「名馬」を語る 函館2歳Sを制し、桜花賞候補と囁かれながらも片目を失ってしまった素質馬、ニシノチャーミー 2024年7月14日 暑い夏が訪れ、函館2歳Sが近付くと、思い出さずにはいられない1頭がいる。 現役生活中に不慮の事故で、片目を失なう不運にみわまれながらも、GI桜花賞へ果敢に挑戦したニシノチャーミーだ。 ニシノチャーミーは、父サクラバクシンオー、母ブランドミッシェルという血統を持つ。 父は言わずと知れた快速馬・サクラバクシンオー。短距離を... happy_keiba_life
「名馬」を語る 故郷に錦を。マイネルミラノと丹内祐次の函館記念 2024年7月14日 「マイネルミラノ、丹内祐次! 地元函館で重賞勝利!」 曇天の空に実況アナウンサーの声が響き、黄金色のたてがみをなびかせながら一頭のステイゴールド産駒が悠然と駆け抜けていった。 その背にはマイネルの勝負服を着た一人の男。満面の笑みを浮かべながらぐるりとコースを一周し、詰めかけた地元ファンの前で何度も天に拳を突きあげている... norauma
「名馬」を語る 「モデルチェンジ」による帝王戴冠。2016年、コパノリッキーの躍進を振り返る 2024年6月26日 1.同郷の名馬2頭 「2016年に活躍した、ヤナガワ牧場の生産馬と言えば?」という問いを競馬ファンに出したとしたら、おそらく十中八九「キタサンブラック」という答えが返ってくるだろう。 2010年代の日本競馬を代表する名馬・キタサンブラック。「顔が二枚目」という理由で北島三郎オーナーが購入したこの馬は、古馬となった201... 縁記台
「名馬」を語る 単勝万馬券の伏兵評価をひっくり返せ! 強豪馬が集まった2004年さきたま杯を制した「ハマれば強い」名馬、ロッキーアピール 2024年6月19日 2024年、さきたま杯がGⅠに昇格。これまで数多の名馬を輩出してきただけに、さらなる期待が高まります。スマートファルコン、ノーザンリバー、ソルテ、イグナイターなど、さきたま杯を制覇した名だたる名馬の中に、ロッキーアピールもいます。今回はハマれば強い希代のクセ馬、ロッキーアピールについて見ていきます。 ロッキーアピールは... プーオウ
「名馬」を語る 「主な勝ち鞍 安田記念」へ。海外遠征を経て掴み取った、三度目の正直 - 1997年・安田記念タイキブリザード 2024年6月1日 人生はままならない。あとから振り返って「あの経験があって良かった」「あの出来事が自分を成長させてくれた」と思うことはある。でも、道を歩んでいる最中は、結果が出ないと苦しいし、辛い。周りの期待が大きかったりするとなおさらだ。くじけそうになるし、投げ出したくもなる。それでも前へ進む。ただ、愚直に前へ。 そんなサラブレッドが... 林田麟(りんだりん)
「名馬」を語る 1番人気はいらない、1着が欲しい!~炎の奪取・春二冠サニーブライアンの物語~ 2024年5月26日 「Sunny」という曲をご存じだろうか。アメリカのR&Bシンガー、ボビー・ヘブの手になる、’60年代ポップスを代表する名曲である。1966年に発売されたこの曲は、ビルボードのシングルチャートで2位となる大ヒットとなっただけでなく、フランク・シナトラやエラ・フィッツジェラルド、スティービー・ワンダーやザ・ベンチャ... 高橋薫
「名馬」を語る 抒情詩としての三冠馬 - コントレイル 2024年5月26日 1.競馬界の「大名人」 本題に入る前に、ある将棋棋士の話をさせて欲しい。その棋士は史上4人目の中学生棋士としてデビューし、弱冠20歳で竜王位を獲得。そして竜王戦を5連覇し、「永世竜王」の資格を史上初めて得た。その後もトップ棋士として活躍、名人にもなった。棋士の名は渡辺明。競馬ファンとしても有名だから、読者の中にもご存じ... 縁記台
「名馬」を語る ミホノブルボン「最後の400m」/1992年東京優駿 2024年5月24日 「努力なくして成功無し、努力に勝る天才無し」 出来るだけ楽に生きていこうとする怠け者の私には、耳の痛い言葉である。 1992年の私は、本社の広告宣伝部へ異動になって3年目。担当する業務の難易度がどんどん高まり、1週間8時間×5日勤務では追いつかない位になっていた頃だった。当然、定時を過ぎても残業が当たり前の状態で、と... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 無敗の三冠牝馬、デアリングタクト。彼女からもらった勇気。 2024年5月10日 私が"史上初・無敗の三冠牝馬"であるデアリングタクトを思い出すとき、まっさきに浮かぶ光景がある。それは彼女が無敗の三冠を達成した秋華賞ではない。 私にとって、最も強烈な印象を残したのは、400日ぶりに復帰したヴィクトリアマイル、本馬場入場のワンシーンである。 コロナ禍によって奪われた我々の歓声。その分まで届けるかのよう... 吉田 梓
「名馬」を語る 2018年、天皇賞春。最後の一完歩を耐え切り、掴んだ『未来』 - レインボーライン 2024年4月28日 淀の直線、最後の一完歩…。 鞍上の巧みな手綱さばきで馬群を縫い上げたレインボーラインは、粘るシュヴァルグランを内から交わし、歓喜のゴールに飛び込んだ。 2018年4月29日。私を競馬に引きずり込んだステイゴールドの、その産駒として3頭目となる春の天皇盾を、レインボーラインと岩田康誠騎手がつかみ取った瞬間だった。 私がい... 枝林 応一