[連載・クワイトファインプロジェクト]第9回 1991年クラシック同期生が織りなす血のドラマ

繁殖牝馬紹介第2弾は、ご存知バトルクウちゃん。
シスタートウショウの孫という、由緒正しき血統のお嬢様です。

そして、預託先が「あの」メイタイファームさんということもあり、それで知っていただいた方もいらっしゃるかと思います。

この馬が、縁あってクワイトファインの配合相手になった背景には、いろいろな人と人との絆がありました。なかでも、一昨年に若くして他界された事務局Hさんがいていただいたことで、バトルクウのオーナーさんからも当プロジェクトに多大なるご理解とご協力をいただけたものと思っています。
そして、そのご縁がメイタイファームさんへと繋がっています。

そのことは、私の拙い文章でお伝えするのも申し訳ないので、いずれまた何かの機会にご紹介できればと思います。

さて、バトルクウですが……今さら私がここで採り上げるまでもなく、読者の皆様のほうがお詳しいかも知れません。
中央では7戦未勝利でしたが、おがわじゅりさんの作品で紹介されるなど、ファンの多い馬だったようです。

中央から、現オーナーのもと門別〜岩手で走り、4年間で6勝を挙げました。
父はミスプロ系ケイムホームなのに対し、母父はサンデーサイレンス産駒G1馬の中でも最も日本的な血統であるスペシャルウィークです。クワイトファインとの間に産まれる仔は、まさに和洋折衷というかダート競馬にも対応できるような素質を持っていれば幸いですね。

この馬にせよキネオスイトピーにせよ、或いは最後に触れますイットーイチバンにせよ、ある程度の競走成績がないと、名牝の血を引いているというだけでは繁殖牝馬として引く手あまたという訳にはいかない、というのも現実です。
一方で、私のような資金力のない零細馬主にとっては、例え中央未勝利であっても、名牝の血を受け継ぐ牝馬には血の底力が備わっており、どこかで開花する可能性はあると思っているので、そういった牝馬に種付けのチャンスをいただけることは率直にありがたいことだと思います。

もちろん、昨年のことが示す通り無事に産まれる保証も無事に育つ保証も全くありません。競走馬として無事にデビューし、成績はともかく少なくとも無事な体で引退の時を迎えることは奇跡に近いことだと思います。
どうか皆様、最初の関門である出産→成長→血統登録までの間、温かく見守っていただけるとありがたいです。

さて、最後にビッグニュースを。
昨年惜しくも不受胎でしたイットーイチバン、オーナー交代しクラックステーブルに移動、そして今年もクワイトファインに種付けのオファーをいただきました!
こちらも続報ありしだい、随時お知らせいたします。

写真:高田裕子

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