[重賞回顧]秋風にきらめく星〜2021年・シリウスステークス〜

10月初週は、競馬界において「祭り」のような1週間となる。

今年は、中央競馬では秋のG1開幕戦スプリンターズステークスが、地方では盛岡で行われるダービーグランプリが行われた。そして海外では凱旋門賞に日本馬と武豊騎手が挑戦するという、まさにビッグイベントが目白押しの週末だった。

そんな祭りの開幕を告げたのは、中京競馬場で行われるシリウスステークスだ。

阪神での開催とは違い1900m戦で行われるこのレースは、秋のダートグレードにつながる重要な一戦。果たしてどのようなレースとなるか。

レース概況

今年のシリウスステークスは16頭で行われた。

夏競馬から吹く「3歳旋風」はこのレースでも注目され、1番人気に支持されたのはゴッドセレクションであった。ここまで3歳重賞を連続で2着。G1のジャパンダートダービーでは中央馬最先着と素質は十分。古馬相手でも人気に推された。

以下の人気ではブルベアイリーデ、ダノンスプレンダー、サンライズホープと、今年OP特別を勝利した各馬が並び、ケイティブレイブなど重賞馬も出走。混とん混迷を極める激戦重賞の結果やいかに。

レースがスタートするとまず各馬は長いホームストレッチでの先行争いとなる。ごった返す先行争いの中まず出ムチを入れてリアンヴェリテが先頭に立つ。

続いてゴッドセレクションにサンライズホープ、ブルベアイリーデと人気各馬がこの後ろに構えた。

そしてウェスタールンドは指定席の後方で末脚を温存。3コーナーを過ぎると各ジョッキーのアクションが大きくなる。

逃げるリアンヴェリテを目掛けてサンライズホープとブルベアイリーデがそれぞれ上昇して直線に向いた。

直線に向くとサンライズホープが先頭に替わる。追走からはダノンスプレンダーとブルベアイリーデの1枠2頭が追ってくる。

この3頭の争いかと思った矢先、馬群を縫って追い込んだのはウェスタールンド。末脚を活かし3番手、2番手を交わし去る。

逃げるサンライズホープ。
追うウェスタールンド。

ゴール前迫った攻防もわずかにアタマ差制したのはサンライズホープであった。
力強い押切での重賞制覇となった。

各馬短評

1着 サンライズホープ (幸英明騎手 4人気)

力強い先行力で重賞初制覇となった。逃げるリアンヴェリテを見る位置で競馬を進め、直線手前で早々とリアンヴェリテを捕まえる。そして直線では逃げる展開になり、しぶとい脚で迫る後続を振り切った。ウェスタールンドの末脚を封じ込めたのは見事。着実に勝利を重ねたサンライズホープが、遂にタイトルを獲得した。

2着 ウェスタールンド (藤岡佑介騎手 5人気)

9歳になっても衰え知らず。豪快な末脚で2着をもぎ取った。道中はもはや指定席をいえる最後方を追走。直線では馬群の間を縫って追い込み、サンライズホープに際どく迫る2着となった。切れ味ある末脚は今日も健在。年末の大一番に向けて体制は整った。

3着 ブルベアイリーデ (福永祐一騎手 2人気)

サンライズホープ同様先行したブルベアイリーデが3着に入った。4番手を追走したブルベアイリーデ。直線ではサンライズホープと異なり最内に進路を取って前へと追った。ウェスタールンドの末脚には屈したものの、しぶとい脚で重賞舞台でも好走。今後のレースが楽しみだ。

総評

シリウスステークスはサンライズホープが制した。

直線で先頭に替わり、長い直線も坂も乗り越えて重賞初タイトルを獲得。

この舞台は年末の大一番と同じ。勝負服と同様、星の輝きを得て大舞台へと駒を進める。

写真:セントサイモン

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