「名馬」を語る それは116年の物語。ウメノファイバーがつないだ遠い血の記憶。 2023年5月20日 1999年の競馬について記憶をたどってみる。 最近、書籍の仕事でこうやって昔の競馬について調べる機会が増えた。この頃の私はいわゆる新米競馬ファン。単勝10倍の馬の勝利に「荒れましたね」なんて訳知り顔をしてしまう初心者であり、日曜日のメインレースだけ参加するようなライトな層に属していた。もちろん、記憶がないわけではないが... 勝木 淳
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]夏は牝馬(シーズン2-11) 2023年5月19日 夏は牝馬という言葉は、競馬を始めたばかりの頃からずっと耳にタコができるほど聞いてきましたが、いまいちピンと来ていませんでした。僕はどうしても人間に置き換えて考えてしまうところがあって、僕の周りには夏になると溶けてしまいそうなほど暑さに弱い女性しかおらず、牝馬が夏に強いなんてとても信じられなかったからです。しかも野球少年... 治郎丸敬之
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]レイニーデイ・イン・盛岡(シーズン2-17) 2023年5月19日 翌朝、窓を開けてみると、雨が降っていました。あらかじめ分かっていたけれど、朝からため息がひとつ。最近の天気予報は正確で、良くも悪くも予測どおりになります。午後からは雨が上がる予定ですが、午前中の雨はどこまで馬場を濡らしてしまうのでしょうか。それによっては、芝で行われるべきレースがダートに変更になってしまいます。 クエス... 治郎丸敬之
競馬を学ぶ [牝系図鑑]成長力と持続性能が自慢。伝説のエリザベス女王杯の立役者テイエムプリキュアを輩出したデリケートアイス牝系。 2023年5月16日 古馬になって才能開花! 持ち前の持続力で大波乱を演出 代表馬・テイエムプリキュア(05年阪神JF、09年日経新春杯、09年エリザベス女王杯2着)・トーセンスーリヤ(20年新潟大賞典、21年函館記念) デリケートアイス 米国で生産されたデリケートアイス。デリケートアイスは現役時ブラックアイドスーザンS(G2・ダート8.5... 貴シンジ
「名勝負」を語る 決して「番狂わせ」ではない。ウオッカを吹き飛ばした“アジアの風”エイジアンウインズが見せた、2008年ヴィクトリアマイルの大激走。 2023年5月14日 レースで度々目にする「番狂わせ」 「番狂わせ」は、スポーツの世界で度々起こるドラマだ。 広辞苑で「番狂わせ」を引くと、「①予想外の出来事で順番の狂うこと。 ②勝負事で予想外の結果が出ること」と記されている。 「番狂わせ」の言葉は、江戸時代から存在する言葉で、相撲の番付の下位力士が、上位力士に勝利することを指して「番狂わ... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る ダンス兄妹と府中の直線 - 2006年第1回ヴィクトリアマイル・ダンスインザムード 2023年5月14日 ダンスインザムードが出てきたとき、私は彼女に兄ダンスインザダークの面影を重ねていた。性別も毛色も違う2頭。しかし、まとった雰囲気がすごく似ていると感じていた。 2頭の母はダンシングキイ。ダンスインザダークの前にはエアダブリンとダンスパートナーも出している名牝だ。兄や姉はいずれも後方から強烈な末脚を繰り出すイメージがある... 林田麟(りんだりん)
「名馬」を語る 果敢な日本遠征と、優雅な重賞制覇。エアトゥーレやシルヴァーソニックらを輩出した牝系の祖となった外国馬、スキーパラダイス。 2023年5月12日 1990年代初頭。オグリキャップがもたらし、メジロマックイーン、トウカイテイオー、ビワハヤヒデ、ナリタブライアンらが襷を繋ぐ競馬ブームの裏で、日本馬による海外遠征の気運は落ち込んでいた。 それまで、ハクチカラの快挙以降、日本を代表する数々の名馬が新たな戦果を持ち帰らんと海を渡り、挑戦を繰り返していた。望むような成果は得... norauma
ブログ・手記 [連載・馬主は語る]初対面(シーズン2-16) 2023年5月12日 もしかすると、エコロテッチャンにとって今年の芝レースのラストランになるかも知れないと思い、9月20日に盛岡競馬場まで観戦しに行くことになりました。台風14号の影響で天候が不安定な中でしたが、「Equine Vet Owners」の上手代表に初めて会い、インタビュー取材をさせてもらう仕事も兼ねて、新幹線に乗り込みました。... 治郎丸敬之
「名馬」を語る 開国元年、歴史を切り拓いた白いクロフネ 2023年5月7日 21世紀が始まった2001年は日本競馬にとって大きな節目となる一年だった。 1990年代後半、日本調教馬で初めて凱旋門賞で2着に入ったエルコンドルパサーやグランプリ3連覇を果たしたグラスワンダーを筆頭に外国産馬が躍進。日本競馬の勢力図を塗り替える勢いであった。 「強い馬同士の闘いが見たい」あるいは「外国産馬が出ないで本... 館山 速人
「名馬」を語る あの日本調教馬の悲願目前に立ち会った、馬主の傍にいる綺麗なオネエサンの話 2023年5月6日 オネエサンが初めて競馬を見たのは東京競馬場で、それもいちばん高い席からだった。 「先生」と呼ばれる人のエスコートのもと、特別な出入り口から入って、一番高いフロアまで連れられてきた。初めて見たのが1998年、エルコンドルパサーのNHKマイル。『コンドルは飛んでいく』、歌と同じ名前だと後から知った。 先生と知り合ったきっか... 手塚 瞳