「名馬」を語る サンデー最後の大物と言われた天才・マルカシェンク。幾度とない試練を乗り越えた、現役最後の勝利を振り返る。 2021年8月13日 サラブレッドは、その素質のどれほどをパフォーマンスとして発揮できるのだろうか。能力が高くても精神面の弱さから大成できない馬がいたり、成長曲線の絶頂期を怪我で棒に振ってしまったり、怪我が治っても無意識に庇ってしまい以前の力が出せなかったり……。確かな素質や実力がありながら、なかなか結果を出せずに終わってしまう馬たちは数多... ひでまさねちか
「名馬」を語る 「村山厩舎・赤一本輪」への復讐。"敵地"の浦和にて~ブルドッグボス~ 2021年8月9日 立ちはだかった「白」 「クラスター」と言えば、競馬ファンにとっては「クラスターカップ(JpnIII)」だった2016年。1.9倍の1番人気の支持を受けて出走するJRAのエリートがいた。ブルドッグボスである。 2歳秋の500万円以下から1年以上、10戦連続1番人気を記録するなど、5勝を挙げてオープン競走も2勝するなど人気... フロリダ
「名馬」を語る マチカネニホンバレ~天晴マチカネ軍団、日本晴れ~ 2021年8月8日 マチカネ軍団──。 かつて競馬界をにぎわせたその軍団は、今も多くの人の記憶に残る。 G1を制したフクキタル、G1勝ちこそないものの蜘蛛を食べて蕁麻疹になった(らしい)など古馬戦線を色んな意味で賑わせたタンホイザ、ダートで活躍したワラウカド、超良血のアレグロに皐月賞馬ハードバージの半弟、ダビスタで多くのプレイヤーを虜にし... 小早川 涼風
「名馬」を語る インカンテーション - 不屈の精神で度重なる故障と挫折を乗り越えた砂の名脇役 2021年8月4日 米国の大レースを制した日本人オーナーの所有馬といえば、真っ先に挙がるのはフサイチペガサスだろうか。大種牡馬ミスタープロスペクター最晩年の産駒で、400万ドルという超のつく高値で関口房朗氏が落札。1999年12月にデビューすると、初戦こそ敗れたものの、5連勝でケンタッキーダービーを制覇。日米両国のダービーオーナーという、... 齋藤 翔人
「名馬」を語る アイムユアーズ~少女たちの好敵手~ 2021年8月1日 夏を感じる風物詩。きっとそれは花火であったり西瓜であったり、人によってそれぞれだろう。 かくいう私は、北海道で競馬が開催される季節になると「ああ夏が来た」と感じる。 そんな北海道開催の名物重賞のひとつ、クイーンS。中山競馬場時代から数多の名馬が参戦し、またここから飛躍する馬達も数多い牝馬限定戦だ。 ……ところが意外にも... 小早川 涼風
「名馬」を語る 妹よ。 - レクレドール 2021年7月31日 2006年8月20日、日曜日。市中に流行り始めた新語「アラサー」の域に達しつつあった私は札幌競馬場の喧騒の中に佇んでいた。恐らく生で見るのは最後になるであろう、彼女の走る姿を、この目に焼き付けるために。 メインレース、札幌記念。 7番ゲート、前走クイーンステークス3着からの連闘。9番人気、5歳、23戦目、牝馬。兄はステ... 枝林 応一
「名馬」を語る 幾たびも紡ぎなおされた絆の糸~ナリタセンチュリーと田島裕和騎手〜 2021年6月27日 2021年6月13日、東京競馬場第9レース。観客が、そしてネット上が大きなどよめきに包まれていた。 シンガリ人気、単勝333.5倍のリキサンダイオーが2番手から直線押し切って勝ち星を挙げたのだ。 いつも冷静なグリーンチャンネルの司会者が、いつもよりやや高揚した声で勝ち馬プロフィールを読み上げた。 「勝ちましたリキサンダ... 枝林 応一
「名馬」を語る 土砂降りの雨、そのあとに。~2009年日本ダービー・ロジユニヴァース~ 2021年5月29日 あれは、少し早めの昼メシを済ませて、府中のメモリアルスタンドから出た後だっただろうか。 降り出した雨は、まるで怒りをぶつけるような土砂降りに変わった。分厚い雲に覆われた暗い空は、風薫る5月のそれとは到底思えなかった。視界が悪くなるほどの豪雨により、地面を叩く音が響いていた。 私は、その土砂降りの雨をどこか他人事のように... 大嵜 直人
「名馬」を語る 笑顔の行方、明日の行方 - スマイルトゥモロー 2021年5月23日 卒業アルバムの 最初の春のページ無邪気に笑う私がいる…──Dreams Come True 「笑顔の行方」より 競馬のレースが行われる「距離区分」を表す言葉として、「SMILE」というものがある。これは世界統一の競走馬の強さを表す指標(レーティング)を獲得したレースの距離を表したものである。 Sは「Sprint(スプリ... 枝林 応一
「名馬」を語る "新しい"栗毛の怪物、グラスワンダーの物語。 2021年5月15日 「やっぱり強いグラスワンダー!これが新しい栗毛の怪物!」。1997年暮れの中山競馬場で開催された朝日杯3歳ステークスのゴール直後、私の耳に飛び込んできたこのフレーズは、四半世紀たった今なお、私の心に深く刻み込まれている。 これが新しい栗毛の怪物 グラスワンダーは1995年2月15日生まれ、栗毛のアメリカ産馬である。新馬... ばん