競馬新聞の馬柱にほとんど必ず載っている情報のひとつに、出走する各馬の「道悪実績」「重・不良の成績」がある。良馬場で競馬が行われる時には特に気にも留めない情報だが、重馬場や不良馬場で開催される際には人気の有無にかかわらず、その欄をチェックする競馬ファンも多いのではないだろうか。 2010年の中山グランドジャンプ。私は、現...
「名勝負」を語る
「名勝負」を語るの記事一覧
寒さが一層厳しくなる2月末。競馬界ではフェブラリーSを終え、いよいよクラシックトライアルを目前に控え、春の息吹を感じる時期である。そしてそれ同時に、多くの勲章を手にしてきた人たちが競馬界を去る季節でもある。 時に劇的に、時に静かに──これまで競馬に携わってきた競馬人が、現役生活に別れを告げる。 時は2006年、2月26...
冬場の地味なダート戦だったフェブラリーステークスもG1に昇格して4年目を迎えていた。 まるで田んぼのような泥んこ馬場で行われた記念すべき第1回(1997年)の王者は、岡部幸雄騎手と「嚙みつき馬」シンコウウインディだった。このレースの売上げは203億を超え前年比345%と驚異的な数字を残し、この日の東京競馬場の入場者数は...
競馬史のターニングポイントになった年、と聞いて、ここ数年間ですぐにイメージできる年はいつになるでしょうか? いろんな意見があるかと思いますが、わかりやすく決定的かな、と思えるのは、やはり日本がパートⅠ国に昇格した2007年が妥当なのかもしれません。それまでの日本のサラブレッドの、〝集大成〟みたいな活躍を見せたディープイ...
1999年1月31日。私は朝から東京競馬場を目指していた。その日のメインレース、フェブラリーステークスを観戦するためだったが、妙な違和感が拭えなかった。なぜなら、暦はまだ1月だというのに、メインは2月を冠するレース名だったからだ。「名は体を表していない。4月3週に開催される牡馬三冠レースの最初も『卯月賞』にするべきだな...
1998年11月1日、音速の逃亡者は府中の大欅の向こうで、まだ行ってはいけないもう一つのゴールを駆け抜けてしまった。栗毛の美しい馬だった。どんな馬が出てきても、そのスピードに追い付ける者など存在しないかのような強烈な走りだった。 多くの人が悲しみに暮れ、彼の残した伝説と、もし無事であったらの「たられば」談義を語るように...
古馬混合の短距離路線が本格的に整備されたのは、1984年のグレード制導入以降。それまでハンデ戦として行なわれていた安田記念がGIに格付けされ、マイルチャンピオンシップが新たに創設された。一方、さらに距離の短いスプリント路線が整備されるには、元号が平成に変わるのを待たなければならなかった。 それまでGⅡだったスプリンター...
アメリカジョッキークラブカップは、3月の中山記念、日経賞と共に、関東で行われる伝統の古馬中・長距離重賞の一つ。ここから、GⅠの大阪杯や天皇賞春、もしくは、香港のクイーンエリザベス2世カップへと繋がる、重要なステップレースとなっている。 過去の勝ち馬からも、メジロブライト、マツリダゴッホ、トーセンジョーダン、ルーラーシッ...
年間の最初に行なわれるGⅡが日経新春杯。1ヶ月後に行なわれる京都記念とともに、春の中・長距離路線に向かう古馬たちにとっては、重要なステップレースとなっている。 ただ、別定戦の京都記念とは異なり、ハンデ戦の日経新春杯は例年、これから大舞台を目指す前走条件戦に出走していた馬の活躍が目立つ。世代別に見ると4歳馬が強く、過去1...
「野球は筋書きの無いドラマ」という言葉は、使い古されている表現かもしれない。しかしこれは、野球だけに当てはまる言葉ではないだろう。私が愛して止まない競馬の世界でも、目にすることがある。その出来事を安易に『奇跡』『ミラクル』なんて言葉で片付けてしまうのは、何だかちょっと口惜しい気もする。 予想もしない出来事が目の前で起こ...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]古馬相手でも適距離では負けられない! 混戦を断った3歳馬シックスペンスが、秋初戦を快勝~2024年・毎日王冠~