夏競馬真っ盛りの競馬界。
国内では東京オリンピックで盛り上がる中、函館ではそれに匹敵するほどの楽しみな重賞競走が行われた。
約8年ぶりに函館競馬場で行われるG3・エルムステークスである。実績馬が多数北の大地に揃い、秋以降のビッグレースにも必ずつながるであろう重要なダートグレードレースとなった。
大混戦大激戦の末、「函館砂の王」の称号を得たのは果たしてどの馬か。

レース概況

東京オリンピックマラソン競技が札幌で行われる関係で、函館で行われた今年のエルムステークス。

出走したのは14頭だった。
何といっても今年のメンバーは実績馬揃い。
その中で1番人気は条件戦を連勝で勝ち上がり、初の重賞制覇を掛けるアメリカンシードとなった。
続いてかしわ記念2着のソリストサンダー、昨年のこのレース2着の捲り屋ウェスタールンド、前走函館で勝利を挙げたスワーヴアラミスなどが上位人気に推された。
その他にもG1勝利経験のあるタイムフライヤーやケイティブレイブなども名を連ね、大激戦の様相。ファンファーレの際には拍手が沸き上がり、ファンの注目度も高い1戦となった。

スタンド前でのゲートインが終わり、レーススタート。

まずは中ほどからトップウィナーが飛び出して先頭に立つ。
そしてヴェンジェンスが早め2番手へと取り付き先団を形成。差が無くアメリカンシードも前へと取り付き、レピアーウィットやスワーヴアラミスなども前へと続いた。

向こう正面でややピッチが上がる。
ウェスタールンドも指定席の最後方から追い上げを開始。ポジションを押し上げたのはレピアーウィットにスワーヴアラミス。そして外を回ってソリストサンダーとオメガレインボーが迫って直線に向いた。

直線に向くと馬場の真ん中からスワーヴアラミスがオメガレインボーを連れてトップウィナーを交わす。
短い直線の中この2頭のマッチレース。約150mの追い比べを制したのはスワーヴアラミスだった。
2番手入線がオメガレインボー。そして3着争いは追い込んだウェスタールンドの内を縫ってロードブレスが差し切って制した。

各馬短評

1着 スワーヴアラミス (松田大作騎手 4人気)

函館で連勝をつかみ重賞2勝目を果たした。
道中は先団に取り付き、逃げる各馬をマークする展開に。向こう正面あたりから松田騎手の手が動き、3コーナーで進出を開始。外の各馬と併せる形で追い込むとオメガレインボーに半馬身差をつけて1着。

なかなか勝ちきれないレースが続いた中、今日は力強い走りで見事な重賞制覇となった。

2着 オメガレインボー (横山和生騎手 7人気)

中団後方から外々を回る展開もまくり展開で2着に追いすがった。
道中はやや後方寄りを追走。小回りらしく捲りあう展開に乗り、スピード良く先団に上がって直線に向いた。そして併せて動いたスワーヴアラミスと追い比べへと持ち込んだ。

結果は2着だったものの得意のコースで健闘を見せた。
前走も函館でスワーヴアラミスに負けているだけに、次こそはという思いは強いはずだ。

3着 ロードブレス (坂井瑠星騎手 11人気)

馬群をさばいて差し込んだロードブレスが3番手に浮上した。
こちらは後方集団からレースを行う展開になった。1度は外を伸びたウェスタールンドに交わされるも、直線ではそのウェスタールンドを最後差し切って3着に食い込んだ。近走では重賞戦線でも結果を残しているロードブレス。次なる目標である重賞制覇にまた一歩近づいただろう。

総評

エルムステークスはスワーヴアラミスが制した。

昨年のマーチステークス以来の重賞制覇となり、マリーンステークスからの連勝となった。
小回りコースでの強さはやはり健在。いよいよビッグレース制覇への期待も高まるだろう。
松田騎手とのコンビで今後の発展に期待だ。

あなたにおすすめの記事