もし私が「あなたが思い入れのある世代は?」と問いかけられたら、私の答えは決まっている。「2021年の牝馬世代です」「理由は?」「この時代に私は競馬を始めたから」ちょうど、桜の蕾がほころぶ頃に私は競馬というものを始めた。クラシック戦線が盛り上がる頃である。今回は、この年のフラワーCを回顧したい。牝馬クラシックの幕開けとな...
「名馬」を語るの記事一覧
1994年──漆黒の馬体、シャドーロールの怪物に魅了されてから幾年もの時が流れた。その間、競馬から多くのロマンと感動をもらったが、それと同じくらいJRA銀行に対価を納めているのも間違いない。 私を競馬の世界に導いてくれたナリタブライアンは、引退して僅か3年でこの世を去った。 残された産駒は2世代のみ。今では血も途絶えか...
山形県南東部に位置する上山市。開湯から555年を数える上山温泉を抱えるこの街には、かつて競馬があった。 1935年に開場を迎えた『かみのやま競馬』は地元温泉地をはじめとした観光産業に支えられ、バブル期には上山の財政を潤したが、その後は売上減の影響で2003年に閉場。現在は跡地の一角にひっそり佇む馬頭像と慰霊碑が競馬場の...
中山記念を迎える時、私はいつも一頭の栗毛馬を思い出す。そしてその馬を思い出す時、私はいつも一人のジョッキーを思い出す。 ──その馬は世界の名血。金色の見栄えする体躯を持ち、才気に溢れ、華があった。 ──その馬は大舞台に幾度も現れ、海を越え、多くの名馬と刃を交えた。 ──その馬は一組の師弟の絆を深め、夢を叶えた。 馬の名...
「立春」とは、二十四節気のうち、その日を境に厳しい寒さが少しずつ緩み始め、春の気配が忍び寄ってくる日のことを言うらしい。毎年、おおよそ2月4日あたりになる。立春を過ぎてから確かに朝や日中の寒さは少し楽になった気もするが、私の鈍い感性をもってすると、まだ春の気配は遠すぎる。午前中のうちは暖かい日差しに照らされていたはずの...
2023年2月14日。 2日前の京都記念で心房細動を発症し、競走を中止したエフフォーリアの引退が発表された。11戦6勝、GⅠは皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念の3勝。すべて3歳シーズンであげたものだった。その年の年度代表馬は我々に希望と競走馬の繊細で複雑な部分を教えてくれた。 エフフォーリアのデビューは20年夏の札幌。そ...
1.ウマ娘・サトノクラウン登場 2022年11月5日、Cygamesが手掛けるメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』に、新たなウマ娘として「サトノクラウン」が登場することが発表された。2月22日に公開されたゲームリリース1周年記念アニメーションにおいて、「サトノ」のウマ娘であることと「クラちゃん」と...
いぶし銀・ダイワキャグニー、引退の報 長く府中の1800mでいい味を出していたオープン馬、ダイワキャグニーが引退を迎えた。 馬券でも何度か楽しませてくれ、足掛け8年もの間、競馬場で元気な姿を見せてくれた馴染み深い馬。彼の引退は、1頭の名バイプレーヤーが競馬場を去ることだけに留まらず、「ダイワ」の冠を持つ馬たちの最後の1...
思わず声を出して笑ってしまった。 たぶん、彼がジョープロテクターに乗って淀短距離Sを勝ったときのことだったと思う。テレビ中継のカメラがいつものようにウィナーズサークルの様子を捉えると、そこには満面の笑みを浮かべながら、ターフィーくんに抱きついて喜ぶジョッキーの姿があった。まるで子どもが遊園地のキャラクターとじゃれ合って...
何かを成し遂げるためには、時にステレオタイプにハマらない柔軟で勇気ある選択が必要になる。 MLBロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平選手が世間に広く知られるようになってからというもの、「二刀流」という言葉がさまざまな業界において頻繁に使われるようになった。大谷選手が活躍するようになるまで、あまり使われてこなかった...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
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