「名馬」を語る スクリーンヒーロー〜遅れてやってきた世界のヒーロー〜 2020年11月29日 2008年、ジャパンカップ。 1ヶ月前にはウオッカとダイワスカーレットによる世紀の大接戦があったばかりの東京競馬場。その東京競馬場で開催されるジャパンカップに集まったのは、ウオッカやディープスカイ、メイショウサムソンといったダービー馬をはじめ、歴戦の猛者たち。しかしそこで主役を演じたのは、新旧ダービー馬ではなかった。ま... KOBA
「名馬」を語る ブエナビスタ〜彼女が目にした最後の"絶景"〜 2020年11月27日 Q:ビワハイジの6番仔といえば? 競馬民が集うカルトクイズ番組であれば、即答されてしまうだろうか。 A:ブエナビスタ。 馬名の由来は、スペイン語の絶景。彼女の競走生活は馬名由来のごとくとは必ずしも言えなかった。デビュー戦は菊花賞当日の新馬戦。のちに“伝説の新馬戦”といわれるレースでアンライバルド、リーチザクラウンに次ぐ... 勝木 淳
「名馬」を語る 『名は体を表す』〜聖剣 デュランダル〜 2020年11月21日 『名は体を表す』とは、よく言ったものである。 無論、競走馬の名前にはたくさんの思いが込められていて、それに応えるべく携わる人間が動き、馬たちがそれに呼応するのだから必然と言えば必然なのであろうか。 キズナ、ウオッカ、クロフネ……古くはテンポイントなども、その名前に相応しい活躍を遂げ、日本競馬史に名を残した馬といえるだろ... ひでまさねちか
「名馬」を語る [追悼記事]沈黙の北國王冠〜園田の総大将・タガノゴールド〜 2020年11月10日 11月8日。前日にしっかりと雨が降り、金沢は、この日も晴れたり曇ったりとはっきりしない、いかにも北陸の秋冬らしい空模様になっていた。金沢競馬場では、全国地方交流の重賞「北國王冠」が行われる。北國王冠は、全国でも珍しい2600mの長距離重賞。全国に門戸を開いて4年目の2020年、全国から5頭の精鋭が集った。川崎からは、こ... ヨドノ ミチ
「名馬」を語る ラブリーデイ〜夢のかたまりから、血を継ぐものへ〜 2020年11月1日 「もしもだれか他人になることができるとしたら、だれになりたいか?」 競馬ファンにこんな問いかけをしたら、まちがいなく上位に来る人物のひとりに金子真人オーナーがいるだろう。馬主名義・金子真人HDといえば、キングカメハメハ、ディープインパクト、マカヒキ、ワグネリアン、2000年以降のダービー馬4頭を筆頭に活躍馬は数え切れな... 勝木 淳
「名馬」を語る 気がつけば、好きになっていた〜万能型サラブレッド・レイデオロ〜 2020年10月31日 近代日本競馬の結晶と呼ばれたディープインパクトと双璧をなす名馬・キングカメハメハを父に持つ、レイデオロ。『黄金の王』という名の通り2017年のダービー馬として3歳馬の頂点に立った馬であり、JRAの部門別最優秀牡馬に2度も選ばれた。 その走りはまさに万能型で、どんな展開・どんな騎手のエスコートにも対応できる柔軟性を持ち合... 白くま
「名馬」を語る オグリキャップ 1989年秋の激闘 2020年10月30日 日本競馬史上最高のスーパースターといえば、オグリキャップをあげる人は多いのではないだろうか。 オグリキャップを語る上でよく『伝説』という言葉が用いられるが、何十万、何百万の人々が実際に目撃したその数々の『伝説』は、言うまでもなく現在からそう遠くはない過去に実際に起きた『事実』だった。 まずは、その数々の『伝説』であり『... 齋藤 翔人
「名馬」を語る イクノディクタス〜鉄の女と呼ばれた名馬〜 2020年8月15日 アスリートにとって、怪我は宿命的に付きまとうものである。連続2215試合出場を果たし「鉄人」と称えられた広島東洋カープの衣笠祥雄選手も、その活躍の陰で大きな怪我を経験している。将来の飛躍を期待されながら、致命的な故障に見舞われてその前途を奪われた者の、なんと多いことか。ましてや、長く現役を続ければ続けるほど、その後半は... 首都羅臼
「名馬」を語る 世界を駆け抜けたニッポンのダート王、トランセンドの冒険 2020年8月9日 芝とダートの関係はどうあるべきか──。日本の競馬は、この国らしい発展を遂げた。クラシックレースをはじめ、八大競走はすべて芝。距離体系も含め基本設定はヨーロッパ競馬を模範としているが、競馬場のつくりは自然の地形を活かし、大草原に柵を巡らせたヨーロッパとは異なり、人工的に整地した、いわゆる「速く走れるトラック」を作るアメリ... 勝木 淳
「名馬」を語る ドゥラメンテ〜ダイナカール一族のプリンスが抱える“力と心と強運”〜 2020年7月22日 「うわぁ、それかぁ」「あー、取られたぁ」POGドラフトシーズンには、こんな嘆き節が競馬ファンの間でしばしばあがる。そしてどのドラフトでも注目の的になる血統、牝系がいくつかある。そのひとつにあがるのが、ダイナカール一族。ダイナカールではピンとこない若者もエアグルーヴ一族と記せば合点がいくだろう。 1980年代の社台ファー... 勝木 淳