![[POG26-27]視線を集める名牝の初仔たち - 成長力に注目!芝重賞戦線で活躍した母の仔を並べる](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2026/05/202605142-1.jpg)
POG指名において気をつけたいのは、期間。ほとんどのPOGは2歳6月からダービーまでの1年間限定で競われる。わずか1年でGⅠまで昇りつめる馬を探さないといけない。とはいえ、競走生活はその1年で決して終わらない。POGにおいていわゆる晩成血統は指名するのに躊躇する。
だが、晩成の血が開花した際の輝きは眩く、魅惑的だ。もしかしたら、本当に強い馬という意味では晩成型なのかもしれない。さらに言えば、晩成と言われても、その通りになるとは限らない。レベルの高い育成メソッドをもってすれば、その血が花開くタイミングを早められる可能性もある。1年間という短い時間に成長曲線を合わせられれば、思いもよらぬ大物に育ってもおかしくない。安易に晩成だからという理由で避けると痛い目に遭う。それもPOGだ。
■アントレピード 牡・父ジャンダルム 母アブレイズ ノースヒルズ所有 ノースヒルズ生産
母アブレイズはデビュー2戦目のフラワーCを勝ち、オークスへ進んだ。2月デビューと時期的には遅く、決して早い時期から活躍した馬ではなかったが、2戦目でいきなり重賞を制したように仕上がりが決してモタついたわけではなく、天才肌の香りがする。

一方で父のジャンダルムもデビュー2戦目でデイリー杯2歳Sを制し、ホープフルSで2着に入るなど順風な滑り出しを飾った。だが、その本領発揮は1200m路線に舵を切った7歳になってから。オーシャンSを勝ち、秋にはスプリンターズSでGⅠ初制覇を飾った。

とはいえ、早期から重賞で結果を残しているので、晩成型と決めつけられないものの、7歳でGⅠタイトルを手にしたという事実は大きい。
その母ビリーヴは新馬勝ち後、2勝目まで時間を要したが、4歳夏から4連勝でスプリンターズSまで一気に駆けあがった。立ち上がりの遅さと古馬になってからの成長力は晩成といっていい。ジャンダルムはビリーヴの成長力を受け継いだ代表産駒だ。父も母もノースヒルズが生産し、その勝負服で走っており、ロマンを感じる。ましてジャンダルムは2025年2月に死亡していまい、わずかな産駒しか残せなかった。
ノースヒルズのロマンが詰まったジャンダルム×アブレイズは本馬が最初で最後。ロマンを追うのもPOGの楽しみ。父も母も2戦目で重賞を勝った資質の高さも心強い。
■ステラガーネット 牝・父アルクトス 母シャインガーネット Blooming Racing所有 ノーザンファーム生産
母シャインガーネットは新馬、赤松賞を連勝し、ファルコンSを制したスピード型。NHKマイルCは前回あげたギルデッドミラーとは0秒3差しかなかった。クラシック出走は叶わなかったが、POG期間中3勝は大変頼もしい戦歴だ。

父アルクトスはダートで活躍し、マイルCS南部杯連覇、プロキオンSを勝った。ダートの猛者らしく決して早期から活躍したわけではないが、じわじわ力をつけていく成長力は魅力だ。

なによりこの血統も父、母とも同じ馬主が所有しており、所属厩舎も同じ栗田徹厩舎だった。本馬も栗田徹厩舎に入厩予定で、なにかしらの縁を感じさせる。ダート主戦の父だが、盛岡ダート1600m(稍重)を1.32.7というレコードタイムで制するなどスピードでならしており、パワー一辺倒のタイプではない。父母の適性を踏まえれば、マイルで楽しめそうな牝馬だ。
■パパラチアボーイ 牡・父シスキン 母エイティーンガール 中山泰志氏所有 三嶋牧場生産
母エイティーンガールは2023年のシルクロードSを最後に繁殖入り。ちなみに、上記のシャインガーネットも同競走がラストランとなっている。
戦歴は30戦6勝。重賞はキーンランドC、京阪杯の2勝と主にスプリント路線で活躍した。2歳9月に初勝利をあげ、2勝目は翌年1月。フィリーズレビューは9着でクラシック出走は叶わなかったが、POG期間中に2勝をあげたのは心強い。3歳暮れにオープン入りを決めると、4歳シーズンはスプリント重賞戦線で好走し、その夏、重賞初制覇を遂げた。やや遅咲きながら、7歳まで走るタフな牝馬だった。

父シスキンはアメリカで生まれ、アイルランドに渡り、5戦無敗で愛2000ギニーを快勝した天才マイラー。初年度はアクシデントもあり、20頭と種付数は少なかったが、阪神JF3着テリオスララを送るなどブレイクの兆し。2年目の産駒は京浜盃を勝ったロックターミガンをはじめ、弥生賞ディープインパクト記念2着、皐月賞3着ライヒスアドラーと芝ダート王道路線で活躍した。
1600~2000mの勝率が高く、クラシック向きの素養がある。早くから活躍できる父と成長力に富んだ短距離型の母という組み合わせはスピード重視の2歳戦での活躍が見込める。
■ウインプレーゴ 牝・父ベンバトル 母ウインキートス ウイン所有 コスモヴューファーム生産
晩成といえば、母ウインキートスを挙げないわけにはいかない。クラシック路線にこそ乗れなかったが、4歳以降の活躍は目覚ましく、2021年目黒記念では1988年メジロフルマー以来となる33年ぶりの牝馬による優勝を飾った。その後も翌年の目黒記念3着やオールカマー2、3着と牡馬を相手に中長距離戦線の重賞で互角の勝負を演じてみせた。

父ベンバトルは英ダービーこそ5着に敗れたものの、ドバイターフではヴィブロス、リアルスティール、ディアドラらを破るなどGⅠを3勝した。引退後はビッグレッドファームにてスタッドイン。本馬は父、母、そして母の父ゴールドシップ、母の母イクスキューズとビッグレッドグループにとって欠かせない血が流れている。父、母とも成長力が魅力であり、順調に育っていけばオークスまで楽しめそうだ。
文:勝木淳
写真:@pfmpspsm、Aska、s1nihs、かずーみ
定番のPOG本として親しまれてきた、刊行20年目の「競馬王のPOG本」が今年も登場。徹底取材の末に引き出した独自情報から、毎年数多くの活躍馬を輩出してきたPOGファンの必須アイテムだ。
大好評だったノーザンファーム早来&空港の場長対談は今年も継続。さらに袋とじでは誌面で紹介しきれなかったノーザンファームのマル秘情報も掲載されている。2人の場長が推す特注馬は今年も必見だ。
今回も例年と同様に全国各地の牧場はもちろんのこと、厩舎、一口クラブへの取材も全力で行っている。情報量、読み易さ、面白さにこだわり、読者の皆様を唸らせるような一冊に仕上がった。
注目ポイント
・毎年恒例の表紙の毛選定会議で選び抜かれた第20代「毛の馬」は?
・カラー96Pページ、合計350頭超の立ち写真を掲載
・今年もやります!ノーザンファーム場長対談!!
・充実の生産・育成牧場取材
・貴方の愛馬も登場!? 一口クラブ取材も充実
・マル秘情報満載の袋とじ企画
■第20代「毛の馬」選定会議
毎年、その年の表紙を飾る1頭を決める恒例企画。過去の選定馬にはブエナビスタやローズキングダム、サートゥルナーリアなどGⅠレースを複数勝利するような馬が名を連ねている。
直近でも2022年に指名したタスティエーラが日本ダービー馬に輝くなど、POGファンにとっても重要な意味合いを持つこと間違いなし。大注目の会議である。

■今年もやります! ノーザンファーム場長対談!
昨年、読者から大好評をいただいたノーザンファーム早来&空港の対談は今年も継続。昨年ここで取り上げられたアランカールはクラシックに駒を進めたうえ、10頭中8頭が勝ち上がりというかなりの高水準な成績を残している。競馬界を席巻している同牧場の場長からの貴重なお話は、POGファンにとっても選定馬の重要な基準となってくれるだろう。

■充実の生産・育成牧場取材
今年も「現場スタッフによる生の声で差をつける!」をコンセプトとし、総計19場を取材。各牧場とも、現場だからこそわかる渾身の情報を提供していただいており、充実の内容に仕上がっている。


■貴方の愛馬も登場!? 一口クラブ取材も充実
6つのクラブに対して直撃取材。昨年に続いての登場となるキャロットクラブやDMMバヌーシーのほかに、今年、満を持して登場するブルーミングホースクラブの有力2歳馬も掲載されている。もしかすると、貴方の愛馬もPOG有力馬として取り上げられているかも!?POGファンのみならず、一口馬主の皆様も必読の内容だ。
■マル秘情報満載の袋とじ企画
場長対談で語り切れなかったこぼれ話や、毎年お馴染みの黒服トークに取材陣の最終結論など見どころ満載の購入者特典。のべ20頭以上のノーザンファーム育成馬のマル秘情報に加え、各地から得た耳寄り情報を余すところなくお伝えしている黒服トークはもちろんのこと、各方面を取材したライター陣の最終結論は皆様の背中を後押ししてくれるはず。こちらは購入者のみが閲覧を許されている付録となっているため、是非、お手元にご用意して楽しんでいただきたい。
■競馬王×ウマニティPOGの開催
従来はハガキでの参加が主だった競馬王のPOGだが、刊行20年目を迎えたことで大幅リニューアル。今年はウマニティと連携し、ウェブサイトから簡単に登録が可能となった。さらに、地方競馬のダート交流重賞競走もポイントとして加算されるシステムに。日本ダービーが終了しても、東京ダービーまではPOG期間として計算されるように変更が入ったことで、最後の最後に一発逆転も十分考えられる状態だ。ダート馬の選定も非常に重要になった今大会から、是非参加を検討してみてはいかがだろうか。詳細はこちら。

| 書籍名 | 競馬王のPOG本 2026-2027 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年04月23日 |
| 価格 | 定価:2,200円(税込) |
| ページ数 | 272ページ |
| 出版社 | ガイドワークス |
