それぞれの競馬愛 賢き名馬 金沢の名馬ハヤテサカエオーのヒミツ(?) 2021年6月13日 先日、引っ越しの為に家の整理をしていたら一枚の紙切れを見つけた。 出走馬が確定した段階の競馬新聞のゲラと言った所か。そこに並ぶ懐かしい騎手や調教師の名前、アラブ系と言う言葉。これらを手掛かりに調べるとこれは1999年6月28日に行われたアラブ系A級ルビー特別の出走馬だとわかった。 今から22年前の、重賞でもないレースの... 『遊駿+』編集部
「名馬」を語る 土砂降りの雨、そのあとに。~2009年日本ダービー・ロジユニヴァース~ 2021年5月29日 あれは、少し早めの昼メシを済ませて、府中のメモリアルスタンドから出た後だっただろうか。 降り出した雨は、まるで怒りをぶつけるような土砂降りに変わった。分厚い雲に覆われた暗い空は、風薫る5月のそれとは到底思えなかった。視界が悪くなるほどの豪雨により、地面を叩く音が響いていた。 私は、その土砂降りの雨をどこか他人事のように... 大嵜 直人
「名馬」を語る 笑顔の行方、明日の行方 - スマイルトゥモロー 2021年5月23日 卒業アルバムの 最初の春のページ無邪気に笑う私がいる…──Dreams Come True 「笑顔の行方」より 競馬のレースが行われる「距離区分」を表す言葉として、「SMILE」というものがある。これは世界統一の競走馬の強さを表す指標(レーティング)を獲得したレースの距離を表したものである。 Sは「Sprint(スプリ... 枝林 応一
それぞれの競馬愛 エリモエクセルがくれたサラリーマン人生~1998年オークス〜 2021年5月23日 ──就職なんかしたくないなぁ。1998年の春、大学生だった私は就職活動の真っ只中だった。1990年初頭にバブルは崩壊し、山一証券が破綻したのが前年の1997年。世にいう「就職氷河期」だった。この年のオークスは、桜花賞の上位3頭、ファレノプシス、ロンドンブリッジ、エアデジャヴーをはじめ、阪神3歳牝馬S勝ちのアインブライド... 林田麟(りんだりん)
「名勝負」を語る 有力厩舎からの3頭出し! マックスロゼに期待した、96年の優駿牝馬を振り返る。 2021年5月23日 「同一厩舎の多頭数出しは、人気薄から買うべし」 数ある競馬の格言の1つに、こんなものがある。要は、「人気馬にとっての敵は身内に居た」という例えで、2019年の東京優駿ではサートゥルナーリアが人気を集めていたが、勝ったのは同じ角居厩舎所属の12番人気、ロジャーバローズの方だった。 では、同じ厩舎の馬がG1レースで3頭も出... 並木 ポラオ
「名馬」を語る "新しい"栗毛の怪物、グラスワンダーの物語。 2021年5月15日 「やっぱり強いグラスワンダー!これが新しい栗毛の怪物!」。1997年暮れの中山競馬場で開催された朝日杯3歳ステークスのゴール直後、私の耳に飛び込んできたこのフレーズは、四半世紀たった今なお、私の心に深く刻み込まれている。 これが新しい栗毛の怪物 グラスワンダーは1995年2月15日生まれ、栗毛のアメリカ産馬である。新馬... ばん
「名馬」を語る 黄金世代のマイル王・ダノンシャンティの豪脚に魅せられて 2021年5月10日 直線の入り口で、まだ先頭までは10馬身以上あっただろうか。それでも、鞍上はその「差」さえも楽しんでいるように映った。そして、満を持してゴーサインが出された瞬間、府中のターフに一陣の風が吹き抜けた──。 2010年のNHKマイルCを制したダノンシャンティ。 最後方からの大外一気を決めた豪快な末脚と、当時の日本レコードであ... ハシスポ
「名馬」を語る 最速、最高、そして日本最強へ。世界へと飛んで行ったエルコンドルパサーの物語。 2021年5月9日 1990年代後半は、日本育成馬が世界を相手に通用し始めてきた時代であった。 1998年8月9日、シーキングザパールがフランスのモーリス・ド・ゲスト(G1)を優勝したのを皮切りに、翌週の8月16日にはタイキシャトルが同じくフランスのジャック・ル・マロワ(G1)を勝利。さらには翌1999年10月にはアグネスワールドがこれま... ばん
「名馬」を語る "怪物"を倒した馬と、同じ空を見上げて~1994年京都新聞杯・スターマン〜 2021年5月8日 GⅡ京都新聞杯。ダービー出走へ向けた賞金加算の最後のチャンスとして、東上を狙う3歳馬がしのぎを削るレースである。 2021年現在は5月に施行されているが、1999年以前は10月に施行されていた。9月のGⅡセントライト記念とGⅡ神戸新聞杯に続く、3番目の菊花賞トライアルとしての位置づけとなっていた。 秋に施行されていたそ... 大嵜 直人
「名馬」を語る アドマイヤマーズ~最大で最高の讃美歌を~ 2021年5月7日 2002年、夏。北海道の牧場で、ある大物馬主と開業前の調教師が出会った。そしてその場で「開業してから俺が面倒を見てやる」と調教師と口約束を交わしたというその馬主は、約束通り自分の多くの馬達を師へ預託した。 ──そんな話から6年後の2008年、5月の京都競馬場。 その馬主、近藤利一氏が所有するアドマイヤジュピタが天皇賞春... 小早川 涼風