「名馬」を語る pick 君と感じた爽やかな風を想う〜私の青春、エアスピネル〜 2022年12月31日 青春とは、一体どこで終わるのだろうか。初めてできた彼女に振られた時、一生懸命に取り組んだ部活を引退した時、好き勝手遊んだ学生生活が終わった時──。青春そのものの終わりが人それぞれで、もしその終わりを自分で決めて良いというのなら、私の青春は2022年の秋に終わりを告げた。 私の青春は、黄色と青の爽やかな風が吹いていた。初... ひでまさねちか
「名勝負」を語る 絶対王者に食らいつく、ハナ差のマッチレース。スマートファルコンvsワンダーアキュートが火花を散らした2011年東京大賞典を振り返る。 2022年12月29日 2011年は、競馬の世界においても、記憶に残る出来事が多かったように思う。 3月のドバイワールドカップでは日本代表のヴィクトワールピサとトランセンドがワンツーを決め、そして秋にはオルフェーヴルが史上7頭目となるクラシック三冠を達成し、日本中に勇気と感動を与えてくれたこの年。 年内最後のG1レースとなる東京大賞典において... ばん
それぞれの競馬愛 [引退名馬]おかえり、さよなら、オジュウチョウサン 2022年12月28日 向正面でゲートが開くとスタンドの空気が一変した。確かな密度があって、息が詰まりそうなほどだった。最初の障害が近づくにつれて、ひとかたまりの大きな祈りに包まれているのだと察知した。どこかの国の荘厳な教会みたいに人びとは一心に全馬の無事を祈っていた。馬たちが最初の障害を飛越した一瞬、それが不意に緩んだ。どっと拍手がわいた。... 手塚 瞳
それぞれの競馬愛 カズ君とドリームジャーニー - 朝日杯フューチュリティステークス 2022年12月18日 「私の競馬仲間」について考えてみる。 一緒に仕事をしているうちに、趣味の一致ということで競馬仲間になる。あるいは、馬の話をしているうちに興味を持った仕事仲間を引っ張り込む。これらは、一緒に競馬場で競馬観戦するというより、仕事の合間に競馬の話をして盛り上がったり、仕事終わりの居酒屋でG1レースの予想を楽しんだりするパター... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る その走りに、微笑みを。 - 2020年ターコイズステークス・スマイルカナ 2022年12月18日 2020年12月19日、中山競馬場、GⅢターコイズステークス。振り返ってみると、それは一つの「最後」となったレースになった。 誰もが足早になる、師走の暮れ。感染症禍で社会が激変した年であったが、年の暮れはいつもの年と同じようにやってくる。 師走の中山を舞台に争われる牝馬のマイル重賞に、16頭の牝馬が揃った。 1コーナー... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 「最後」の舞台、授けられた翼 - 2007年中日新聞杯・サンライズマックス 2022年12月11日 冬が、来た。キン、と冷えた外気が、頬を刺す。首を竦める。用事を済ませてまっすぐ帰宅の途に就く。帰ったら息子とのプロレスごっこが待っている──。 2022年の冬も、雪の出脚が遅い。 昨冬も初雪は遅かったが、その分をじっくりため込んだ32秒台の末脚を爆発させたが如きドカ雪が幾度も襲い、街は止まった。そして中山の大生垣が如き... 枝林 応一
「名馬」を語る 芦毛のマル外馬クロフネが切り開いた蹄跡。 - クロフネのニッポン競馬開国史 2022年12月4日 私が子供の頃に見たマル外馬、マルゼンスキー。8戦8勝で引退したその姿は、強烈な印象が残っている。 「外国の馬は強すぎるから、ダービーに出してもらえないんだ……」 何故マルゼンスキーがダービーに出られないのかへの疑問に対する、競馬を教えてくれた叔父の回答だ。この頓珍漢な回答を真に受けて、妙に納得していたのを思い出す。 当... 夏目 伊知郎
インタビュー [インタビュー]騎手引退から20年余りの時を経て、競馬の世界へ。『馬物語』予想家、小田部雪さんの意気込み。 2022年12月4日 佐賀競馬場で売られている競馬専門紙の『日本一』が2022年7月24日をもって休刊というニュースは、多くのファンに驚きを与えた。地方競馬の売上はネット販売の追い風に乗って好況という記事も散見されるが、競馬を取り巻くその他の環境は新型コロナウイルスの影響もあり、苦境に立たされているものもある。 そんな淋しいニュースの後に、... ウマフリライター
「名馬」を語る 世紀末を生きた人たちへ。ミッキーダンスがたどり着いた混沌の先。 2022年12月4日 20世紀最後の年である西暦2000年は、ミレニアムイヤー。遠い記憶を年表とともにたぐり寄せてみる。バブル崩壊直後の90年代は不安の時代。就職難、リストラと将来を保証されないことがデフォルトになりつつある、ライフバランスの転換期でもあった。私が大学生だったころ、自立とはなにか、これからの人生観とは。そういった新しい価値観... 勝木 淳
「名勝負」を語る [ステイヤーズS]親子2代で横綱相撲。メジロブライト産駒マキハタサイボーグの2007年ステイヤーズSを振り返る。 2022年12月4日 1997年、この年はある1頭の馬が人気の中心になりクラシック戦線を沸かせていた。 皐月賞と日本ダービーでは1番人気、菊花賞では2番人気に支持され、人気の中心としてこの年の競馬を盛り上げてくれた存在──。 そう、四半世紀以上競馬を見ているオールドファンには懐かしい存在であろう、メジロブライトである。 3歳クラシック戦線で... ばん