めて困難で、殺処分の処置が適当であると診断された状態を「予後不良」と呼ぶ。転じて、競馬においては「予後不良」は「安楽死」を暗に意味する言葉となっている。 2019年7月3日。九州地方で災害級の大雨が続く中... ウマフリライター
「名馬」を語る ダートグレード競走で引き金をひけ!プルザトリガー 2019年7月5日 地方競馬で行われるダートグレード競走は、やはり中央競馬所属馬が優勢。地方競馬ファン・地方競馬所属馬にとって高いハードルとなります。だからこそ、地方競馬所属馬が活躍した時には、大いに盛り上がり、多くの賞賛を浴びることになります。今回はスパーキングレディーカップであわやの好走をし、その後、中央競馬所属馬相手に活躍していくこ... プーオウ
「名馬」を語る 百万石の名馬〜百万石賞とジャングルスマイル〜 2019年6月23日 金沢競馬には「四大重賞」と呼ばれる、歴史と格式のある重賞がある。百万石賞・白山大賞典・北國王冠・中日杯の4重賞が、それにあたる。 上半期最高の重賞、百万石賞(2100m)。唯一の統一重賞、白山大賞典(2100m)。全国屈指の最長距離重賞、北國王冠(2600m)。真冬の金沢最終重賞、中日杯(2000m)。 チャンピオンデ... ウマフリライター
「名馬」を語る 追悼・メイクアップ〜個性派の顔をもつ「実力派」〜 2019年6月15日 土曜日の朝、目覚めると、競馬界が大騒ぎになっていた。 どうやら、禁止薬物が含まれた飼料添加物が出回っていたらしい。様々なメディアが、次々にその事件を報じる。150頭を超える馬が、レース直前に緊急で出走除外になったのだという。令和の競馬が始まってまだ2ヶ月足らずで、大きなニュースが巻き起こってしまったなぁと憂鬱な気分でテ... 葵ゆう子
「名馬」を語る 関東オークス~白毛の女王、ユキチャン~ 2019年6月11日 1.砂の三歳女王決定戦 湿気を帯びた風が、雨を呼ぶ6月。 JRAでは、春の牝馬クラシック路線に区切りがついたこの時期、地方競馬では一足遅れて、牝馬クラシック路線が佳境を迎えます。南関東牝馬三冠路線のラストを飾る、砂の3歳女王決定戦。6月中旬に、川崎競馬場で開催される関東オークス(JpnⅡ)です。1965年に創設されたこ... ウマフリライター
「名馬」を語る 天才と天才の別れ~サイレンススズカ~ 2019年5月1日 1994年5月1日。 その日、イタリアのイモラ・サーキットではサンマリノGPが開催されていた。のちに「赤い皇帝」の異名をとるミハエル・シューマッハ、日本人の片山右京、ミカ・ハッキネン、ルーベンス・バリチェロらが参戦していたそのレースは、今では「呪われた週末」「イモラの悲劇」と呼ばれる。そのレースで「音速の貴公子」と呼ば... ウマフリライター
「名馬」を語る 昭和から、平成へ〜公営新潟の名馬・キリサンシー号物語〜 2019年4月30日 私の幼い頃の記憶に、新潟競馬場の厩舎地区側にある外厩にいた、重賞馬・キリサンシーの姿があります。引退後数年のあいだ、彼はそこで過ごしていました。昭和から平成への転換期、挑戦を続けた「公営新潟」出身の名馬の姿が、そこにはありました。 1985年(昭和60年)に、父サンシー母アンナリビアとの間に生まれたキリサンシー号。 公... ウマフリライター
「名馬」を語る 大種牡馬・ステイゴールド〜終わらない黄金旅程〜 2019年4月19日 2001年12月16日、香港ヴァーズ。 50戦目、しかも引退レースでついにGI制覇という勲章を手に入れ、絵にかいたような大団円を迎え、現役生活を終えたステイゴールド。 ファンの目から見れば、6歳時に目黒記念でようやく初めて重賞を勝ち、ある意味これがゴールかなという想いも、少なからずありました。 この時点でステイが種牡馬... golden voyage