今も昔も、桜花賞馬はどうにも儚いというか、散り急ぐというか……要は活躍期間が短めの馬が多いというイメージがある。こう思っているのは私だけでは無いのではないだろうか。その点、2015年の桜花賞馬レッツゴードンキはそうしたイメージとかけ離れた活躍を見せた。逃げから差し&追い込みにモデルチェンジしたとは言え、堅実さはそのまま...
「名勝負」を語る
「名勝負」を語るの記事一覧
師走のある日の朝、まだ私が学生の頃。父の訃報をしらせる電話を受けたとき、私は下宿先で寝ているところだった。「落ち着いて聞きなさい」と切り出す祖母の方こそ、全く落ち着いていないだろうと妙に冷静だった。不思議と、悲しいといった感情は湧かなかった。急ぎ帰省しないといけなかったのだが、なぜか吉野家で朝昼兼用の牛丼の大盛りを、殊...
1998年9月27日。巨星、堕つ。ナリタブライアンの訃報は、あまりにも突然だった。そして、その年の真夏、フランス・ドーヴィル競馬場。G1・モーリスドギース賞、シーキングザパール・武豊騎手、1着。G1・ジャックルマロワ賞、タイキシャトル・岡部幸雄騎手、1着。東西の名手に導かれた日本調教馬が、「世界」の舞台で輝いていた。3...
ステイゴールド。今や押しも押されもせぬ大種牡馬として、競馬ファンでその名を知らない人はいないと思います。 その一方で最近では、彼の現役時代を知らないファンの方々も非常に多くなってきました。思えば彼のラストランは2001年12月。それから長い月日が経ちましたから、それも無理からぬ事でしょう。 ここでは、ステイゴールドが現...
宝塚記念には、不思議な魅力がある。ダービーも終わり、新馬戦とローカル競馬へと心が切り替わる、その前のエアポケットのような施行時期。まるでその年の春競馬の置き土産のようで、私の心を躍らせてくれる。 梅雨空の下で渋ることの多い馬場状態。阪神・内回りというクセのあるコース。短い直線と、2,200mという非根幹距離。 梅雨時期...
入梅の報が各地から届き始め、蒸し暑さという感覚を身体が思い出し始めるこの時期になると、私はあの年の安田記念を思い出す。「おかえりなさい」と「おめでとう」が交錯したあの勝利に、人の出会いの儚さと別れの美しさを思い、杯を傾けたくなる。 2002年6月2日、東京競馬場。第11レース。GⅠのファンファーレが鳴り響き、順調にゲー...
18頭中の、7番人気。 直前でシルクライトニングが発走除外になったため最終的には6番人気となったが、それが1997年の日本ダービーにおいて、皐月賞馬・サニーブライアンへファンが下した評価だった。 皐月賞を制した愛馬への評価を見て、当時36歳だった大西直宏騎手はどんな想いでダービーを迎えたのだろう。 そしてどんな意思を持...
ダービーでスポットが当たるのは、勿論ダービー馬。しかし2着馬にもドラマはあります。今回はそんな「懐かしのダービー2着馬」をご紹介致します。 繊細な優等生は《本物》だった ノーザンテースト以来の大旋風を巻き起こすことになる、名種牡馬・サンデーサイレンス。その名種牡馬は、第1世代からロケットスタートを決めた。フジキセキを筆...
大接戦のオークス──その言葉で、あなたはどのオークスを思い浮かべますか?怒涛の追込みからのハナ差決着。長い写真判定の末の同着。5着までが横一列でのゴールイン……。誰もが勝利を確信する圧勝劇も気持ちが良いものですが、手に汗握る大接戦のゴール前はまた違った熱狂があるかと思います。 オークスという一世一代の大舞台で繰り広げら...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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