「名勝負」を語る 名優の血が二度の坂越えで覚醒 - 2015年アルゼンチン共和国杯・ゴールドアクター 2021年11月6日 東京の芝2500mは、伝統のハンデ重賞である目黒記念・アルゼンチン共和国杯と、年にたった2レースしか行われない特殊な条件である。日本競馬を代表する大レース、日本ダービーやジャパンカップが行われる東京芝2400mと距離が100mしか違わないものの、この条件を得意とする種牡馬の産駒などは、2400mとは多少異なる。それは、... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る 馬名に違わぬ"ワンダー"なレースぶり - 1997年・京成杯3歳ステークス 2021年11月5日 1990年代後半は「マル外」と呼ばれる外国産馬たちが大活躍していた時代であった。ヒシアマゾン・ヒシアケボノ・タイキシャトル・シーキングザパール・エルコンドルパサーなど……ウマ娘のモデル馬として知られる馬たちもマル外の期待馬として日本競馬会を席捲していた。また、その活躍は日本国内にとどまらず、海外のレースにも及んだ。 シ... ばん
「名勝負」を語る [JBCクラシック]ひょっとしたらひょっとして……。牡馬を相手に残り50mまで先頭だった、ダートの名牝レイナワルツ。 2021年11月3日 JBCを勝つのはいつも中央競馬所属馬、地方競馬所属馬は勝負にならない。でもひょっとしたらひょっとして……。2005年名古屋競馬場で行われたJBCクラシックにおいて、地方競馬ファンの想いが結実しそうになった瞬間がありました。その直線は、映像越しに見ても場内が異様な空気につつまれていたことが伝わってきました。実際に現地で応... プーオウ
「名勝負」を語る [天皇賞・秋]『平成の三強』が初対戦! 区切りの第100回天皇賞・秋を振り返る。 2021年10月31日 長い競馬の歴史において『三強』と呼ばれる戦いは過去に何度もあり、名勝負を生んできた。 古くは1968年のクラシックを賑わせたアサカオー・マーチス・タケシバオー。 それぞれの馬の頭文字をとってTTGと呼ばれた、テンポイント・トウショウボーイ・グリーングラス。 そして2020年のジャパンカップも三冠馬3頭、アーモンドアイ・... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る [天皇賞・秋]ウオッカvsダイワスカーレットvsディープスカイ…。牝馬の時代を象徴する大熱戦、2008年・天皇賞秋。 2021年10月28日 天皇賞・秋。それは数々の名勝負と記憶をうみだしてきた、伝統の一戦でもある。 皇帝が悔し涙にくれ、芦毛の馬は走らないという定説を打ち砕いた2頭が熱戦を繰り広げ、復活を賭した白いシャドーロールが馬群に沈み、女帝が牡馬を一蹴し、音速の貴公子がスピードの向こう側へと駆け抜けていく──。 府中の2000mには魔物が住むとまで言わ... 小早川 涼風
「名勝負」を語る [スワンS]スプリント王vsマイル女王、1400mでの決闘。 - 1994年スワンステークス・サクラバクシンオー 2021年10月26日 中央競馬の芝で行われるレースの距離帯に1400mと1800mがある。しかし、それらの距離で行われる重賞競走は複数あるものの、GⅠレースは行われていない。1200m・1600m・2000m・2400mを根幹距離と呼ぶのに対し、これらの距離は非根幹距離と呼ばれるが、逆にこれら非根幹距離を得意とする名脇役がこれまでにも多数い... 齋藤 翔人
「名勝負」を語る 空白の20秒、その衝撃 - 1996年第57回菊花賞ダンスインザダーク 2021年10月23日 直線の映像を見るたびに心が揺さぶられる。あれは一体何なのだろう。 ダンスインザダークが菊花賞で見せた33秒8の末脚は「豪脚」「鬼脚」などと評されることが多いが、個人的にはどれもしっくりこない。とにかく、私の四半世紀を超す競馬歴のなかでも『ナリタブライアンとマヤノトップガンの一騎打ち(阪神大賞典)』、『トウカイテイオー奇... 林田麟(りんだりん)
「名勝負」を語る [2012年秋華賞]淀に舞う勝負の華 - ジェンティルドンナとヴィルシーナ 2021年10月17日 1860年、現在の横浜市中区元町において競馬が開催された。1984年、中央競馬でグレード制が導入。 競走馬が駆け抜けてきた歴史の中で、数多のライバル対決が繰り広げられてきた。 さて、皆様は、競馬における「ライバル対決」といえば、どの勝負を思い浮かべるだろうか。 同世代のダービー馬と牝馬2冠馬が大接戦を繰り広げ、1.57... 鳥野 紗々実
「名勝負」を語る [毎日王冠]あの日見た、白い稲妻 - シービークロス・1979年毎日王冠 2021年10月9日 シービークロスに会いたい! ゴール前の激しい競り合い、そのとき画面をさっと横切る白い影。ぽつんと1頭最後方を走っていたはずの馬がなぜか1着になっていた──それが、シービークロスだ。 シービークロスは、見た目の美しさはもちろんのこと、そのレーススタイルと鋭い末脚で見る人みなを虜にしてしまう馬だった。 1979年が明けて最... ティアラ
「名勝負」を語る [毎日王冠]ここに、我あり - 2004年毎日王冠・テレグノシス 2021年10月8日 時に人は、ある場所で結果が出ないと、自分の価値や能力、あるいは才能に疑いを持ってしまうことがある。一度その疑いを持ってしまうと、それは徐々に身体を蝕む毒のごとく、心を締め付ける。 しかし、自分の能力や才能の有無を問うことよりも重要なのは、その場所が自分に合っているかどうか、を問うことなのかもしれない。 誰かにとって咲け... 大嵜 直人