「名馬」を語る 逆転の秋 - エアメサイア 2023年10月15日 清秋の京都開催を迎え、本格的なG1シーズンが到来すると競馬場のボルテージは俄然高まる。京都大賞典を皮切りにファンは毎週のように列を為し、開門と同時に我先にと思い思いの特等席に急ぎ足で歩を進める。 南東を向いたスタンドに座って眩しい朝日を真正面から浴び、煌めく水面に目を細めながらターフビジョンで放映される過去のVTRを眺... norauma
競馬と「エンタメ」 レディバグ号と「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」の不思議な関係 盛岡編 2023年10月14日 3連休の最終日、10月9日盛岡競馬場最終レースは第36回マイルチャンピオンシップ南部杯。秋の日はつるべ落とし。発走時刻18時15分、競馬場の空は黒く、薄暮というよりナイターに近い。日中の太陽に照らされて輝くサラブレッドはアスリートらしい健康的な眩さに満ちているが、闇夜のなか、カクテル光線が映し出す馬体はどこか神秘的で、... 勝木 淳
「名馬」を語る 「挫折」と「栄光」を味わった初代"秋華賞馬"ファビラスラフイン 2023年10月13日 これまで名牝と呼ばれ活躍した馬は多数いるが、中には引退後に“走る産駒”を残して名牝と呼ばれるケースもある。 その2つの要素を兼ね備えた馬として、真っ先に思い出されるのがエアグルーヴ、という方も多いだろう。 そんなエアグルーヴは、母仔二代でオークス制覇、母としてはアドマイヤグルーヴやルーラーシップを生み、その血はドゥラメ... 真実 良
「名勝負」を語る ウオッカに勝つ。追撃のスーパーホーネット - 2008年・毎日王冠 2023年10月7日 毎日王冠というレースは、府中の杜に秋を運んでくる。 新緑の府中が放つエネルギーは瑞々しく、府中駅から大國魂神社を通り、競馬場へ向かう道は、世界は前方にしか存在しないと錯覚させる。しかし、同じ緑のいちょう並木であっても、秋は違う。ひと夏を越えた緑は心なしか沈み、次の黄色へ移ろうかと悩みはじめているようだ。色づく道は、世界... 勝木 淳
「名馬」を語る 復活ではなく進化 - 2017年東京盃覇者、キタサンミカヅキ 2023年10月4日 東京盃は1967年にスタートした伝統の短距離重賞。創設された当時の日本競馬はまだまだ長距離志向が強く、地方競馬では全国初の短距離重賞だったともいわれる。60年近くが経った現在ではJpnIIに格付け、“Road to JBC”にも指定されており、JBCスプリントを見据えた各馬が覇を競うレースとなっている。 長い歴史のある... 椎茸抹茶
「名馬」を語る 日本で一番速い君へ。光すらも置き去りにしたカルストンライトオ 2023年10月2日 サラブレッドは、生き物の極致の如きスピードで私たちの目の前を駆け抜ける。 愛らしい瞳を持ち、時に無防備な、時に哲学的とも思える振る舞いを見せる彼ら彼女らが、命を燃やし、闘志をむき出しにしてスピードを競う姿は、私の心を捉えて離さない。 レースを俯瞰するだけならテレビ画面が一番わかりやすい。それでも私が競馬場に足を運ぶのは... norauma
「名勝負」を語る 「ヤマト」と「照男」の大金星!/2000年スプリンターズステークス 2023年10月1日 『照男』とは 関東の現役ジョッキーの中で、「江田照男」は特別な存在である。 1990年秋、雨中の天皇賞(秋)でメジロマックイーンの降着で繰り上がり優勝したプレクラスニー。鞍上は当時19歳だった江田照男騎手、彼の存在をしっかり記憶に留めたのはこの時だった。 武豊とメジロマックイーンの独壇場となった天皇賞。その遥か後方の2... 夏目 伊知郎
それぞれの競馬愛 "拝啓、オルフェーヴルさま" - 競馬ライター・勝木淳からの手紙 2023年9月24日 拝啓、オルフェーヴルさま 先日、あなたがかつてのパートナー池添謙一騎手と再会する動画を目にしました。現役時代、17回も背中に乗せた池添騎手に前蹴りに行こうとしていましたね。今年で15歳だというのに、いたずらっ気の強いやんちゃなところはまだまだ収まっていませんか? いくつになっても自分らしくあり続けるあなたが少し羨ましく... 勝木 淳
「名馬」を語る グランシルク~中山マイルの神話~ 2023年9月10日 ひざに置いた フォトグラフあなたの街は出会いの喜びと 涙をくれた──VOICE「24時間の神話」より引用 ちょうど30年前。列島の端北海道のさらに端で、多感で内気な青春を過ごしていたティーンエイジャーの私の一風変わった琴線に触れた曲の1つが、北海道出身のデュオ「VOICE」が歌い上げる「24時間の神話」だった。 歌詞に... 枝林 応一
「名馬」を語る 泥中を駆けた少女。ステイゴールドの血を感じさせたレッドリヴェール 2023年9月10日 小柄でパワー型で粘り強いといえば、ステイゴールド産駒の特徴の一つであろうか。三冠馬のオルフェーヴルや破天荒で予測不能なゆえにファンが多かったゴールドシップ、障害の絶対王者と称されるオジュウチョウサンなど、個性的で強い産駒たちも父同様に愛されている。今回はそんなステイゴールド産駒の一頭・レッドリヴェールについて語ろうと思... シラユキ