ダートグレードの最高峰の一つ、JBCクラシック。毎年この舞台には中央や地方の重賞ウイナー、幾重にも勝ち星を重ねてきた猛者など抜群の実績を重ねてきた者が名を連ねる。そんなJBCクラシックだが今年、金沢で行われた当レースに出走した12頭の中に1頭、変わった戦績の馬がいた。その馬はマイネルパイオニア。この時点の戦績は中央地方...
それぞれの競馬愛の記事一覧
明治30年の創業以来、たくさんの方に着物のある人生を提供してきた老舗の呉服屋「いわきや」から、新たな競馬グッズ『名馬全史京友禅』が発売。その発起人でもある専務取締役・我妻専務取締役は大のオジュウチョウサン好きとしても知られている。今回はそんな我妻さんと、オジュウチョウサンの主戦騎手・石神騎手の対談をお届けする。 「こん...
日本時間2021年11月7日午前7時55分。 日本の朝がラヴズオンリーユーと川田将雅騎手が成し遂げた壮挙の余韻に浸る中、私は一人焦っていた。 それまで快適に視聴できていたブリーダーズカップ公式サイト上のライブ動画が、急にカクつき始めたのだ。 マルシュロレーヌの勇気ある挑戦を、追いかけ続けたステイゴールドの血が見せてくれ...
立冬を迎えた日曜日の朝は、まだ日の出前の薄闇に包まれていた。 窓を開け、闇の中の東の空を見上げた。あの闇の向こう、はるか数千キロの彼方で、「その時」を待つ彼らを想った。ぼんやりとした思考のままに、グリーンチャンネルに合わせる。やわらかな11月の陽光に照らされた、デルマー競馬場が映し出された。 北米最大の競馬の祭典、ブリ...
「さくら舞い散る中に忘れた記憶と、君の声がもどってくる」思い起こせばケツメイシのさくらという歌が流行ったとき、君は現役時代の最盛期を迎えようとしていたね。桜の舞台の残り300mで、君のギアがトップに入った。スケートリンクを滑るように抜け出した君の原動力は、天与のスピードだ。勝負が決まるゴール前でも、馬体からにじみ出るオ...
「あの子が賞金を持って帰ってきてくれたらね、小さなゲストハウスでも作ってこいつのファンの方とコーヒーでも飲みながらゆっくりお話ししたいな……って」 おじいさんはそう言葉にすると、温かく優しい笑顔を見せた。“あの子”とは当時はまだ競走馬としてのデビューを迎える前だった2歳の牝馬、そして“こいつ”とはその牝馬の半兄で201...
可愛い目をした馬だった。くりくりの真ん丸な目をした大きな馬体で、私と目が合うとズンズン歩いて迫ってくる。「はい、下がろうね~」と、後ろに下げられても、またズンズン。「下がるよ~」と、もう一度。真ん丸の琥珀色したオリオンの瞳。オリオンは私を見つめたまま、三度目のズンズンをした。 夏の名残りの9月上旬。私がオリオンとNPO...
先日、引っ越しの為に家の整理をしていたら一枚の紙切れを見つけた。 出走馬が確定した段階の競馬新聞のゲラと言った所か。そこに並ぶ懐かしい騎手や調教師の名前、アラブ系と言う言葉。これらを手掛かりに調べるとこれは1999年6月28日に行われたアラブ系A級ルビー特別の出走馬だとわかった。 今から22年前の、重賞でもないレースの...
──就職なんかしたくないなぁ。1998年の春、大学生だった私は就職活動の真っ只中だった。1990年初頭にバブルは崩壊し、山一証券が破綻したのが前年の1997年。世にいう「就職氷河期」だった。この年のオークスは、桜花賞の上位3頭、ファレノプシス、ロンドンブリッジ、エアデジャヴーをはじめ、阪神3歳牝馬S勝ちのアインブライド...
「ロードバクシン小牧太! 一気に先頭に立った! ロ〜〜〜ドバクシン、ゴールイン! ロードバクシンです。(中略)あっぱれ兵庫の馬!!!」──2001年兵庫チャンピオンシップ 吉田勝彦アナウンサー実況より サクラバクシンオーの産駒で後に兵庫三冠馬(園田ダービー、兵庫CS、菊水賞)となったロードバクシンが兵庫CSを制してから...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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