「名馬」を語る ”そよ風”は今も胸の中に。 - 魂の馬、ヤマニンゼファー 2023年6月4日 「ゼファー魂」水色地に記された力強い5文字は大きな存在感を放ち、彼の血を引く者に力強くエールを送った。ファンの熱量がダイレクトに伝わる横断幕が私は大好きだった。 ヤマニンゼファー。 サンデーサイレンス以前、競馬が今よりもう少しだけ泥臭かった90年代初頭にニホンピロウイナーの仔として産まれ、ダイイチルビー、ダイタクヘリオ... norauma
「名馬」を語る 北海道SCで凱旋勝利。門別が送り出した怪物、ニシケンモノノフ。 2023年6月1日 毎年4月にホッカイドウ競馬が開幕すると「春が来たな」と感じ、10月に閉幕すると「冬が近いな」と感じるファンは、私だけでは無いはずだ。 ニシケンモノノフもそんな一頭だった。同馬は原孝明厩舎に入厩し、2013年7月4日に門別競馬のJRA認定フレッシュチャレンジでデビュー。初戦はハナを切ってレースを運ぶが、ジュリエットレター... 中川兼人
「名馬」を語る 地方競馬場を股に掛けて活躍。吉原寛人騎手とソルテの快進撃を振り返る。 2023年5月31日 近年、日本各地にある地方競馬場で行われる重賞レースで、見ない時は無いほどに感じる名手、吉原寛人騎手。重賞ハンターとして活躍する吉原寛人騎手の名を全国に知らしめた1頭がソルテである。デビュー戦は最低人気だったのに、さきたま杯でついにダートグレードレースを制覇するまでに成長したソルテについて、今回はご紹介していきたい。 ポ... プーオウ
「名馬」を語る [追悼]幸せを運ぶ、ナイスネイチャを偲ぶ 2023年5月30日 2023年5月30日12時40分、ナイスネイチャが35歳の生涯を閉じた。 青空のもとで静かに息を引きとり、そよ風に運ばれるように魂は天国へと導かれていった。 競走馬の余生について真剣に考えるようになって久しい。競馬場を去った競走馬はどこへ行くのか。我々競馬ファンがそのことについて想像力を巡らせるのは正しい。しかし、競馬... 勝木 淳
「名馬」を語る いざ、新時代へ。ジャパンCで3歳馬ながら覇王テイエムオペラオーを撃破した、ジャングルポケットの走りを振り返る。 2023年5月28日 一時代を築いた名馬も、いつかは現役を退き次代にバトンを渡す。ディープインパクトやオルフェーヴルのように盤石の強さを最後まで示して後進を鼓舞する馬もいれば、黄昏を迎えながらも後進に立ちはだかり、そして乗り越えられる馬もいる。 どこか寂しさを募らせるそれは、次のステップに進むための大切なプロセスであり、名馬の背中を追う者は... norauma
「名馬」を語る 戦うたびに己を鍛え、荒野を駆け抜けた。野武士のような二冠馬、メイショウサムソン。 2023年5月27日 "メイショウ"松本好雄氏から旧約聖書士師記に登場する怪力の士師"サムソン"と名付けられた優駿は、その名の通り闘いを重ねることで己を鍛えた。 実戦にて己を鍛錬し続け、松本好雄氏にダービーオーナーという勲章をプレゼントした孝行息子。その姿は、まさに野武士の如くターフを駆け抜けるそのものだった。 日本基礎輸入牝馬を継ぐ血。 ... 真実 良
「名馬」を語る pick とにかく"逆をいく"馬。若駒時代の達観したゴールドシップの魅力を振り返る。 2023年5月26日 取材で厩舎関係者の話に耳を傾けると、自分が知らなかったこと、勘違いしていたこと、わからなかったことに気づき、競馬は、外ラチの向こうとこちらで見える景色がまるで違うことを実感する。共通の体験がない私たちは向こう側を想像する術がなく、多くは勘違いだったりもする。外ラチは単なる白い柵ではない。見えない結界のようなものだ。だか... 勝木 淳
「名馬」を語る 名馬タニノギムレット。その挑戦は後世へ、そしてウオッカへ。 - 2002年日本ダービー 2023年5月23日 NHKマイルCと日本ダービーという変則二冠という発想はマツクニローテとも呼ばれ、2000年代前半のトレンドでもあった。GⅠからGⅠへというローテは現在も主流だが、マツクニローテはそんな主流とは一線を画す。なにせ中2週で日本ダービーに挑むのだ。プリンシパルSと同じ間隔で、それも春のマイル王決定戦を戦っての中2週は今では考... 勝木 淳
「名馬」を語る 母と仔、二代の物語。優駿牝馬に挑んだ下河辺の宝物。ダイワエルシエーロとロンドンブリッジ。 2023年5月21日 ファンに愛され、一際多くのエールを浴びる馬がいる。 例えばキセキ。 競馬史に残る屈指の不良馬場で行われた菊花賞を泥んこになりながら先頭で駆け抜けた彼は、雄大すぎるほどのフットワークで国内外の競馬場を駆け抜け、持ち前の高いフィジカルを活かし、多くの名勝負の立役者となった。 菊花賞以降の4年間で遂に勝利を挙げることはなかっ... norauma
「名馬」を語る それは116年の物語。ウメノファイバーがつないだ遠い血の記憶。 2023年5月20日 1999年の競馬について記憶をたどってみる。 最近、書籍の仕事でこうやって昔の競馬について調べる機会が増えた。この頃の私はいわゆる新米競馬ファン。単勝10倍の馬の勝利に「荒れましたね」なんて訳知り顔をしてしまう初心者であり、日曜日のメインレースだけ参加するようなライトな層に属していた。もちろん、記憶がないわけではないが... 勝木 淳