「名馬」を語る ’98年11月、きみが生きた未来をさがして - 天皇賞・秋 サイレンススズカ 2021年10月29日 栗色の馬体を煌めかせ、解き放たれたように先頭を走り続けたサイレンススズカ。1998年の天皇賞・秋、彼は私たちがもう二度と会えない場所へと旅立っていった。まだ5歳だった。サイレンススズカとともに戦ってきた馬たちは、のちに父となり、母となり、今日の競馬へと血脈を繋いでいった。彼にもそんなふうに生きていてほしかった。今もずっ... 手塚 瞳
「名馬」を語る 愛すべき無冠の実力派。私を競馬好きにしてくれた名馬、スーパーホーネットの思い出。 2021年10月27日 スーパーホーネット。父ロドリゴデトリアーノ、母ユウサンポリッシュ。ガーベラパークスタッド生産、矢作芳人厩舎所属。 この馬は私にとって本当に思い入れが強い馬で、自分を競馬に誘ってくれた馬といっても過言ではありません。 今回は、そんなスーパーホーネットについての思い出を振り返っていきたいと思います。 2~3歳シーズン実はあ... アレグリア
「名馬」を語る ゆっくりでもいい、希望を捨てずに生きていこう。 ヒシミラクルの菊花賞。 2021年10月22日 問題:2001年以降、春のクラシック不出走の菊花賞馬は、半数以上の11頭。そのうち日本ダービーまでの重賞またはトライアルにも出走歴がない馬が6頭いる。すべて答えよ。(2021年現在) 競馬では秋は逆転の季節。春のクラシックで形成された勢力図を塗りかえる馬がしばしば出現する。それらを、夏の上がり馬と呼ぶ。有力馬たちが夏を... 勝木 淳
「名馬」を語る 笑う門には福来る! 4連勝で菊を制した『鬼脚』の上がり馬、マチカネフクキタル。 2021年10月21日 結果を知っている今でも、何度考えても菊花賞でこの馬を本命にできなかったのではないか──。 学生時代における私の競馬知識と言えば、もっぱらテレビゲーム由来。そのせいか、菊花賞前にこの馬の父『クリスタルグリッターズ』の名前を見ただけで「現役時代は中距離で活躍したかもしれないけど、種牡馬としては短距離向き。良くて2,000m... 高橋楓
「名馬」を語る サトノダイヤモンド~至高の原石、輝いて~ 2021年10月18日 「……2億4000万円ございませんか! 落札価格、2億3000万円でございます」 時は2013年セレクトセール。税込みにして2億4150万円。 母マルペンサ・父ディープインパクトの鹿毛の牡馬が、超高額と言っていい価格で、「サトノ」の冠名を持つ里見治氏に落札された。 2年後、無事に競走馬としてデビューを果たすことになる彼... 小早川 涼風
「名馬」を語る 何を目に焼き付け、心に刻むか。「アナログ時代」の終盤を駆けたティコティコタックの思い出。 2021年10月16日 未勝利戦からメインレースまで、全ての映像がJRAのホームページにアーカイブされている現在とは違い、インターネット黎明期の2000年前後、さらにはそれ以前のレース動画を振り返るのは簡単なことではなかった。G1をはじめとする有名なレースならまだしも、条件戦ともなるとそれはほぼ不可能と言って良い。そこで頼りになるのは己の記憶... ハシスポ
「名馬」を語る 栄光、挫折、そして…。不屈のダートスプリンター・スーニが掴み取った、奇跡の4連勝。 2021年10月6日 今でこそクラシックにも外国産馬が出走でき、更には海外の外国馬も出走できるほどにその幅が広がった日本競馬。しかしかつてはクラシックや天皇賞には外国馬の出走が許されていなかった。どれだけ強くとも、外国馬はクラシックは未出走。NHKマイルCが「マル外ダービー」と呼ばれていた時代も、確かにあった。 時は進み、いまやマル外ダービ... 小早川 涼風
「名馬」を語る 直線に血をたぎらせた、二冠馬。夢のように駆け抜けたドゥラメンテの生涯。 2021年10月5日 2021年、8月31日。 ドゥラメンテの訃報を受け、一瞬で2015年皐月賞の舞台に引き戻された。 「こりゃダメだ! 終わった!」 競馬ファンであれば誰もが経験したことのある、応援馬の絶望的な位置取り。 ドゥラメンテの場合、第4コーナーで斜走してしまい大きく外にふくれてしまっていた。鞍上のミルコ・デムーロ騎手でさえ、「絶... 吉田 梓
「名馬」を語る [スプリンターズS]バクシンオー、カナロアに続く、史上3頭目となるスプリンターズS連覇。偉大なる名スプリンター・レッドファルクスを振り返る。 2021年10月1日 私の好きな曲に「真夏のピークが去った」という一節がある。スプリンターズSの頃には、例年、真夏のピークが去っているように思う。涼しい風を感じつつ、長かった夏もようやく落ち着いてきたのかなという、嬉しい気持ちと、どこか物足りない気持ちとが入り混じってしまう。 しかしそんな物憂げな気持ちにも浸ってはいられない。競馬のシーズン... ひでまさねちか
「名馬」を語る [スプリンターズS]スノードラゴン - 弥々拓かれて、浩々に輝いて。"新潟"の6ハロン。 2021年9月30日 「男になる」という言い回しがある。それは、一人前になることを意味する、やや古臭い表現だ。決して「女性が一人前になることができない」ということはなく、そうした誤解を避けるためにも、今後は使われにくくなっていくであろう。ただ今でも、成果を上げた男の背中は、変わらず何だか頼もしい。 騎手にとっての「一人前」とは、何なのだろう... フロリダ