「名馬」を語る 同「厩」生と交わした約束~エリモダンディー・シルクジャスティス〜 2021年1月16日 1990年代中ごろから、日本の3歳クラシック戦線は、サンデーサイレンス産駒vsブライアンズタイム産駒の戦いの歴史だったといっても過言ではない。1994年にナリタブライアンが牡馬三冠を達成し、牝馬でもチョウカイキャロルがオークスを制した翌年、サンデーサイレンスの初年度産駒が大爆発。その翌年からも牡馬・牝馬のクラシックを席... 齋藤 翔人
「名馬」を語る すべての理由が「距離」ではない - フィエールマン物語 2021年1月10日 2004年11月28日。 この年、JRAは創立50周年を迎え、JRAゴールデンジュビリーキャンペーンを展開。各地で記念競走が行われ、そのハイライトはジャパンCとジャパンCダートを同日に行うゴールデン・ジュビリー・デーだった。10RジャパンCダートを武豊騎手が乗るタイムパラドックスが勝ち、11RジャパンCはオリビエ・ペリ... 勝木 淳
「名馬」を語る ラスカルスズカ〜「名馬」と呼ばれた兄の、唯一無二の「弟」〜 2021年1月4日 競馬の大きな楽しみの一つとして、自分の思い入れある馬のきょうだいも応援することができる、というものがある。 兄や姉の面影を弟や妹に重ね、変わらぬ声援を送り、上のきょうだいたちにも更なる活躍を期待して、その一族への愛着は一層深まってゆく。 毛色や顔立ちなどの姿かたちや脚質、得意な距離や馬場がそっくりなきょうだいもいれば、... 首都羅臼
「名馬」を語る ディーマジェスティ〜「一勝より一生」で繋がった命と数々の勲章〜 2021年1月2日 おそらくその日、美浦トレセン内にある藤沢厩舎には、非常に重苦しい空気が流れていたに違いない。管理するシンコウエルメスが調教中に骨折。獣医からは、おそらく治る見込みがないだろうとの診断がなされたからだ。つまりそれは、シンコウエルメスが予後不良──安楽死処分になってしまうことを意味していた。 しかし、師はそこで引き下がるこ... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 彼女がいた時代を生きてきた、幸せな人々へ − アーモンドアイ 2020年12月31日 競馬を続けていると、幸せと不幸せの行ったり来たりを繰り返して生きていることに気づかされる。予想通りの展開で大勝する日もあれば、最終レースに人気馬の複勝にブッ込んで取り返せない日もある。 たとえば、2017年8月6日。台風の影響で夏の甲子園の開幕は翌々日に延期。ため息のなか「競馬でもやるか」とテレビをつけて、打って変わっ... 手塚 瞳
「名馬」を語る 夜空にいななく ゴールドシップ引退式 2020年12月26日 2015年12月27日。 有馬記念という祭典の終わり。 気がつけば競馬場一面の夜空。台地を滑る寒風はさらに強烈で、主役の登場を待つ人々は唇を震わせ、足踏みし続けた。やがて芝コースに赤、白袖赤一本輪の勝負をまとった3人があらわれる。横山典弘騎手、岩田康誠騎手、内田博幸騎手。有馬記念後夜祭の"主役"と苦楽を共にしてきた男た... 勝木 淳
「名馬」を語る 黒鹿毛の2歳王者・ゴスホークケン 2020年12月20日 これは、まだ朝日杯フューチュリティステークスが中山で行われていた頃の話だ。中山芝1600m戦といえば、スタートしてから2コーナーまでの距離が240mと短く、外枠に入った馬はどうしても外々を回らざるを得なくなる。そのため、内枠との有利不利が強く生じる難しいコースとして知られている。 そうした点も踏まえ、2014年以降、朝... 小早川 涼風
「名馬」を語る あの日、君が軽く飛んだから~ドリームジャーニー・2006年朝日杯FS〜 2020年12月19日 『蛯名、差せぇぇぇぇぇぇぇ!』筆者が競馬にはまる決定打となったステイゴールドの産駒、ドリームジャーニーが朝日杯フューチュリティSをなで斬った瞬間であった。 これは、第58回朝日杯フューチュリティステークス当日に私が記したブログの抜粋である。 今回、朝日FSに向けてドリームジャーニーの記事を書くことにしたとき、ふと、昔ブ... 枝林 応一
「名馬」を語る ウインブライト&松岡正海騎手〜相思相愛の人馬が描いた奇跡〜 2020年12月13日 ステイゴールドの2014年産駒、ウインブライト。 同期のステイ産駒にはスティッフェリオ(重賞3勝)、クレッシェンドラヴ(重賞2勝)がいますが、2頭とも4歳秋以降に成長しての活躍で、3歳クラシック戦線には参戦できませんでした。ブライトは、同期の出世頭と呼べるでしょう。 ステイゴールドファンから見たデビュー前のブライトの印... golden voyage
「名馬」を語る スイープトウショウ 〜『牝馬の時代』を呼び込んだ名牝〜 2020年12月6日 日本競馬界に訪れた『牝馬の時代』。 ウオッカやダイワスカーレットが牡馬を相手にダービーや有馬記念などを制すると、2世代下のブエナビスタがその流れを受け継いで中長距離戦線を引っ張る存在として君臨。さらにジェンティルドンナ、アーモンドアイといった歴史的名牝が続いた。 それまで少なからずあった「牝馬・牡馬の壁」は、今や完全に... 葵ゆう子