[POG2022-2023]期待の九州産2歳馬たち

今年もこちらに寄稿させていただくことになりました、小田切ワオです。よろしくお願いいたします。
2019年産(現3歳)を振り返ると、ひまわり賞を制したのはブリーズアップセール出身ヒノクニでした。
ヨカヨカを輩出して勢いにのる宮崎育成牧場。JRA育成馬には今年も期待できるのではないでしょうか。

一方、ダートたんぽぽ賞を制したのは夏の小倉芝で2戦大敗した後に佐賀競馬に移籍していたタケノサイコウ。
佐賀では重賞含む9連勝の快進撃。芝が合わなくてもダートで開花する例があります。
タケノサイコウのような馬を探し出すのもPOGの醍醐味だと思います。

今回もJRA育成馬やセール、血統での注目馬のほか新規牧場生産馬など個人的に注目したい2歳馬を
何頭か紹介させていただきたいと思います。今年の2歳世代はダート血統が多い印象です。

JRA育成馬

九州1歳市場や北海道のセールに上場された九州産馬をJRAが購買、宮崎育成牧場で育成された馬たちです。
大抵の場合は中央競馬の馬主さんが所有することが多いようです(例外もあります)。
ヨカヨカ、ミッキーコマンド、エリーバラード、コチョウジュニア、ヒノクニなどが活躍しています。

オバケノキンタ

父マクフィ 母レテラノイロハ(母父ゼンノロブロイ)

熊本県・本田土寿牧場の生産。九州1歳市場の史上最高落札額となる税込み660万円で落札されました。
母はJRAマイルで2勝。半兄ミミグッドは小倉芝1,200mで勝利。
母の半妹ヴァンフレーシュと仔のアルムブラストがカンナSを母仔制覇しており短距離適性の高い血統です。
父の影響からダートの可能性もあります。

オランジェットの2020

父タリスマニック 母オランジェット(母父ハービンジャー)

熊本県・ストームファームコーポレーションの生産。
九州1歳市場ではなく北海道サマーセールでJRAが九州産馬を購買した珍しい例です(税込528万円)。
半姉シュンメキラリが小倉芝1,200mで勝利。父はダーレーの新種牡馬です。
祖母がオレンジピールなのでブラックコンドルは伯父、ラピッドオレンジは伯母にあたります。

血統での注目馬

グレースホーム

父ケイムホーム 母グレースランド(母父トニービン)

熊本県・片山建治牧場の生産。グレースランドは4年前に繁殖馬セールを経て九州に来ました。
ドリームパスポート、ラウンドワールド、フロンティア兄弟の半妹にあたります。
引退して繁殖に上がることも大事な役目になると思います。

タケノエイコウ

父ロードバリオス 母タケノペガサス(母父サウスヴィグラス)

熊本県・竹原孝昭牧場の生産。
佐賀所属馬として21年ぶりにたんぽぽ賞を制したタケノサイコウの全弟。母は佐賀と大井で9勝をあげています。

兄同様に中央デビューの予定で、主な舞台はダートになるでしょう。

ロイヤルシフォンの2020 

父ロードバリオス 母ロイヤルシフォン(母父ダイワメジャー)

熊本県・竹原孝昭牧場の生産。
半兄トップロイヤルは金沢で24戦13勝(3月現在)、重賞で何度も好走を繰り返しています。
父がロードバリオスに替わって、こちらもダートで真価を発揮しそうです。

ウォークオンエア

父アポロキングダム 母スウィープイン(母父Sky Mesa)

鹿児島県・上村利幸牧場の生産。
半姉ショウゲッコウはJRAダートで2勝。他の兄姉はいずれも地方ダートで好走。

父アポロキングダムの産駒は芝より砂向きで、同馬もタイプはその傾向を受け継いでいるでしょう。
ホッカイドウ・村上正和厩舎に入厩。

カシノロマネ

父ケイムホーム 母トシザキミ(母父ジャイアントレッカー)

鹿児島県・上村利幸牧場の生産。初仔になります。
母はJRAで4勝。北九州短距離S3着などの実績があります。小倉芝の適性が高そうです。

ゴーツウキリシマ 

父ナムラタイタン 母エイシンドナウ(母父グラスワンダー)

鹿児島県・釘田義美牧場の生産。
全兄ブンブンマルは昨年名古屋の3歳重賞を3勝、全姉タキチャンゴーは浦和で3戦2勝。
半兄コウシは船橋で新馬勝ちと地方で活躍中です。同馬もダートで楽しみな存在と言えます。

テイエムジンキュウ 

父テイエムジンソク 母テイエムリヴィエラ(母父テイエムオペラオー)

鹿児島県・テイエム牧場の生産。父、母、母父、母母がテイエム冠のテイエム血統。
父は新種牡馬で、現役時代はダートで実績を残しました。母もJRAダートで2勝。
いかにもダートで走ってくれそうな血統です。

テイエムユメキュウ

ベーカバド 母ユメノタイト(母父ブラックタイド)

鹿児島県・テイエム牧場の生産。
母母テイエムユメノコは父テイエムオペラオー母テイエムオーシャンという"テイエム家"夢の配合。
この牝系からいつか大物が出て来てくれると信じています。

カシノジャッカル

父ケイムホーム 母ユメサカス(母父イシノナイト)

鹿児島県・徳重正幸牧場の生産。母はイシノナイト産駒として唯一、繁殖に上がった牝馬です。
イシノナイトは祖母ハギノトップレディ、近親にダイイチルビーがいる「華麗なる一族」で、
サンデーサイレンス直仔ということもあって九州で種牡馬入りしていました。

その他の注目馬

イチザブレーヴ(イチザプラチナの2020)/イチザラブオー(イチザラブの2020)

熊本県天草にある奈良崎孝一郎牧場生産の2頭。

昨年はじめての生産馬だったイチザウイナーがいきなりJRAで初勝利をあげて話題になりました。
母親はどちらも奈良崎オーナーの所有馬。イチザラブオーはイチザウイナーの半弟にあたります。

母親らは北海道に移動したようで2021年に奈良崎牧場で産まれた馬は確認できていません。
今年度以降に生産を再開されるのかどうか気になるところです。

ネオシエル

父ケイムホーム 母サイタ 母父(ネオユニヴァース)

宮崎県・吉野政敏牧場の生産。母は門別で2勝。半姉モハー、半兄エナキョウはJRAで勝ち上がり。
吉野牧場は最近『ウマ娘』の新キャラクターとして登場したツルマルツヨシが現在余生を過ごしている牧場。
Youtubeでなんでも食べる馬の動画で有名な「あかつき君」もこちらにいます。

カシノサヴィ

父ホッコータルマエ 母サトノコンドル(母父アグネスタキオン)

鹿児島県・福田米造牧場の生産。
福田さんは佐賀競馬で馬主として所有馬を走らせていらっしゃいますが生産はこれが初めて。
サマーセールに上場され台付価格200万円から伸びて418万円で柏木務氏により落札されています。

ベルボールドナイン

父マクフィ 母デンコウブルー(母父キングカメハメハ)

熊本県・本田土寿牧場の生産。
母の半兄セイウンニムカウ。半姉エリーバラードは2019年たんぽぽ賞勝ち。
北海道セレクションセールに選出されて825万円で落札されました。

サツマハヤト

父ケイムホーム 母ハンマークラビア(母父ゼンノロブロイ)

鹿児島県・釘田義美牧場の生産。九州1歳市場にてYGGオーナーズクラブが231万円で落札。
一口価格6,600円というお得な値段で募集され満口に(募集口数500口、総額税込み330万円)。
地方競馬オーナーズとして九州産馬限定戦の多い佐賀競馬に入厩している点にも注目です。


今回は、調教などよりも、気になる血統を中心に選ばせていただきました。
新しい情報が入り次第「2歳馬一覧」に反映させていくつもりですのでよろしくお願いします。

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