「名馬」を語る 栗毛の怪物と呼ばれた父の背中を追って - 2008年新潟2歳ステークス・セイウンワンダー 2021年8月25日 夏競馬の名物の一つに、ローカルの4つの競馬場で行われる2歳重賞があげられる。近年は、7月の函館2歳ステークスに始まり9月の小倉2歳ステークスで閉幕するスケジュールとなっているが、その中でも新潟2歳ステークスは日本一長い直線を有する新潟の外回り1600mで行われ、なおかつ施工時期も開催後半に行われているため、しばしば派手... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 「もう2度とひっくり返らないぞ、ジョッキーを落とさないぞ」。悲運の名馬・シゲルスダチの生涯を振り返る。 2021年8月22日 記録には残らなくても、人の記憶に残る名馬がいる。2015年に『優駿』の企画、「未来に語り継ぎたい名馬 BEST100」の中で、重賞未勝利の条件馬として唯一ランクイン(95位)した馬がいた。 その馬は、シゲルスダチ。2012年の3歳OPマーガレットSを勝利し、NHKマイルCにも出走した実力馬で、その芦毛の馬体と可愛らしい... ひでまさねちか
「名馬」を語る エイシンプレストン~若き日の福永騎手を育てた"栄進寳蹄"〜 2021年8月20日 1995年にフジヤマケンザンが香港国際カップを優勝して以降、日本の競馬ファンにもすっかりお馴染みとなった香港競馬。中でも、12月に行なわれる香港国際競走の各レースは、日本のみならず、世界各国から強豪が集結。今や日本でも馬券の購入が可能で、毎年のように熱いレースが繰り広げられている。 2021年現在、日本調教馬で海外GⅠ... 齋藤 翔人
「名馬」を語る エイシンガイモン - 越後の水があっていた、いぶし銀のマル外 2021年8月14日 現代競馬を根本から変えた、種牡馬サンデーサイレンス。1994年に初年度産駒が登場すると、翌年、わずか2世代でリーディングサイヤーを獲得。以後、2007年までその座を守り続けた。 一方、その登場とほぼ同時期に、強烈な存在感を放ち始めたのが外国産馬、通称「マル外」である。当時、クラシックに出走権がなかった3歳の外国産馬にと... 齋藤 翔人
「名馬」を語る サンデー最後の大物と言われた天才・マルカシェンク。幾度とない試練を乗り越えた、現役最後の勝利を振り返る。 2021年8月13日 サラブレッドは、その素質のどれほどをパフォーマンスとして発揮できるのだろうか。能力が高くても精神面の弱さから大成できない馬がいたり、成長曲線の絶頂期を怪我で棒に振ってしまったり、怪我が治っても無意識に庇ってしまい以前の力が出せなかったり……。確かな素質や実力がありながら、なかなか結果を出せずに終わってしまう馬たちは数多... ひでまさねちか
「名馬」を語る 「村山厩舎・赤一本輪」への復讐。"敵地"の浦和にて~ブルドッグボス~ 2021年8月9日 立ちはだかった「白」 「クラスター」と言えば、競馬ファンにとっては「クラスターカップ(JpnIII)」だった2016年。1.9倍の1番人気の支持を受けて出走するJRAのエリートがいた。ブルドッグボスである。 2歳秋の500万円以下から1年以上、10戦連続1番人気を記録するなど、5勝を挙げてオープン競走も2勝するなど人気... フロリダ
「名馬」を語る マチカネニホンバレ~天晴マチカネ軍団、日本晴れ~ 2021年8月8日 マチカネ軍団──。 かつて競馬界をにぎわせたその軍団は、今も多くの人の記憶に残る。 G1を制したフクキタル、G1勝ちこそないものの蜘蛛を食べて蕁麻疹になった(らしい)など古馬戦線を色んな意味で賑わせたタンホイザ、ダートで活躍したワラウカド、超良血のアレグロに皐月賞馬ハードバージの半弟、ダビスタで多くのプレイヤーを虜にし... 小早川 涼風
「名馬」を語る インカンテーション - 不屈の精神で度重なる故障と挫折を乗り越えた砂の名脇役 2021年8月4日 米国の大レースを制した日本人オーナーの所有馬といえば、真っ先に挙がるのはフサイチペガサスだろうか。大種牡馬ミスタープロスペクター最晩年の産駒で、400万ドルという超のつく高値で関口房朗氏が落札。1999年12月にデビューすると、初戦こそ敗れたものの、5連勝でケンタッキーダービーを制覇。日米両国のダービーオーナーという、... 齋藤 翔人
「名馬」を語る アイムユアーズ~少女たちの好敵手~ 2021年8月1日 夏を感じる風物詩。きっとそれは花火であったり西瓜であったり、人によってそれぞれだろう。 かくいう私は、北海道で競馬が開催される季節になると「ああ夏が来た」と感じる。 そんな北海道開催の名物重賞のひとつ、クイーンS。中山競馬場時代から数多の名馬が参戦し、またここから飛躍する馬達も数多い牝馬限定戦だ。 ……ところが意外にも... 小早川 涼風
「名馬」を語る 妹よ。 - レクレドール 2021年7月31日 2006年8月20日、日曜日。市中に流行り始めた新語「アラサー」の域に達しつつあった私は札幌競馬場の喧騒の中に佇んでいた。恐らく生で見るのは最後になるであろう、彼女の走る姿を、この目に焼き付けるために。 メインレース、札幌記念。 7番ゲート、前走クイーンステークス3着からの連闘。9番人気、5歳、23戦目、牝馬。兄はステ... 枝林 応一