「名馬」を語る [追悼記事]マヤノトップガン~変幻自在に駆ける空~ 2019年11月7日 「大外から何か1頭突っ込んでくる!」 数々の名実況を生み出してきた、杉本清アナウンサーが叫ぶ。 「トップガンきた!トップガンきた!トップガンきた!」 観衆が沸いた。叫び声や声援が膨れ上がる。 大外から、栗毛の馬体が猛然と追い込んできた。 「さあ差し切るか、やっぱり三強の争いか!?」 実況の名手の声すらもはっきり聞こえな... ウマフリライター
「名馬」を語る 「特別な週末」から「喜劇」、そして「祭り」へ〜名牝シーザリオが繋げた系譜〜 2019年10月26日 2018年12月28日。 例年以上の厳しい寒さを迎える中、私は中山競馬場にいた。その目的は競馬ファンなら言わずと知れたものだ。 2017年から2歳G1となった、ホープフルステークスである。 この時、単勝オッズで1.8倍という断トツ人気に推されたサートゥルナーリアが、4枠5番にゲートインを迎えようとしていた。 父は201... KOBA
「名馬」を語る ミホノブルボン 栗毛のサイボーグ 2019年10月19日 血筋や生まれが特別ではなくとも努力で栄光を掴みとる……という物語には、胸を打たれるものがあります。 人間の世界に限らず、競馬でも然り。 今回はそうした馬たちの中でも特に、努力によって道を切りひらいたと言われている、一頭の名馬をご紹介します。 その名は、ミホノブルボン。 日本競馬に燦然たる功績を残した栗毛の名馬です。 ※... ウマフリライター
「名馬」を語る きっと明日も晴れるはず~アップトゥデイト~ 2019年10月4日 彼はいつも、笑顔に囲まれていた。 彼の周りでは馬と人が、人と人が、堅い絆で結ばれていた。 そしてその愛らしい瞳に燃えるのは、決して諦めない闘志であった。 2015年、史上初の春秋・中山大障害連覇を成し遂げた名馬は、無尽蔵のスタミナと慎重な美しい飛越を武器に闘い抜いた。 彼の名は、アップトゥデイト。 エイコーンパス、サナ... ウマフリライター
「名馬」を語る ディープインパクトとキングカメハメハ 〜2頭の名種牡馬が令和に託す『希望』〜 2019年8月12日 平成後期の競馬界を支えた2頭のサラブレッドが、この世を去った。 キングカメハメハと、ディープインパクト。 ともにダービー馬であり、種牡馬としても多大なる功績を残した2頭だ。 競馬ファンでなくとも、その名を知る人は多いだろう。特にディープインパクトは、社会現象を巻き起こしたほどのサラブレッドだった。キングカメハメハも「大... 葵ゆう子
「名馬」を語る タンタアレグリアとの約束 2019年7月13日 「あなたが最も忌み嫌う四字熟語は何ですか?」 答えは様々あるだろうが、私は、こう答える。 「予後不良」と。 回復が極めて困難で、殺処分の処置が適当であると診断された状態を「予後不良」と呼ぶ。転じて、競馬においては「予後不良」は「安楽死」を暗に意味する言葉となっている。 2019年7月3日。九州地方で災害級の大雨が続く中... ウマフリライター
「名馬」を語る ダートグレード競走で引き金をひけ!プルザトリガー 2019年7月5日 地方競馬で行われるダートグレード競走は、やはり中央競馬所属馬が優勢。地方競馬ファン・地方競馬所属馬にとって高いハードルとなります。だからこそ、地方競馬所属馬が活躍した時には、大いに盛り上がり、多くの賞賛を浴びることになります。今回はスパーキングレディーカップであわやの好走をし、その後、中央競馬所属馬相手に活躍していくこ... プーオウ
「名馬」を語る 百万石の名馬〜百万石賞とジャングルスマイル〜 2019年6月23日 金沢競馬には「四大重賞」と呼ばれる、歴史と格式のある重賞がある。百万石賞・白山大賞典・北國王冠・中日杯の4重賞が、それにあたる。 上半期最高の重賞、百万石賞(2100m)。唯一の統一重賞、白山大賞典(2100m)。全国屈指の最長距離重賞、北國王冠(2600m)。真冬の金沢最終重賞、中日杯(2000m)。 チャンピオンデ... ウマフリライター
「名馬」を語る 追悼・メイクアップ〜個性派の顔をもつ「実力派」〜 2019年6月15日 土曜日の朝、目覚めると、競馬界が大騒ぎになっていた。 どうやら、禁止薬物が含まれた飼料添加物が出回っていたらしい。様々なメディアが、次々にその事件を報じる。150頭を超える馬が、レース直前に緊急で出走除外になったのだという。令和の競馬が始まってまだ2ヶ月足らずで、大きなニュースが巻き起こってしまったなぁと憂鬱な気分でテ... 葵ゆう子
「名馬」を語る 関東オークス~白毛の女王、ユキチャン~ 2019年6月11日 1.砂の三歳女王決定戦 湿気を帯びた風が、雨を呼ぶ6月。 JRAでは、春の牝馬クラシック路線に区切りがついたこの時期、地方競馬では一足遅れて、牝馬クラシック路線が佳境を迎えます。南関東牝馬三冠路線のラストを飾る、砂の3歳女王決定戦。6月中旬に、川崎競馬場で開催される関東オークス(JpnⅡ)です。1965年に創設されたこ... ウマフリライター