競馬ファンにはそれぞれ記憶に残るクラシック、世代がある。それは得てして、競馬をはじめたばかりの頃の世代であることが多い。最近、競馬をはじめたばかりの方にとっては2020年コントレイル、デアリングタクトという2頭の三冠馬が無敗で駆け抜けたシーズンだろうか。リアルタイムで自身が体験したクラシック世代の記憶は競馬を続ける限り...
コラム・エッセイ
コラム・エッセイの記事一覧
「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」 ──井上 靖. あすなろ物語(新潮文庫) (p.38). 新潮社から引用 2018年2月。雨の小倉競馬場。2歳500万下(現在の1勝クラス)特別戦、あすなろ賞。 偶然か必然か、レース名に冠せら...
2022年12月12日、引退競走馬のセカンドキャリアを支援する活動認定NPO法人サラブリトレーニング・ジャパン (以下、サラブリトレーニング)に、5000万円もの寄付をした会社がある。AI技術による競馬予想を提供している、株式会社AlphaImpactだ。『回収型人工知能』『的中型人工知能』など、大手競馬サイトでの予想...
グランアレグリアが名馬の一頭であることに、異論の余地はないだろう。ただ、私にとって彼女は、単なる名馬ではなく特別な1頭である。その理由は、2019年の桜花賞まで遡る。 今になって振り返れば、桜花賞の勝利は必然も必然かもしれない。ただ、この"振り返れば"というやつは曲者だ。後からなら「当然勝つよね」と言えてしまうからだ。...
2017年の桜花賞は、ある1頭の馬が単勝オッズ1.4倍という圧倒的な支持を集めていた。多くのファンが、その馬の勝利を信じてやまなかったことによるオッズだろう。 その馬の名はソウルスターリング。前年の阪神ジュベナイルフィリーズを制した2歳女王で、前哨戦のチューリップ賞も1番人気に応えて快勝。 無傷の4連勝で桜花賞に駒を進...
新ステージのはじまりを告げる、桜の開花宣言。 桜が咲く頃になると、早くも2歳馬の話題が聞こえてくる。ホッカイドウ競馬の2歳の能力試験がスタートしたと思えば、中央競馬でもゲート試験が始まる。日本ダービー翌週から始まる新馬戦を皮切りに、2024年の頂点を目指す戦いの火蓋が切って落とされる。2歳馬を見る側としても、次年度“P...
サイアーラインや近親交配を中心に語られることが多い血統論だが、牝系を通じて繋がるDNAはサラブレッドの遺伝を語る上で非常に重要な要素だ。この連載では日本で繁栄している牝系を活躍馬とともに紹介しその魅力を伝えていく。今回取り上げるのはデアリングタクトやEcton Parkなどを輩出したデアリングダンジグの牝系だ。 多様な...
日本で4月1日をエイプリルフール(四月馬鹿)と呼ぶようになったのは大正時代のことだという。 ジョークが苦手な日本人に「4月1日は嘘を楽しむ日」は浸透しにくかったようで、SNSなどで企業がエイプリルフールを戦略的に利用するようになった現代とはまったく違う世界が広がっていたようだ。かつては「不義理の日」と言われ、常日頃の不...
2020年の競馬は無観客の中で行われ、無敗の三冠馬コントレイルが誕生した。 翌2021年もまだ先の見通しがつかない世の中ではあったが、日本の競馬界はコントレイルを中心に動くだろうと思われた。しかし、コントレイルは古馬初戦となったGⅠ大阪杯でまさかの敗北を喫するのである。 日本競馬界の至宝ともいえる三冠馬に土をつけたのは...
サイアーラインや近親交配を中心に語られることが多い血統論だが、牝系を通じて繋がるDNAはサラブレッドの遺伝を語る上で非常に重要な要素だ。この連載では日本で繁栄している牝系を活躍馬とともに紹介しその魅力を伝えていく。今回取り上げるのはアグネスフライトやアグネスタキオンなどを輩出したイコマエイカンの牝系だ。 芝中距離で絶対...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]いざ、新時代へ! 復活を遂げたレガレイラが偉業を達成~2024年・有馬記念~
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[重賞回顧]ニュースター誕生! 見惚れるほどの圧勝劇~2024年・朝日杯フューチュリティステークス~
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[重賞回顧]世界を完封! 主役はやはり日本総大将~2024年・ジャパンカップ~
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[重賞回顧]最速の母”ラッシュ”から魂の”ラッシュ”へ、鞍上が繋ぐ悲願成就!~2024年・マイルCS~
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[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
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[重賞回顧]夕暮れに映えた白き古豪、ハヤヤッコ~2024年・アルゼンチン共和国杯~
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[地方レース回顧]意地の連覇、意欲の挑戦~2024年・マイルチャンピオンシップ南部杯~