ディープインパクト産駒といえば。キズナ、ジェンティルドンナといった馬が、最終直線、父を彷彿とさせる末脚でレースを逆転し勝利をつかむ──というイメージが強い。代表産駒に数えられるような名馬でなくとも、ディープインパクトの子どもは総じて「前半はゆっくり、後半を速く走る」というレースが得意だ。 しかし、なかにはディープインパ...
「名馬」を語るの記事一覧
人がやれていることができず、失敗を繰り返しながら成功する。人生はトライ&エラー。ハナから成功するような人はほんのひと握りであり、大抵の場合、挑戦しては失敗し、そこから学んだことを次の挑戦に生かす。それでも、別の問題で失敗する。生き続けている以上、トライ&エラーは終わらない。 だが、その繰り返しはいつか必ず実を結ぶ。大事...
2007年5月27日。この日、この時、私はテレビを前にして初めての衝撃を覚えた。 逃げるアサクサキングスを残り200で捉え、豪快に突き抜け世代の頂点に立つ1頭の牝馬。澄んだ青空、鞍上の右手が高々と上がった水色の襷の黄色い勝負服。漆黒の雄大な馬体。彼女が成し遂げたのは「64年ぶりの牝馬によるダービー制覇」という快挙だった...
師匠と弟子。 この響きに、どんなイメージを持つだろうか。 競馬以外の話になってしまうけれど、私が愛して止まないダーツには師匠が居る。師匠と出会う前もダーツはしていたものの、今考えるとムチャクチャでありえないフォームで投げたり、定石を無視した攻め方をしていたように思う。私の仕事はダーツをすることではない。矢でサラリーをも...
2019年12月21日、中山大障害。難関・大竹柵や大生垣を飛越していく人馬に歓声が上がる。そしてレース後には、全人馬の無事完走を労う拍手が湧き起こった。その激戦を制し、祝福を一身に浴びる優勝馬はシングンマイケル。鞍上は金子光希騎手であった。「障害競走って、いいな」人馬を前にそんな事を思う、いつもの暖かい光景。障害競走で...
その馬は、スピードが違い過ぎた。それだけでなく、強靭なスタミナも兼ね備えてた。 まるで自分のレースタイムがどれほどのものか、理解しているかのような走り方をしていた。後続から来る、今もなお名を残している強力なライバル達を、子供扱いしていた。 ある者は、欲望・羨望を。ある者は、絶望を。そしてある者は、日本競馬史上最強馬とい...
競馬に限らない話かもしれないが、何かを覚え始めたときの記憶というのは意外と残り続けるもので、つい先日も競馬仲間数人が集まった際に 「情報がアップデートされていないねぇ」と笑われたことがあった。 かつては牝馬限定の重賞で使われていた名称に「牝馬特別」というものがある。略して「牝特(ひんとく)」という呼び方をするファンも多...
2000年11月12日、エリザベス女王杯開催日。 私は京都競馬場にいた。20世紀最後の競馬界はテイエムオペラオーが無尽の強さを見せつけ、破竹の連勝を飾っていた。古馬の王道路線をひた走るテイエムオペラオーを尻目に、牝馬戦線は少々盛り上がりにかけていた印象もあるが、それでもGⅠともなれば競馬場は人で溢れていた。 そのエリザ...
2017年2月1日、川崎競馬場。 その日行われた交流GI「川崎記念」は、前年の最優秀ダート馬・サウンドトゥルーに、交流重賞3連勝と勢いに乗るケイティブレイブ、大逃げと後方一気でオープン特別を連勝したミツバによる三つ巴の争いが予想され、中央で開催されるGIフェブラリーステークスの陰に隠れることもあるこのレースにも、中央・...
とあるところで、八兵衛さんと五郎兵衛さんが立ち話。 五「よお、はっつあん、この前はあんたのかかぁには世話になったな。よろしく言っておいてくれよ。ところでよ、POGの指名、なににすんのよ」 八「おお、ごろちゃん、それなんだけどよ、これにしようかと思ってさ」 五「おっ、どれどれ。あーそいつはいけねぇや」 八「なんでだよ」 ...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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