「名馬」を語る 「なぜ、オレだけが」。遅咲きの初年度産駒。2014年マイルCS覇者、ダノンシャーク 2023年11月17日 ディープインパクト。 自身が競走馬としてデビューした2004年から産駒最終世代オーギュストロダンの活躍まで、その名を競馬メディアで目にしない機会はない。正真正銘のスーパーホース、英雄は死してなお、その名を歴史に刻み続ける。 そこで問題をひとつ。 ディープインパクト産駒は2023年11月12日現在、JRAのGⅠを72勝し... 勝木 淳
「名馬」を語る 「大井の外回りには夢がある」 - 2007年JBCスプリント・フジノウェーブ 2023年11月2日 京浜運河の向こうを走るモノレール 「アツシ、大井の1200は面白れぇぞ」 築地市場に勤めていた時分のこと。小さいころからよく知る兄貴分に大井に誘われた。もちろん、大井にはそれ以前から何度も足を運んでいたが、築地で働くようになると、地方競馬を勧められる回数が増えた。早朝から働き、土曜日も仕事がある築地では、地方競馬を愛す... 勝木 淳
「名馬」を語る ブラックタイドとサクラバクシンオーの謎。2015年キタサンブラックの菊花賞 2023年10月20日 アニメのなかで、キタサンブラックがサクラバクシンオーにスプリント界へ誘われるという描写があった。当時の記憶を呼び覚ます絶妙な描き方に、ほんの少し苦みを感じたのは私だけだろうか。 ブラックタイドの価値 キタサンブラックの現役時代、その前半期は母の父サクラバクシンオーがついて回った。かくいう私自身、これにこだわり、痛い目に... 勝木 淳
競馬と「エンタメ」 レディバグ号と「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」の不思議な関係 盛岡編 2023年10月14日 3連休の最終日、10月9日盛岡競馬場最終レースは第36回マイルチャンピオンシップ南部杯。秋の日はつるべ落とし。発走時刻18時15分、競馬場の空は黒く、薄暮というよりナイターに近い。日中の太陽に照らされて輝くサラブレッドはアスリートらしい健康的な眩さに満ちているが、闇夜のなか、カクテル光線が映し出す馬体はどこか神秘的で、... 勝木 淳
「名勝負」を語る ウオッカに勝つ。追撃のスーパーホーネット - 2008年・毎日王冠 2023年10月7日 毎日王冠というレースは、府中の杜に秋を運んでくる。 新緑の府中が放つエネルギーは瑞々しく、府中駅から大國魂神社を通り、競馬場へ向かう道は、世界は前方にしか存在しないと錯覚させる。しかし、同じ緑のいちょう並木であっても、秋は違う。ひと夏を越えた緑は心なしか沈み、次の黄色へ移ろうかと悩みはじめているようだ。色づく道は、世界... 勝木 淳
それぞれの競馬愛 "拝啓、オルフェーヴルさま" - 競馬ライター・勝木淳からの手紙 2023年9月24日 拝啓、オルフェーヴルさま 先日、あなたがかつてのパートナー池添謙一騎手と再会する動画を目にしました。現役時代、17回も背中に乗せた池添騎手に前蹴りに行こうとしていましたね。今年で15歳だというのに、いたずらっ気の強いやんちゃなところはまだまだ収まっていませんか? いくつになっても自分らしくあり続けるあなたが少し羨ましく... 勝木 淳
「名馬」を語る 海を渡ったソニンクの血。ディアドラの紫苑ステークス 2023年9月8日 21世紀の在来牝系 2023年は競馬法制定から100年目にあたる。日本の洋式競馬のはじまりはもっと早く、江戸時代末期、薩摩藩士がイギリス人を殺傷した生麦事件の賠償の一環として、幕府は横浜の根岸にある高台に西洋式競馬場を建設した。これがのちの横浜競馬場だ。日本初の洋式競馬主催団体は大隈重信らが発起人となった日本レース倶楽... 勝木 淳
競馬と「エンタメ」 レディバグ号と「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」の不思議な関係 2023年8月30日 2023年7月5日。川崎競馬場で行われたスパーキングレディーCは5歳牝馬レディバグが2番手から抜け出し、南関東代表スピーディキックの猛追をしのぎ、重賞初制覇を達成した。レースが終わった約20分後、X(旧ツイッター)にこんな投稿がされ、競馬ファンをざわつかせた。 https://twitter.com/miraculou... 勝木 淳
「名勝負」を語る あの長い直線に挑んだ勇者たち。マイネルレコルトの新潟2歳S 2023年8月25日 馬の気持ちがくみとれるわけではないが、勝手に想像してみたりすることはある。ようは妄想に近い。パドックに出てイレ込むのは大勢の人間に囲まれてしまい、緊張して舞い上がっているのではないか。レースが始まる直前、ゲート裏で尿をたすのは、プレッシャーからの一種の逃避だったり、出すものは出して、すっきりした気分で本番に向かおうとい... 勝木 淳
「名勝負」を語る 美しく青きドナウの涙。妹の先を進むドナウブルーの関屋記念 2023年8月13日 ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの定番曲でもあるヨハン・シュトラウス二世作曲「美しく青きドナウ」はワルツの名曲として知られている。この曲の誕生には、ハプスブルク家が統治するオーストリア帝国がプロイセンとの戦争に敗北したという背景がある。当時、意気消沈していた国民を鼓舞する曲を作るよう、シュトラウス二世は依頼を受け... 勝木 淳