あら、いらっしゃい。 こんな時間に、しばらくご無沙汰だったわね。 ……あら、忙しいのはいいことよね。いつも通り? ……はい、それじゃ、いつものマンハッタンで。 珍しいわね、こんな時間に。今日は引きも早かったから、落ち着いて飲めるわよ。 ……そう、眠れないのが続いてるのね。 まあ誰でも生きていればいろいろ抱えるし、時には...
「名勝負」を語る
「名勝負」を語るの記事一覧
2012年スプリンターズステークスでロードカナロアが記録した、1分6秒7。 中山芝1200mのレコードとして、現在も記録されているタイムだ。 では、その前のレコードホルダーを覚えているだろうか。 2012年のロードカナロアから遡ること、11年。 同じ日付、2001年9月30日スプリンターズステークスで記録された1分7秒...
「競馬に絶対はない」とはよく言われる言葉ですが、競馬とは必ずしも強い馬が勝つものではなく、実力的に劣勢と見られている馬が、体調や作戦、展開など様々な要素で強い馬を負かしてひと泡吹かせるということが往々にしてあるものです。しかし、そのレースで先頭でゴールした馬が間違いなく勝者であり、そのレースで一番強かったとも言えると...
札幌の夏は、短い。 皆がそれを知っているからだろうか? ハマナスの花が咲き始めるとどこか焦るように、それでいて何かを振り切るように、皆が思い思いのものを短い夏にぎゅっと詰め込む。大きな道路沿いにラベンダーやひまわりの顔が揃い始め、朝顔がその美しい花を日に向け、マルヴァの花が背比べを始めると、大通公園の噴水の周りはにぎわ...
「一年(ひととせ)に 一夜と思へど 七夕の 逢い見む秋の 限りなきかな」千年の昔の歌人・紀貫之による、七夕をテーマにした和歌である。「一年に一度だとは思うのだが、二人が出逢う秋の七夕(旧暦において7月は秋の始まりの月)の夜空は、これから限りなく何度も巡ってくるのだろうな」という、七夕の夜の情感を詠った和歌。 一年に一度...
南関名勝負第3回は2014年のジャパンダートダービーです。 この年のジャパンダートダービーの注目は何と言ってもハッピースプリント。2001年のトーシンブリザード以来13年ぶりに南関三冠を達成できるかどうかがかかるレースとなりました。 ……いや、むしろ三冠馬誕生は『ほぼ間違いない』と思われたと言っても過言ではないでしょう...
1993年7月11日。その日の福島競馬場には、過去最大入場者数を更新する47,391人の競馬ファンと、5頭の逃げ馬が集まっていた。 脇目もふらず、ただひたすらに。前へ前へ。作戦か、暴走か。 この日観衆は、数ある『英雄の在り方』のうち、紛れもないひとつの答えを目の当たりにする。 この日福島に集まった16頭のうち、1番人気...
何かにつけて、目に映る世界にさまざまな色を付けたがるのが、人の性。 けれども、ほんとうはすべてのものごとには正誤善悪も何もなく、「ただそこに在る」だけなのかもしれない。そこに意味づけを行っているのは、やはり「人」。目に留まる世界の切れ端から、何を、どんな眼鏡をかけて見るか。そしてその眼鏡は、必ず「自分で」選ぶことができ...
「南関名勝負」第2回は2007年の帝王賞を取り上げます。この年は日本がパートⅠ国に昇格したことに伴い、初めてJpnⅠとして行われることになりました。 人気はJRA勢5頭のうち3頭に集中。 そのなかで圧倒的1番人気に推されたのは、前年6歳を迎えて本格化しここまでGI級5勝──さらには短距離からマイル、中距離と距離適性を広...
日本と世界。 「平成」という30年と4か月弱続いた時代に、その関係性は大きく変化した。よく言われる指標である「ヒト・モノ・カネ」においても、それは顕著だった。モノとカネを表す経済面において、平成という時代は世界での日本の立ち位置を大きく変えた。 昭和の終わりから平成3年あたりまで続いたバブル景気の真っただ中には「アメリ...
アーカイブ
カテゴリー
語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
-
[重賞回顧]復活と希望の勝利!北村友一騎手とクロワデュノールがホープフルSを制覇~2024年・ホープフルS~
-
[重賞回顧]いざ、新時代へ! 復活を遂げたレガレイラが偉業を達成~2024年・有馬記念~
-
[重賞回顧]ニュースター誕生! 見惚れるほどの圧勝劇~2024年・朝日杯フューチュリティステークス~
-
[重賞回顧]世界を完封! 主役はやはり日本総大将~2024年・ジャパンカップ~
-
[重賞回顧]最速の母”ラッシュ”から魂の”ラッシュ”へ、鞍上が繋ぐ悲願成就!~2024年・マイルCS~
-
[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
-
[重賞回顧]夕暮れに映えた白き古豪、ハヤヤッコ~2024年・アルゼンチン共和国杯~