「名勝負」を語る サッカーボーイ〜新時代の到来を予感させた屈指のスピードと瞬発力 1988年函館記念〜 2020年7月19日 夏競馬というと、春と秋のGⅠシリーズの合間にやっている開催とイメージする人もいるかもしれない。開催場も、北海道の競馬場をはじめとする、いわゆるローカルの競馬場へと移行する。この時期にはGⅠが開催されていないこともあり、札幌記念などの例外はありつつも、多くのGⅠ実績馬は休養に入っている。 とはいえ、秋の飛躍を目指す馬たち... 齋藤 翔人
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]地元函館ではじけた最高の笑顔~2020年・函館2歳ステークス~ 2020年7月19日 世代最初のJRAの重賞として行われている函館2歳ステークス。今年は、中央からの14頭にホッカイドウ競馬からラジアントエンティが参戦して、計15頭が覇を競った。 単勝オッズ1.5倍の圧倒的な1番人気に推されたのは、大外15番枠に入ったモンファボリ。父は歴代の欧州最強馬の一頭Frankel、そして騎乗するのが武豊騎手という... 齋藤 翔人
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]大井に縁ある師弟が掴んだ大金星〜2020年・ジャパンダートダービー 2020年7月9日 今年で22回目を迎えたジャパンダートダービー。南関東3歳3冠の最終戦であると同時に、JRAからも有力馬が多数参戦してくる、文字通りダートにおける日本ダービーである。今年は、南関東から東京ダービー勝ち馬のエメリミットをはじめとする5頭、JRAから国内外のダート重賞勝ち馬3頭を含む7頭、そして兵庫から1頭の計13頭で、その... 齋藤 翔人
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]苦難を乗り越えたラブカンプー、奇跡の大復活〜2020年・CBC賞〜 2020年7月7日 サマースプリントシリーズ第2戦、CBC賞。毎年中京競馬場で行われてきた伝統の一戦だ。しかし、今年は秋から京都競馬場の改修工事が行われる影響で、2011年以来9年ぶりに阪神競馬場での開催となった。従来の左回りから右回りに、直線の長いコースから直線の短い内回りコースに、さらにハンデ戦と梅雨時の緩い馬場という要素も相まって、... 齋藤 翔人
競馬ニュース レース回顧 [重賞回顧]豪華絢爛、春のグランプリレース~2020年・宝塚記念~ 2020年7月2日 上半期の総決算、宝塚記念。有馬記念同様、ファン投票により出走馬が決まるこのレースは、通称『春のグランプリレース』と呼ばれ、例年GⅠ勝ち馬が多数集結し華やかなイメージがある。しかしその華やかさとは対照的に、しばしば上位人気馬が馬券圏外に終わってきた波乱の歴史もある舞台だ。 梅雨時に開催されるため馬場が悪化していること、小... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る 不屈の闘志で幾度も挫折を乗り越えた、遅れてきた天才〜1996年・エプソムカップ〜 2020年6月13日 近代の日本競馬において最も影響を及ぼしている種牡馬といえば、サンデーサイレンスだろう。1994年に産駒がデビューすると、わずか2世代で中央競馬のリーディングサイアー1位の座を獲得。自らは惜しまれつつ2002年にその生涯を閉じるが、2007年まで実に13年連続でリーディングサイアー1位の座を守り続け、あらゆるジャンルのG... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る pick 8万人以上の観衆が目撃した大脱出マジック〜2009年・安田記念〜 2020年6月6日 日本の競馬史に燦然とその名を刻む名馬ウオッカ。ダイワスカーレットをはじめとする数多のライバルと激闘を繰り返し、勝利したG1は7つにのぼる。2019年、惜しくも15歳の若さでこの世を去ったが、史上初となる東京競馬場の古馬GⅠ完全制覇や、牝馬初の2年連続年度代表馬選出──さらには2011年には顕彰馬に選出されるなど、その数... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る ダービー史に残る究極のデッドヒート〜2000年・日本ダービー〜 2020年5月28日 私が競馬を好きな理由は、主に3つある。 一つ目は、馬に関わる「人」のドラマがあるから。二つ目は、脈々と続く「馬と血統」のドラマがあるから。そして三つ目は、「デッドヒート」に代表されるような胸が熱くなるドラマチックなレース展開があるからだ。 そんなドラマチックな瞬間を目の当たりにしたときは、レースが終わった後もいつまでも... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る 伝説の始まり〜2012年オークス・ジェンティルドンナ〜 2020年5月22日 予想を外すことは私にとって日常茶飯事であるが、自信をもって本命から外した馬に圧勝されるときはさすがにショックを受ける。特に、その馬が直線に入って早い段階で勝負を決めてしまったときほどこの衝撃は大きくなり、レース後立ち尽くすこともしばしばだ。ほんの数秒前まで持っていた、自らの予想への絶大の自信は音を立てて崩れ去り、ゴール... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る 1分7秒の壁が破られた衝撃〜1997年シルクロードS・エイシンバーリン〜 2020年1月31日 JRA史上はじめて1分7秒を切った馬はどの馬か、ご存知だろうか? 快速として知られたサクラバクシンオーでもなければ、史上最強スプリンターの呼び声が高いタイキシャトルやロードカナロアでもない。 それは1頭の、スプリント戦の実績がほぼなかった意外な牝馬によって記録された。 淀における冬のスプリント重賞として、すっかり定着し... 齋藤 翔人