船橋競馬場1600mで争われるマリーンカップ。牝馬限定の交流重賞はTCK女王杯、エンプレス杯と続いて今年3戦目になります。

JRAからは重賞初挑戦のテオレーマ、芝重賞の常連ながらダート初挑戦のフェアリーポルカ、札幌であっと言わせる激走を見せたレッドアネモス、牝馬交流重賞を走り慣れたマドラスチェックの4頭が参戦。

地方競馬からは昨年の勝馬サルサディオーネ、船橋でコンスタントに好走するアブソルートクイン、名古屋競馬から遠征のシーアフェアリーの3頭、合計7頭の少頭数で争われました。

レース概況

スタート好発進を決めたサルサディオーネがいつも通りの逃げを打ち、マドラスチェックがマークするために積極策へ。ダート初参戦となったフェアリーポルカとレッドアネモスが前の2頭で先行します。出負けしたシーアフェアリーも追いかけてついていき、アブソルートクインとテオレーマが後方で構えます。

向こう正面、逃げるサルサディオーネをぴったりマークするマドラスチェック。
その後方で促しながらついていくフェアリーポルカ、少しかかり気味ながら自ら追いかけるレッドアネモスが先行集団で変わらず。ついていけなかったシーアフェアリーが置かれて5番手に後退します。
そこから3馬身後ろでテオレーマが末脚を溜めて、アブソルートクインは早々に鞭が入っていました。
そのままポジションに大きな変化がないまま勝負のコーナーへ。

直線に向いたところでサルサディオーネを競り落とすべくマドラスチェックが前に出ますが、サルサディオーネも負けじと応戦します。フェアリーポルカがその2頭を追いかけて3番手で走っていた外から、唸る末脚でテオレーマが追い込み、ゴール直前で前の2頭も差し切ってしまいました。

各馬短評

1着 テオレーマ

前走小倉競馬場で上り35.6秒の末脚を繰り出しての勝利。末脚が嵌れば、上位争いできる馬です。
先行馬が有利な地方競馬のレースにおいてもスタイルを崩さずに挑み、1頭レベルの違う末脚を見せてくれました。今年の交流重賞で絶好調の川田ジョッキーが乗ってくれたのも、陣営としては心強かったことでしょう。

追い込み勝負は嵌り待ちの競馬にはなってしまいますが、次走もスタイルを崩さずに一撃を決めてほしいです。

2着 マドラスチェック

3歳の関東オークス以降、牝馬交流重賞を走り続けていて、南関の森泰斗ジョッキーが続けて乗っています。
逃げ馬がいなければ自らレースを作り、逃げ馬がいればマークして先行するレースぶりには安定感があり、同じ路線のサルサディオーネと互角の勝負を繰り広げています。

今回は楽逃げをさせずに競り勝つことが出来ましたが、勝った馬の末脚が強かったため惜しくも2着でした。
決め手に少し欠けるところはありますが常に上位争いできるのも魅力です。

3着 サルサディオーネ

昨年の勝馬で、左回りの川崎や船橋のレースで牡馬馬相手でも勝ち負けできる逃げ足の持ち主です。
半面、今回のようにマークを受けてしまうと脆いところもあり、4コーナーを回るまでにどれだけ脚を残しておくかが結果を左右します。

今年7歳になりましたが、スタートは相変わらず上手に出てダッシュもいいので、次のレースでもマイペースの逃げに期待したいところです。


レース総評

各馬短評で取り上げた3頭はそれぞれの「勝負スタイル」を持っており、今回の結果は経験値がものをいうものとなりました。ダート初挑戦のフェアリーポルカとレッドアネモスは今年の福島牝馬Sが新潟開催になったこともあり、新味を求めての参戦でしたが、次走は芝ダートどちらのレースに挑むのかにも注目です。

牝馬限定の交流戦は6月に3歳限定の関東オークスがあり、7月のスパーキングレディーカップからは3歳牝馬と古馬牝馬が対決します。この路線の常連メンバーたちに立ち向かえる新星のさらなる登場に期待です。


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