2022年2月末日、関東を代表する名伯楽・藤沢和雄調教師が引退する。2年連続最優秀短距離馬に輝いたグランアレグリア、ダービー馬レイデオロ、秋中距離GⅠ3連勝のゼンノロブロイ、有馬記念連覇のシンボリクリスエス、ジャック・ル・マロワ賞を勝ったタイキシャトル。師が管理した名馬をあげればきりがない。 馬なり調教、前哨戦を使わな...
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主にネットメディア『SPAIA』、競馬雑誌『優駿』などに寄稿。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ、新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』(星海社新書)
勝木 淳の記事一覧
かつて勤めていた出版社では新潟記念の日に競馬場へ行く、いわゆる旅打ちが恒例だった。私が参加したのは入社して最初の夏、2018年。その年の新潟記念は当時3歳だったブラストワンピースが1番人気に支持された。前日は朝から雨、馬場状態も新潟としては珍しい重馬場。午後も曇りがちで、大層涼しい一日だった。当日は天候一変、夏のカンカ...
生きるとは死へ向かうこと。 死が訪れない生命はこの世にいない。長寿の象徴とされるカメも実際には1万年も生きるわけがなく、小型のカメで20~30年。大型のゾウガメでも100年を超える程度だという。 実家にナリタ君というカメがいた。成田にあるゴルフ場のグリーンをのんびり歩いていたところを父が見つけてきた。連れてきたっていい...
天皇賞(秋)の翌日。大井競馬場のL-WINGでスモモモモモモモモの初勝利を見届けたころに電話があり、マイルチャンピオンシップ現地取材の依頼があった。 ふたつ返事で引き受けたはいいが、根っからの出不精の私は阪神競馬場に行った経験がなく、関西圏も超がつくほど久しぶり。さて、どうしたものか。まずはスマホで経路案内。便利なもん...
有馬記念は人生の道しるべだ。 その年最後の祭典・有馬記念がやってくると、私は自然とこの一年に思いを馳せる。だから、有馬記念を振り返ると、その年が自分にとってどんな年だったのか、そんな自分史も同時に甦る。 どこでどんな心境でその有馬記念を観戦したのか……。必ずしも明るい気分だけではない。大きな挫折を味わった年の有馬記念は...
問題:2001年以降、春のクラシック不出走の菊花賞馬は、半数以上の11頭。そのうち日本ダービーまでの重賞またはトライアルにも出走歴がない馬が6頭いる。すべて答えよ。(2021年現在) 競馬では秋は逆転の季節。春のクラシックで形成された勢力図を塗りかえる馬がしばしば出現する。それらを、夏の上がり馬と呼ぶ。有力馬たちが夏を...
2006年JRAは北九州記念を芝1800mから1200mに変更、サマースプリントシリーズを創設した。セントウルSはその最終戦となり、これを制する馬がスプリントチャンピオンになることが多く、まさにひと夏の物語、その最終話だ。初代チャンピオンのシーイズトウショウに続き、2007年にここを勝ち頂点にたどり着いたのがサンアディ...
競馬観戦中、ゾクゾクする瞬間はどんな場面だろうか。 自分が応援している馬が大逃げを打っているとき。これは個人的にはいつか捕まるのではと不安でしかない。逃げは強さの象徴かもしれないが、追われるものに対して追う立場は脅威であり、なにより逃避は体に悪い。 東京競馬場の残り400m標識。手綱は微動だにせず、馬なり。いわゆる抜群...
東京都中央卸売市場。当時は築地市場と呼ばれていた。 一部の競り物品を除き、競り人と仲買人が話し合いによって売買する相対取引が主流になり、築地の仲買人たちは早朝というより、真夜中の午前1時、2時から競り場に降りてくる。顧客の注文に見合う魚を長年培った経験をもとに探し、競り人と値段を交渉する。 午前4時。 そうして魚を買い...
JRA通算636勝(2021/2/19時点)、重賞59勝、GⅠ14勝。管理したGⅠ馬は9頭。クロフネ、タニノギムレット、キングカメハメハ、ダイワエルシエーロ、フサイチリシャール、ダイワスカーレット、ダノンシャンティ、ベルシャザール、タイムフライヤー。 厩舎から独立した調教師は角居勝彦調教師・友道康夫調教師・高野友和調教...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]世界を完封! 主役はやはり日本総大将~2024年・ジャパンカップ~
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[重賞回顧]最速の母”ラッシュ”から魂の”ラッシュ”へ、鞍上が繋ぐ悲願成就!~2024年・マイルCS~
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[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
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[重賞回顧]夕暮れに映えた白き古豪、ハヤヤッコ~2024年・アルゼンチン共和国杯~
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[地方レース回顧]意地の連覇、意欲の挑戦~2024年・マイルチャンピオンシップ南部杯~
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[重賞回顧]いざ、逆襲のとき。武豊騎手とドウデュースが感動の後方一気!~2024年・天皇賞秋~
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[重賞回顧]夏を越して走りが洗練されたアーバンシックが菊の大輪を戴冠!~2024年・菊花賞~