「名勝負」を語る [有馬記念]いくつもの「夢」が叶った日 - 1993年有馬記念・トウカイテイオー 2021年12月26日 「野球は筋書きの無いドラマ」という言葉は、使い古されている表現かもしれない。しかしこれは、野球だけに当てはまる言葉ではないだろう。私が愛して止まない競馬の世界でも、目にすることがある。その出来事を安易に『奇跡』『ミラクル』なんて言葉で片付けてしまうのは、何だかちょっと口惜しい気もする。 予想もしない出来事が目の前で起こ... 並木 ポラオ
「名馬」を語る [有馬記念]思い出の2007年有馬記念。異能の馬マツリダゴッホが見せた、乾坤一擲のレース運び。 2021年12月25日 競馬ファンの中では、しばしばちょっとした〝論争〟のようになるネタがある。代表的なひとつに〝ダービー派〟vs〝有馬記念派〟が挙げられる。〝論争〟というと難しく考えがちだが、要はどちらのレースを好むのか、いや愛するか、といったような話だ。 自分がどちら派であるか、という話はさておくとして、ダービーが「一生に一度の大舞台での... 和田章郎
「名馬」を語る [中山大障害]3歳で"天下"統一。障害キャリア3戦でJ・G1を勝った天才ジャンパー、テイエムドラゴン。 2021年12月25日 「今年の3歳馬は強い」 こういった声は数年置きによく耳にするセリフだ。特に近年は降級制度が廃止されたことで、勢いのある3歳馬が昇級初戦から好走をすることが多い。世代間のレベルをいかに早く見極めるかを楽しみにしているファンもいることだろう。 2005年の秋競馬は、ディープインパクトが注目を集めていた。日本競馬史上2頭目と... 並木 ポラオ
それぞれの競馬愛 [対談]石神騎手に京友禅の競馬グッズを贈呈。中山大障害への自信はいかに!? 2021年12月24日 明治30年の創業以来、たくさんの方に着物のある人生を提供してきた老舗の呉服屋「いわきや」から、新たな競馬グッズ『名馬全史京友禅』が発売。その発起人でもある専務取締役・我妻専務取締役は大のオジュウチョウサン好きとしても知られている。今回はそんな我妻さんと、オジュウチョウサンの主戦騎手・石神騎手の対談をお届けする。 「こん... 緒方きしん
「名勝負」を語る [有馬記念]中山の野に陽炎を断つ覇王、テイエムオペラオー - 2000年有馬記念 2021年12月22日 私は人混みが苦手だ。 四半世紀前、進学のため東京に出てきた私は、何も知らずに大学から「電車で20分」の街にアパートを借りた。 1限目の授業に出席するために電車に乗ると、私が幼少期を過ごした田舎町の総人口を凌駕する乗客を一編成にのみ込んだその電車は、大学の最寄り駅に着くのにその倍近くの時間を要した。東京の通勤ラッシュの過... 枝林 応一
「名勝負」を語る [有馬記念]その走り、かくも偉大なり。 - 2013年有馬記念・オルフェーヴル 2021年12月21日 オルフェーヴルの走りを想うとき、吉川英治の描く「宮本武蔵」が想起される。 ふと。おのれッと思う。満身の毛穴が、心をよそに、敵へ対して、針のようにそそけ立って歇(や)まない。筋、肉、爪、髪の毛——およそ生命に附随しているものは、睫毛(まつげ)ひとすじまでが、みな挙(あ)げて、敵へ対し、敵へかかろうとし、そして自己の声明を... 大嵜 直人
「名勝負」を語る [有馬記念]人生の道しるべ、有馬記念。ディープインパクトが負けた日、そして、飛び立った日──。 2021年12月20日 有馬記念は人生の道しるべだ。 その年最後の祭典・有馬記念がやってくると、私は自然とこの一年に思いを馳せる。だから、有馬記念を振り返ると、その年が自分にとってどんな年だったのか、そんな自分史も同時に甦る。 どこでどんな心境でその有馬記念を観戦したのか……。必ずしも明るい気分だけではない。大きな挫折を味わった年の有馬記念は... 勝木 淳
「名馬」を語る [阪神JF]夏の小倉で出会った原石、アインブライド。 2021年12月11日 1997年11月30日。 第49回阪神3歳牝馬ステークス、現在の阪神ジュベナイルフィリーズは大混戦を極めた。最後の直線、人気各馬がもがきあう中、内ラチ沿いから1頭、白い帽子が突き抜けてきた。 1枠の白帽子。逃げた1番エイシンシンシアナではない。夏の小倉で見たゼッケン番号2番、アインブライドだ! 思わず家でテーブルを叩き... 日刊こうマロネ
「名勝負」を語る 2013年阪神JF・レッドリヴェール - 大激戦で掴み取った勲章 2021年12月10日 2013年の2歳女王決定戦、阪神ジュヴェナイルフィリーズは重賞勝ち馬5頭が揃う史上空前のハイレベルなものとなった。 レースの中心は、3頭。……いや、レース前は2頭だったかもしれない。 一等星の血を引く母と英雄の仔にして、その閃光のごとき末脚で新潟の直線を独り占めにしたハープスター。その果敢なる先行力で小倉を席巻し、京都... 枝林 応一
インタビュー [インタビュー]血統のスペシャリスト・栗山求氏に直撃! 好きな種牡馬や理想の種牡馬、輸入して欲しい海外種牡馬とは? 2021年12月4日 「現役の頃からファンだった」「産駒の馬券を買ったら万馬券が的中した」などなど……好きな種牡馬や"推し"種牡馬をもつ競馬ファンは、決して少なくないだろう。 では、いわゆるその道のプロ──血統のスペシャリストにとっての好きな種牡馬は、果たしてどの馬なのだろうか。今回は、日本を代表する血統評論家の栗山求氏にインタビューを敢行... 齋藤 翔人