岩手県で、新しい引退馬支援のクラウドファンディングが始まった。
その名も『食べておいしい引退馬支援!!馬厩肥栽培マッシュルームで美味しいスープを作ろう!』。
そのカギとなるのは「マッシュルームスープ」だ。
引退馬を支援するプロジェクトである『FUMIER PROJECT』が、今回はキノコから、引退馬支援の輪を広げていこうとしている。
馬産地岩手から引退馬支援を!マッシュルームスープで引退馬を救うとは?
今回の取り組みの中心地は「岩手」。岩手といえば過去にビューチフルドリーマーやフロリースカップといった馬を導入した土地でもあり、競馬とのつながりも深い。
盛岡・水沢と、ふたつの競馬場がある事から、訪れた事のある競馬ファンも多いかもしれない。
そんな土地で、オール岩手で引退馬を救おうとする取り組みが、今立ち上がろうとしている。
その取り組みとは「マッシュルームスープ」による引退馬支援だ。
もちろんこのマッシュルームスープは、ただの美味しいスープではない。マッシュルームと聞いてピンときた方もいるかも知れないが、このスープに使われるのは、引退馬の馬ふんで堆肥を作っている「八幡平ジオファーム」で作られたマッシュルームなのだ。
引退馬が生活するために必要な資金の一部を、引退馬の馬ふんを使った素材を使用した商品を流通させることで捻出する──。
そんな新たなサイクルを作り出していくために、『FUMIER PROJECT』は挑戦を続けてきた。
新たな引退馬支援の仕組みを作りたい!『FUMIER PROJECT』の活動とは。
これまでも、『FUMIER PROJECT』はいくつかの挑戦を続けてきた。
その中で大きな取り組みのひとつが、馬ふん堆肥を使ったリンゴの木を栽培し、実ったリンゴを使って、完熟ジュースに加工するというプロジェクト。
こちらは見事に完売となり、その売り上げから、引退馬が乗馬クラブへ行くためのトレーニング用具を購入・寄付をした。
ひとつの成功例として今後の継続拡大を目指しているものの、このリンゴの木を使った取り組みには、ひとつの課題がある。
それは、年間を通じた安定供給ができないという事。
引退馬が日々の生活を営んでいく上で必要な資金の提供となると、季節性に依存するリンゴ栽培だけでは限界があるのだ。
そこで今回新たに着目したのが、マッシュルーム。
屋内栽培であるマッシュルームは、年間を通じて安定した供給が期待出来る。スープを状況に応じて追加生産出来るので、引退馬支援に向いていると考えた。
レシピは北上市のこだわりレストラン『ときよじせつおのでら』のシェフが考案し、加工は釜石市のマリンプロ(株)が担当。スープに使用するミルクまで岩手産と『馬産地岩手』を中心に「東北復興支援」を掛け声としてスクラムを組み、引退馬支援と向き合っていく。
代表の上田優子さんは「引退馬や馬事と地元農業との連携で地域活性化という取り組みで、馬の居場所作りや新しい馬の仕事作りをしていきたいです。 単一の活動ではなかなか新規の馬ファンを増やすのは難しいですから、今回のように地域を巻き込むことで、新たなファン層をつくりたいです!」と語った。
クラウドファンディングは10月30日まで
そんな『FUMIER PROJECT』の挑戦を支援するクラウドファンディングが始まっている。
目標額は150万円。
集まった資金は、集まった金額はスープ開発費用や、新たなパッケージ、返礼品に使われる。
そもそも馬ふん堆肥の生産物を使うことは既に引退馬支援。今回は引退馬を飼育しているジオファームのマッシュルームをふんだんに使用し、それを馬に還元していく方針だ。
支援者には、スープの他にオリジナルグッズなどがリターンとして支給される予定だ。
金額は9000円、10000円、15000円、30000円、50000円、300000円と6パターンあり、そちらをリターンの内容によって選ぶこともできる。
返礼品の作成にあたり、このプロジェクトにはたくさんの引退馬支援アーティストが関わっている。
引退馬には様々な支援の形があり、アートの力もそれを後押ししていく。
クラウドファンディング発起人の上田優子さんは、支援を検討する方々へ「今回の新商品開発で、馬ふん堆肥堆肥栽培の作物を作る農家さんを増やしていければと思っています。『馬が生きていることが価値になる』ような地域づくりを目指します。馬ふん堆肥栽培として、今回のマッシュルームだけでなく、岩手のりんごを数種、さらには実験的に滝沢スイカとメロン、来年に向けてラフランスを用意しています。今回のクラウドファンディングだけでなく、継続的にご注目・応援のほど、よろしくお願いいたします!」と呼びかけている。
クラウドファンディングのサイトはこちら。10/30まで支援の募集をする予定。