2017年12月29日、大井競馬場。 その日行われたGI競走「東京大賞典」で、一頭のサラブレッドがGI級競走通算11勝の大記録を達成しました。 その馬の名前は言うまでもないでしょう、この記事で取り上げる「コパノリッキー」のことです。 生い立ち コパノリッキー(以下リッキー)は2010年3月24日、北海道沙流郡のヤナガワ...
コラム・エッセイ
コラム・エッセイの記事一覧
幼い頃の記憶が、あるとき急に鮮やかになるように、競馬についても「物心がつく」ってことが存在するように思うのです。 僕の場合は2008年、ウオッカの勝った天皇賞(秋)をテレビで見て以降になります。それからずっと競馬が好きですが──それ以前のレースや名馬たちはどこか「歴史の教科書の出来事や偉人」のようなものであるし、それ以...
2013年、中山大障害。 最後の直線で1頭また1頭と交わしながら猛然と追い込もうとする、1頭の牝馬がいた。彼女の前を行く最後の1頭の馬との差は、絶望的なものだった。それでも、必死に食らいつこうとした。 「2013年・中山大障害馬」がゴールを駈け抜けた瞬間の着差は8馬身。 完敗だった。しかし、健闘だった。 牝馬ながら、中...
①2009年5月25日にうまれた。エアソミュール、サンビスタらと同級生。②お父さんはシンボリクリスエス、お母さんはミルフィオリ。 突然ですが、この情報だけでどの馬のことを言っているか分かってくれた方はいらっしゃいますでしょうか。もしいらっしゃったら、私としては本当に嬉しいのですが……今はもう引退してしまった馬です。 ラ...
現役時の実績が評価されたジャスタウェイは、日本国内の名種牡馬が集う社台スタリオンステーションで種牡馬生活をスタートします。初年度の価格設定は350万円に設定され、満口になるなど上々のスタートを切りました。 種付け頭数の推移は220→151→121頭と年々減少傾向にありますが、セレクトセールでの初年度産駒の売れ行きは上々...
2016年春の阪神スプリングジャンプを制した競走馬を覚えているだろうか。天性のスピードと卓越した飛越センスを兼ね備えた、障害競走馬を。 ──幾多の障害を飛越し掴んだ、無限の可能性。澄んだ瞳が見据えるのは、明るい未来だ。 2016年冬に彼は競走馬を引退し、北海道・酪農学園大学で馬術競技馬となった。その才能に期待をかけられ...
1987年12月26日、中山大障害・秋。かつてその地で栄光を掴み取った名馬が、この世を去った。 最期の力を振り絞り、鞍上の命を守って。そして、自らが夢を掴み取った大障害コースに、置き土産を残して── 時は遡り、1980年代。この時代の障害界も、強豪たちが激戦を繰り広げていた。中山大障害や京都大障害といった栄冠を目指して...
競走馬にはG1とって一人前、みたいな訳のわからないルールがある 天皇賞(秋)の一週間前登録が発表になり、ジャスタウェイの出走順位は20番目でした。天皇賞(秋)のフルゲートは18頭。 このままでは出走枠に入ることができません。しかし、競馬の神様はジャスタウェイを見捨てませんでした。 出走決定順位上位の馬が別のレースに向か...
『ジャスタウェイはジャスタウェイ以外の何ものでもない。それ以上でもそれ以下でもない』 週刊少年ジャンプで連載されている漫画「銀魂」のファンならば誰もが知っている名(?)台詞。そして、今回の記事の主役である競走馬『ジャスタウェイ』の馬主は、アニメ銀魂のシリーズ構成を3期まで担当していた脚本家の大和屋暁氏です。馬名の由来は...
アーカイブ
カテゴリー
語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
-
[重賞回顧]いざ、新時代へ! 復活を遂げたレガレイラが偉業を達成~2024年・有馬記念~
-
[重賞回顧]ニュースター誕生! 見惚れるほどの圧勝劇~2024年・朝日杯フューチュリティステークス~
-
[重賞回顧]世界を完封! 主役はやはり日本総大将~2024年・ジャパンカップ~
-
[重賞回顧]最速の母”ラッシュ”から魂の”ラッシュ”へ、鞍上が繋ぐ悲願成就!~2024年・マイルCS~
-
[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
-
[重賞回顧]夕暮れに映えた白き古豪、ハヤヤッコ~2024年・アルゼンチン共和国杯~
-
[地方レース回顧]意地の連覇、意欲の挑戦~2024年・マイルチャンピオンシップ南部杯~