「名勝負」を語る [平成名勝負]1659回目、されど生涯初の1着〜1993年東京優駿・ウイニングチケット〜 2019年5月26日 年を重ねるとともに、人はいろんなものを忘却という海に沈めていく。忘れることで、人は生きていけるのかもしれない。けれども、競馬ほど、その忘却の海から追憶を呼び覚ますものはない。 馬券で楽しむとしても、スポーツとして楽しむとしても、物語・ドラマとして楽しむとしても──そもそもが、競馬の愉悦とは記憶と密接に結びついている。 ... 大嵜 直人
「名勝負」を語る [Rewind the race]乾坤一擲~2018年・ダービー~ 2019年5月24日 日本の競馬では、26レースものG1レースが行われている。 もちろんどのレースも格式が高く、簡単に勝てるレースなどは一つもない。 しかし毎年5月に行われる日本ダービーだけは、どのホースマンも口をそろえて「絶対に勝ちたいレース」というレースである。 元々ダービーというレースは英国で誕生したものだ。世界各国で、それに倣い、そ... ウマフリライター
「名勝負」を語る [Rewind the race]最強証明~2018年・オークス~ 2019年5月19日 樫の女王を決める伝統の一戦、優駿牝馬。 3歳牝馬の頂上決戦ということもあって、これまで数多くの名勝負が繰り広げられてきた。記憶に新しいオークスと言えば2018年・アーモンドアイが制したオークスだろう。昨年クラシック戦線を1度も落とすことなく駆け回り、牝馬三冠達成後には驚異的なタイムでジャパンカップを制覇──。さらには翌... ウマフリライター
「名勝負」を語る [Rewind the Race]一致団結~2013年・ヴィクトリアマイル~ 2019年5月12日 競馬にはクラシック競走という伝統的な競走がある。日本ダービーやオークスなどのこれらのレースは3歳馬しか出られないため、各レースとも挑戦権は1回のみ。だからこそ、クラシック競走の勝ち馬はクラシックホースとして多くの人々の記憶に残ってゆく。 しかし2012年にクラシック競走を駆け抜けた馬の中には、1度も勝てなかったにもかか... ウマフリライター
「名勝負」を語る [平成名勝負]1100mの距離短縮に秘められた、男たちの苦悩〜1999年京王杯スプリングカップ・グラスワンダー〜 2019年5月10日 この馬にこの騎手あり、この馬にこの調教師あり。サラブレットは人が作った最高の芸術品であり、馬を走らせるは人の匠がなせること。世界中に時代ごとに名伯楽と敬意を持って評される調教師がいる。そして、その馬の全てを知り尽くし、まるで己の意思が馬に乗り移ったかのように縦横無尽に操る名騎手がいる。 90年代の終わり、騎手・的場均と... 勝木 淳
「名勝負」を語る [平成名勝負]美しき2頭の英雄〜1998年NHKマイルC・エルコンドルパサー〜 2019年5月8日 有馬記念を連覇したグラスワンダー。スプリンターズSでタイキシャトルを撃破したマイネルラヴ。英仏のG1を制覇したアグネスワールド。有馬記念でも2着に食い込んだ重賞4勝馬、アメリカンボス。 1995年生まれの「マル外」は、本当に素晴らしい馬が多かった。 「マル外」がクラシック競走に参戦できなかった当時、外国生まれの3歳馬(... ウマフリライター
「名勝負」を語る [Rewind the Race]大願成就~2013年・NHKマイル~ 2019年5月5日 3歳のマイル王決定戦「NHKマイルカップ」。 過去にはエルコンドルパサーやクロフネ、キングカメハメハといった日本競馬史に名を残す名馬が、このレースを勝っている。このレースでは、多くの「G1初制覇」が見られる。近年でも藤岡康太騎手や秋山真一郎騎手、藤岡佑介騎手らがここでG1初制覇を達成。今回の物語の主役である柴田大知騎手... ウマフリライター
「名勝負」を語る [Rewind the Race]原点回帰~2014年・天皇賞春~ 2019年4月26日 4月から5月にかけての新緑の季節に行われるビッグレース「天皇賞春」。格式高いこのレースの最大の特徴は、このレースでしか使用されない京都競馬場芝3200mで行われるという点である。 超長距離戦ではあるが、スタミナだけでは勝つことが出来ない。だからこそこのレースを勝った馬は名馬として名を残すのである。2009年に生を受けた... ウマフリライター
「名勝負」を語る 熾烈を極めた3強の戦い 2007年・南関牡馬クラシックロード 2019年4月24日 今回から「南関名勝負」と題しまして過去の名勝負をご紹介していきます。私は地方競馬に興味を持ち始めたのはおおよそ2000年以降ですので、大ベテランの先輩方からすれば比較的新しいレースが中心になるかと思いますが、南関競馬にまだ興味をあまりお持ちでない方にもご覧いただければ幸いです。 今回は、私が初めて地方競馬場へ足を運んだ... ウマフリライター
「名勝負」を語る [競馬タイムトラベル]2006年チューリップ賞・アドマイヤキッス 2019年2月26日 2008年3月4日。 5歳牝馬アドマイヤキッスは右第3中手骨の骨折加療中に馬房で暴れた際、同じ部位を開放骨折──それは、手の施しようの無い重症であり、すみやかに安楽死の処置がとられた。 すでに重賞4勝を挙げていた、当時の現役で有数の名牝。彼女が長いトンネルを抜けて復活を遂げた京都牝馬Sから、僅か30日後の出来事だった。... ウマフリライター