「名馬」を語る 禍福は糾える縄の如し - メジロボサツとメジロドーベル 2025年8月23日 1.新たな「メジロ」の誕生 2025年1月、1頭の馬の名前が話題を呼んだ。その馬の名は「メジロピオラ」。「メジロ」は日本屈指のオーナーブリーダーとして名を馳せたメジロ牧場の冠名であるが、2011年のメジロ牧場解散に伴って姿を消していた。命名の経緯について、メジロ牧場の後継であり、メジロピオラを生産したレイクヴィラファー... 縁記台
「名馬」を語る 3つのティアラに愛を。儚さをまといながら記憶に浮かぶ名牝、スティルインラブ 2025年8月22日 京都競馬場のパドック裏に伸びる三冠馬メモリアルロード。 喧噪から少しだけ離れた小径は季節ごとの花に彩られ、遠くから子どもの笑い声や実況の余韻が風に乗って届く。静かに佇む歴代の名馬たちの馬像は、時を超えて訪れる人々を見つめている。彼らが織り成したドラマに思いを馳せながらゆっくりと歩くと、淀の地が見守ってきたたくさんの栄光... norauma
インタビュー [インタビュー]アオラキ、笠松の移籍初戦を終えて。笹野調教師が語る手応えと課題 2025年8月19日 2025年8月13日、白毛馬アオラキが笠松に移籍して初めてのレースを迎えた。 SNSやニュースサイトで多く取り上げられる注目の一戦。結果は6着と敗れたが、SNSでは「まだ移籍初戦」という声も散見された。果たして現場はアオラキの移籍初戦をどう捉えたのだろうか。今回はアオラキを管理する笠松・笹野博司調教師に初戦の手応えを伺... 緒方きしん
「名馬」を語る 薔薇はたしかに咲いた。ローゼンクロイツと中京競馬場 2025年8月16日 2005年の競馬界はディープインパクトの衝撃に揺れていた。シンボリルドルフ以来、日本競馬史上2頭目の無敗の三冠馬となった「日本近代競馬の結晶」の話題は、普段は競馬を見ないという人々にも時事ニュースとして知れ渡るほどであった。それこそが、ディープインパクトの異次元の強さ・影響力を物語っていた。そんなディープインパクトと共... 笠原 小百合
競馬場を楽しむ 「夏競馬の暑熱対策」で変化する、夏競馬の新しい楽しみ方! 2025年8月15日 昨年からスタートした、夏競馬での暑熱対策。今年は新潟、中京の2場に拡大し、期間も4週間に延長されて実施されている。昨年より更にパワーアップした連日の猛暑の中、馬にも人にも優しい競馬開催は、来年以降も実施され、夏競馬の開催パターンとして定着していきそうである。 「競走時間帯の拡大」は5レース終了から6レース開始までの“昼... 夏目 伊知郎
それぞれの競馬愛 [エッセイ]「また、会いたいな」。白い奇跡が織りなす夢物語 2025年8月14日 初めてその存在に巡り合ったときのことを、私はいまでもはっきりと覚えている。 パドックをゆっくりと歩く、一頭の白毛馬。 純白の馬体は陽光に照らされて眩しく輝き、汗をかいてほんのりピンク色に染まったその肌は、奥にある血管や筋肉すら透けて見えるようで、思わず息を呑んだ。 競馬場にはいろいろな馬がいる。鹿毛、栗毛、黒鹿毛、芦毛... norauma
「名馬」を語る アイドル性と実力の掛け算。思い出の白毛馬、ユキチャン 2025年8月11日 今でこそシラユキヒメ牝系はブチコからソダシ、ママコチャがあらわれ、GⅠ馬の牝系としてマルガの未来へとつながっているが、初期は白毛という毛色だけがクローズアップされ、ただ珍しい毛色の一族だった。見た目で人を判断してはならない。ルッキズムなる言葉もまだ浸透していなかったころ、普通と違う外見を持つものはただただ異形という扱い... 勝木 淳
「名馬」を語る カフジオクタゴン - メジロ血統を受け継ぐダート活躍馬 2025年8月10日 つい、口にしたくなる馬名がある。たとえば、カフジオクタゴン。語呂がとても良い。馬主の冠名カフジに八角形のオクタゴンという、分解してみればいたってシンプルな馬名であるが、私はこの馬名が好きだ。 主に彼はダート中距離戦線で活躍し、主な勝ち鞍はレパードステークスである。そんなカフジオクタゴンの背景を探ると、そこにはメジロ牧場... 大守アロイ
「名勝負」を語る 奇跡の血脈から生まれた無事是名馬 - 2019年ハヤヤッコが勝利したレパードSを振り返る 2025年8月10日 ■白毛という奇跡 当記事を書いている2025年8月現在、中央競馬における「白毛」の現役登録馬は7頭(未出走馬含む)。相変わらず珍しい存在だが、筆者が競馬を見始めた2000年前後はもっと珍しく、まさに奇跡の存在だった。 振り返ってみると、日本初の白毛競走馬のハクタイユーがデビューしたのが1982年の2月。その産駒であるハ... ムラマシ
「名馬」を語る 馬がいて、人がいて…。横山和生とハイランドピーク 2025年8月9日 爽やかな札幌の夏空。砂埃の向こうでひときわ大きな歓声が弾けた。 勝者、ハイランドピーク。その背には横山和生。彼は込み上げる思いを噛みしめるように左手を突き上げ、それから愛馬の首筋をそっと撫でた。父・横山典弘という偉大な存在を追い続けてきた青年が、ついにJRA重賞初制覇という勲章を手にした。 多くの競馬ファンにとって「横... norauma