「名馬」を語る マチカネフクキタル~「待ちかねた福」を掴んだ、衝撃の末脚~ 2021年4月2日 私がまだ幼い頃、はじめて自分から競馬メディアを探して見た動画は、サイレンススズカの特集動画だった。新馬戦の勝ちっぷり、弥生賞でのゲートくぐり、プリンシパルSの勝利で駒を進めたダービーでの敗戦を経て見た、神戸新聞杯。 直線で大きく突き放し、セーフティリードを広げる彼に魅了され始めていた私は「ああ、かっこいいなあスズカ」と... 小早川 涼風
「名馬」を語る 大阪杯勝利、そして2年後の復活劇──芦毛ブームを牽引した名脇役・ホワイトストーン 2021年4月1日 それは、突如としてやってきた──。 昭和の終わりから平成にかけて吹き荒れた、芦毛ブームである。そのきっかけとなったのは、昭和62年の秋から翌年にかけて連勝街道を驀進した、二頭の芦毛のサラブレッドだった。 一頭目はタマモクロス。 ダートでくすぶっていた馬が、芝に再転向すると突如の快進撃をみせ、現・1勝クラスからの6連勝で... 齋藤 翔人
「名馬」を語る キズナ~記録より記憶に残る、絆の名馬〜 2021年3月27日 「ぼくは、帰ってきました」その一言に、涙が出たのを今でも思い出す。 衝撃が走った日 「……最大震度は7……特に東北地方の被害は甚大であり……付近の方々は津波の恐れがありますので厳重に注意して下さい……」 あの日、我々から「日常」を奪っていった最悪の日。2011年3月11日、東日本大震災。全国に多大な被害を負わせ、死者、... 小早川 涼風
「名馬」を語る ビッグアーサー~聖剣の王者~ 2021年3月27日 時は2016年──短距離の絶対王者・ロードカナロアが高松宮記念を制覇した3年後。名馬サクラバクシンオーが残した最後のトップスプリンターが、短距離界を平定する。彗星のごとく現れ、瞬く間に短距離界のトップに君臨した王者、ビッグアーサー。 その名に恥じぬ、伝説の現役時代を歩んだ馬であった。 「王」から「王」へ。国内スピード王... 小早川 涼風
「名馬」を語る キングヘイロー〜自らの"居場所"を探し続けた先にあったもの~ 2021年3月26日 デビュー前から期待の良血と噂されていた評判馬が、実際にデビュー戦を勝利して「この馬は、間違いなく将来GⅠを勝ちそうだな」と思った経験は、きっと多くの競馬ファンが持っているだろう。 近年でいえば、サートゥルナーリアのデビュー戦を見た人の多くは、すぐにそう思ったに違いない。なにせ、父は史上最強クラスのスプリンターと言われた... 齋藤 翔人
「名馬」を語る イングランディーレ〜長距離が繋いだ縁と血〜 2021年3月26日 『長距離競馬』は、近年の競走形態の短距離化に伴って、その重要性が薄くなりつつある。 デルタブルース、ジャガーメイル、マイネルキッツ、ビートブラック、ビッグウィーク……。これらの馬はGⅠ競走を制覇しながら、ただ1シーズンすら種牡馬として繋養されることはなかった馬たちだ。 今ではクラシック競走の最終戦である3000m級の競... ひでまさねちか
「名馬」を語る ミスターメロディ〜福永騎手、キングヘイローと不思議な縁のある良血馬~ 2021年3月24日 「……ディヴァインライト抜けてくる! 大外からキングヘイロー! キングヘイローだ! キングヘイローが撫で切った! 遂に悲願のG1制覇です!」 2000年、高松宮記念。己の血統の偉大さを、いくつもの敗北を乗り越え証明した良血馬、キングヘイロー。 クビ差2着に、内から抜け出し、競り合いを制していたディヴァインライト。鞍上は... 小早川 涼風
「名馬」を語る はじめの一歩 後藤浩輝騎手とキタサンブラック 2021年3月20日 東京都中央卸売市場。当時は築地市場と呼ばれていた。 一部の競り物品を除き、競り人と仲買人が話し合いによって売買する相対取引が主流になり、築地の仲買人たちは早朝というより、真夜中の午前1時、2時から競り場に降りてくる。顧客の注文に見合う魚を長年培った経験をもとに探し、競り人と値段を交渉する。 午前4時。 そうして魚を買い... 勝木 淳
「名馬」を語る 今も多くのファンに愛され続ける奇跡の名馬、トウカイテイオーの物語 2021年3月20日 こんにちは、チーム・テイオーです。チーム・テイオー創立10周年を記念して、これまで、父のシンボリルドルフ、産駒のトウカイポイントを紹介してきましたが、いよいよトウカイテイオーの登場です。今回は、ウマフリで名馬たちの記事を執筆中の首都羅臼さん(チーム・テイオー会員)が、奇跡の名馬トウカイテイオーの溢れる魅力を甦らせてくれ... チーム・テイオー トウカイテイオー産駒の会
「名馬」を語る マヤノトップガン〜日本競馬史に残る名勝負を二度も演じたステイヤー~ 2021年3月19日 菊花賞や天皇賞春といった長距離戦を好むファンは、今の時代になっても決して少なくないように思う。長い時間ハラハラドキドキした気持ちでいられることや、二度も目の前(スタンド前)を走ってくれることなどが理由だろうか。 それに加え、菊花賞では、夏の上がり馬の存在という楽しみもある。 近年、新馬戦の開始が早まったことにより、春の... 齋藤 翔人