「名馬」を語る "怪物"を倒した馬と、同じ空を見上げて~1994年京都新聞杯・スターマン〜 2021年5月8日 GⅡ京都新聞杯。ダービー出走へ向けた賞金加算の最後のチャンスとして、東上を狙う3歳馬がしのぎを削るレースである。 2021年現在は5月に施行されているが、1999年以前は10月に施行されていた。9月のGⅡセントライト記念とGⅡ神戸新聞杯に続く、3番目の菊花賞トライアルとしての位置づけとなっていた。 秋に施行されていたそ... 大嵜 直人
それぞれの競馬愛 桜の季節に笠松を想う。~1994年桜花賞・オグリローマン〜 2021年4月10日 笠松駅は、名鉄名古屋本線の岐阜寄りに位置する。 名古屋駅から名鉄特急岐阜行きに乗ると、地下ホームから発車した電車はトンネルの暗闇を通って、すぐに明るい地上に出る。左側を並走する東海道新幹線を横目に、名鉄特急はぐいっと右へカーブしていく。 ほどなくして庄内川を渡ると、沿線がそのまま生活導線になっているような街並みを駆ける... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 時には昔の話を~1991年報知杯4歳牝馬特別・イソノルーブル〜 2021年3月12日 時には昔の話をしようか通いなれた なじみのあの店マロニエの並木が窓辺に見えてたコーヒーを一杯で一日見えない明日を むやみにさがして誰もが希望を託したゆれていた時代の熱い風にふかれて体中で瞬間を感じた そうだね「時には昔の話を」(1987年) 作詞・作曲:加藤登紀子 「おときさん」の愛称で知られる、加藤登紀子さんの名曲。... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 王道から覇道へ~2000年京都記念・テイエムオペラオー~ 2021年2月12日 平成12年、西暦2000年は20世紀の最後の年であり、「ミレニアム」という言葉がよく飛び交った年として記憶される。 幸いにして、ノストラダムスの大予言による恐怖の大王も、各種コンピューターシステム周辺で騒がれたY2K問題も、どちらも現実に起こることなく迎えた、二千年紀の最後の年である。 その平成12年の2月20日、京都... 大嵜 直人
「名馬」を語る 厳寒の川崎記念に、ホクトベガの「旅」を想う 2021年1月27日 月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口をとらえて老いをむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。(現代語訳)月日は永遠に旅を続けて行く旅人であり、毎年来ては去り、去っては来る年も同じく旅人である。舟の上で波に浮かんで一生を送る船頭や、馬の轡(くつわ)を取って街道で老年を迎える馬子などは、... 大嵜 直人
「名勝負」を語る その末脚、命の輝きのごとく ~2016年チャンピオンズカップ・サウンドトゥルー〜 2020年12月5日 サラブレッドは、血のドラマだといわれる。300年以上もの間、連綿と紡がれてきた血の歴史が、一頭一頭の血統表に息づいている。 走ることは、すなわち自らの血を残すこと。 そんな宿命のサラブレッドの中にありながら、どれだけ走ろうとも血を残せない優駿たちがいる。されど、彼らの走りは、時に大きな輝きを放つ。 師走の寒空の下、中京... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 雷神と百合、得難き出会い〜2018年エリザベス女王杯・リスグラシュー〜 2020年11月14日 国民文学作家と呼ばれた吉川英治は、人生における得難い出会いについて、こう書いている。 十年語り合っても理解し得ない人もあるし、一夕の間に百年の知己となる人と人もある。玄徳と孔明とは、お互いに、一見旧知のごとき情を抱いた。いわゆる意気相許したというものであろう。吉川英治「三国志 赤壁の巻」(新潮文庫) 自らもその血を引く... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 導火線 〜1989年オールカマー・オグリキャップ〜 2020年9月27日 ──この人に出逢っていなかったら、いったい今、どうなっていたのだろう。時にそんな仮定をしてしまうような大きな出逢いが、人生においては起こる。 人は毎日多くの人とすれ違い、顔を合わせ、そして言葉を交わす。 そんな中でも、得難い人との出逢い、自分を変えてくれたと感じる人との出逢い、返せないほどの恩義を与えてくれた人との出逢... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 昨日・今日・明日~2018年中京記念・グレーターロンドン〜 2020年7月18日 「ネオレアリズモ」の旗手である巨匠、ヴィットリオ・デ・シーカ。『甘い生活』はじめ数々の名作で知られた、マルチェロ・マストロヤンニ。そして当代きっての名優、ソフィア・ローレン。 この1960~70年代のイタリア映画を彩る黄金トリオとくれば、不朽の名作と名高い『ひまわり(原題:I Girasoli、1970年)』が思い出さ... 大嵜 直人
「名勝負」を語る マヤノトップガン〜1996年・宝塚記念に見た「夢」〜 2020年6月27日 「あなたの、そして私の夢が走ります」 数々の名実況で知られた杉本清・元関西テレビアナウンサーが、宝塚記念を実況する際によく使われていたフレーズである。 有名なところでは1991年の宝塚記念の実況で、このフレーズとあわせて杉本氏ご自身の「夢」を披露されておられた。 「今年もまたあなたの夢が、そして私の夢が走ります。あなた... 大嵜 直人