競馬場を楽しむ 「夏競馬の暑熱対策」で変化する、夏競馬の新しい楽しみ方! 2025年8月15日 昨年からスタートした、夏競馬での暑熱対策。今年は新潟、中京の2場に拡大し、期間も4週間に延長されて実施されている。昨年より更にパワーアップした連日の猛暑の中、馬にも人にも優しい競馬開催は、来年以降も実施され、夏競馬の開催パターンとして定着していきそうである。 「競走時間帯の拡大」は5レース終了から6レース開始までの“昼... 夏目 伊知郎
それぞれの競馬愛 [エッセイ]「また、会いたいな」。白い奇跡が織りなす夢物語 2025年8月14日 初めてその存在に巡り合ったときのことを、私はいまでもはっきりと覚えている。 パドックをゆっくりと歩く、一頭の白毛馬。 純白の馬体は陽光に照らされて眩しく輝き、汗をかいてほんのりピンク色に染まったその肌は、奥にある血管や筋肉すら透けて見えるようで、思わず息を呑んだ。 競馬場にはいろいろな馬がいる。鹿毛、栗毛、黒鹿毛、芦毛... norauma
「名馬」を語る アイドル性と実力の掛け算。思い出の白毛馬、ユキチャン 2025年8月11日 今でこそシラユキヒメ牝系はブチコからソダシ、ママコチャがあらわれ、GⅠ馬の牝系としてマルガの未来へとつながっているが、初期は白毛という毛色だけがクローズアップされ、ただ珍しい毛色の一族だった。見た目で人を判断してはならない。ルッキズムなる言葉もまだ浸透していなかったころ、普通と違う外見を持つものはただただ異形という扱い... 勝木 淳
「名馬」を語る カフジオクタゴン - メジロ血統を受け継ぐダート活躍馬 2025年8月10日 つい、口にしたくなる馬名がある。たとえば、カフジオクタゴン。語呂がとても良い。馬主の冠名カフジに八角形のオクタゴンという、分解してみればいたってシンプルな馬名であるが、私はこの馬名が好きだ。 主に彼はダート中距離戦線で活躍し、主な勝ち鞍はレパードステークスである。そんなカフジオクタゴンの背景を探ると、そこにはメジロ牧場... 大守アロイ
「名勝負」を語る 奇跡の血脈から生まれた無事是名馬 - 2019年ハヤヤッコが勝利したレパードSを振り返る 2025年8月10日 ■白毛という奇跡 当記事を書いている2025年8月現在、中央競馬における「白毛」の現役登録馬は7頭(未出走馬含む)。相変わらず珍しい存在だが、筆者が競馬を見始めた2000年前後はもっと珍しく、まさに奇跡の存在だった。 振り返ってみると、日本初の白毛競走馬のハクタイユーがデビューしたのが1982年の2月。その産駒であるハ... ムラマシ
「名馬」を語る 馬がいて、人がいて…。横山和生とハイランドピーク 2025年8月9日 爽やかな札幌の夏空。砂埃の向こうでひときわ大きな歓声が弾けた。 勝者、ハイランドピーク。その背には横山和生。彼は込み上げる思いを噛みしめるように左手を突き上げ、それから愛馬の首筋をそっと撫でた。父・横山典弘という偉大な存在を追い続けてきた青年が、ついにJRA重賞初制覇という勲章を手にした。 多くの競馬ファンにとって「横... norauma
「名馬」を語る [追悼]ありがとう、グラスワンダー。灼熱の時代を駆けた“マル外の怪物”の蹄跡を振り返る 2025年8月9日 力強く大地を蹴り上げ、隆起した筋肉を誇る栗毛の馬体がゴール板を駆け抜けた。誇らしげな人馬が、喝采を一身に浴びていた。 あの姿を、私たちは忘れない。 ひとつのいのちが、静かに天に旅立った。 グラスワンダー。灼熱の時代を生きた、マル外の怪物。享年30歳。本当に長く、よく、生きてくれた。今はただ、心からの感謝を伝えたい。 衝... norauma
「名馬」を語る わたしの場所はアイビスサマーダッシュ。快速馬カノヤザクラの生涯を振り返る 2025年8月2日 とある夏の、小倉メインレース。自分の推している馬が惨敗した。最後の直線では、誰がみてもバテており、騎手も無理に追わなかったくらいである。その後、彼は暑さが苦手で、ひどい夏負けをしていたことがわかった。 このことがきっかけで、夏競馬は過酷だということに気づいた。たしかに、自分だったら走りたくない。個人的には1週間くらい競... ゆもと さとこ
「名勝負」を語る 「モノトーンのぬいぐみ馬?」アエロリットが輝いた、2017年クイーンステークス 2025年8月1日 夏のローカル競馬は名物重賞で綴られる! 夏のローカル競馬。関東圏では、福島の七夕賞で夏が始まり、札幌記念で夏競馬のピークを迎え、新潟最終週の新潟記念で夏が終わる。中弛み期間とも言うべき7月下旬〜8月上旬、ここに、目先を変えたスパイシーな重賞が組まれている。それがアイビスサマーダッシュとクイーンステークスである。前者は新... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る パドトロワ~夏の王者に輝いた、「バレエ一族」3代目の息子~ 2025年7月27日 競馬の勢力図は、目まぐるしく変わる。 が、たとえその絶対的な主役が入れ替わろうとも、その脇を固める有力馬たちの顔ぶれは、意外にも変わらないケースも多い。2010年代の前半、カレンチャンからロードカナロアの2頭がその王座を取り合っていた短距離路線において、パドトロワはまさにそんな存在だった。 ■バレエの血、短距離界で咲く... 小早川 涼風