「名馬」を語る 負けに価値あり。2019年クラシックを戦ったヴェロックスを振り返る。 2022年7月2日 上半期を締めくくる宝塚記念から3日後の2022年6月29日、ヴェロックスの競走馬登録抹消を伝えるニュースが流れた。今後は京都のカシオペアライディングパークにて乗馬になるという。第二の馬生が決まったのはひと安心だ。一方で、なんとなくひっそりと報じられたこのニュース、知らなかった方もいるのではないか。もっといえば、ヴェロッ... 勝木 淳
「名馬」を語る リスグラシュー - ハーツクライの完成形とも言える、時代を彩った歴史的名牝 2022年6月25日 「名馬には名レースあり」 競馬にはこれまで数多くの名馬が誕生してきたが、当然の如くその名馬たちには印象的なレースや特徴的な個性がある。人々の印象に残るからこそ『名馬』なのだ、とも言えるかもしれない。 そして2019年、リスグラシューという名馬が強さを残したままターフを去った。海外競走を含むG1・4勝の実績を残した"歴史... タイガーマスクG
「名馬」を語る 「名体不離」荒々しき名曲 - ドゥラメンテ 2022年6月22日 1.「荒々しく、はっきりと」 仏教用語に「名体不離」という言葉がある。仏の名前(名)と仏そのもの(体)は別々のものではなく、離れがたい関係にあることを指す。つまり、仏の名前には仏そのものの特性が表象されており、仏の有り様は名前によって規定されると考える。仏の名を唱える「念仏」の根拠となる概念である。 いきなり競馬とは関... 縁記台
「名馬」を語る 「水を得て」一変した、アジサイの花のような馬~トーホウシャイン 2022年6月18日 こんな梅雨の時期に観たくなる映画がある。私が好きなのは『いま、会いにゆきます』という映画だ。小説が原作で2004年に公開された作品。亡くなったはずの妻が、梅雨の時期の6週間だけ現世に戻ってきて夫と子供と3人の共同生活を送るというストーリーだ。けれど、梅雨が明けてしまうと、また“あちらの世界”に帰ってしまうので、6歳の息... 並木 ポラオ
「名馬」を語る ウイニングチケット〜すべては、この熱き日のために〜 2022年5月29日 日本の、とある名騎手が言った。「ダービーを勝てたら、騎手を辞めてもいいというくらいの気持ちで臨む」 その騎手は後年、ダービーを勝った。さすがにすぐに騎手をやめることはしなかったが、リーディングジョッキーにも輝いたことのあるその騎手にそこまで言わせるダービーというレースは一体何なのだろうか──。 1780年、イギリスで創... ひでまさねちか
「名馬」を語る アドマイヤリード - 唸る豪脚、迸る根性 2022年5月15日 2022年……すでにこの世を去ってから7年が経ったというのに、現役最年少が7歳世代だというのに、ステイゴールドの直仔が国内外で躍動。現役時代からステイゴールド一筋四半世紀になんなんとする(多くのステイゴールドファンの皆様の末席を汚させていただいている)私にとって、これは夢かと頬をつねり上げる日々である。 4月の中山グラ... 枝林 応一
「名馬」を語る マイネルマックス - ブライアンズタイム産駒の当たり年で真っ先に輝き、長く挑戦を続けた不屈の名馬 2022年4月23日 読売マイラーズカップ(GⅢ)は2000年の競馬番組改定にて、従前の3月阪神開催から4月の阪神開催へと日程を変えて実施されるようになった(2012年からは4月の京都開催となる改定を実施、現状は京都競馬場改修中のため阪神にて開催)。3月開催だった時代にも、武幸四郎騎手(現調教師)の初勝利&初重賞制覇となった1997... 高橋薫
「名馬」を語る 色褪せない圧巻のパフォーマンス。ルドルフ以来、史上5頭目の三冠馬・ナリタブライアン。 2022年4月16日 三冠の重み 私が本格的に競馬を観始めたのは1983(昭和58)年ですから、いきなりミスターシービーという三冠馬に出会ったことになります。ところが翌年にはシンボリルドルフが続く……という、信じられないことが起きました。しかし私は、競馬の世界を知って僅か2年。まだ〝三冠馬〟の言葉の重みは実感できていませんでした。 今更なが... 和田章郎
「名馬」を語る セイウンコウセイ - 輝き、走り続けたスプリント界の「恒星」 2022年3月26日 何千年もの昔から、人は夜空を見上げ、そこに輝く星に想いを寄せてきた。 人は、その瞬きに想いを馳せ、その輝く形に想像力の翼を与え、そこに物語を乗せてきた。世の東西を問わず、星空が人の心を捉えてやまないのは、その輝きの美しさとともに、「そこに在り続ける」ことの尊さではなかっただろうか。 時間の流れを超越するように、常に輝き... 大嵜 直人
「名馬」を語る クリソライト - 「名馬の兄」で終われない。ダート長距離路線に燦然と輝く太陽の石。 2022年3月23日 ──2019年1月10日、一頭の競走馬が引退しました。 その馬の名前は「クリソライト」。そして彼は海を渡り韓国で種牡馬としての生活を始めることになります。 ジャパンダートダービー(JpnI)、コリアカップ(韓国GI)と国内外2つのビッグタイトル、妹にマリアライト、弟にはクリソベリル、叔父にはジャパンカップダート勝ち馬の... Shin