「名勝負」を語る 絶対王者に食らいつく、ハナ差のマッチレース。スマートファルコンvsワンダーアキュートが火花を散らした2011年東京大賞典を振り返る。 2022年12月29日 2011年は、競馬の世界においても、記憶に残る出来事が多かったように思う。 3月のドバイワールドカップでは日本代表のヴィクトワールピサとトランセンドがワンツーを決め、そして秋にはオルフェーヴルが史上7頭目となるクラシック三冠を達成し、日本中に勇気と感動を与えてくれたこの年。 年内最後のG1レースとなる東京大賞典において... ばん
「名勝負」を語る その走りに、微笑みを。 - 2020年ターコイズステークス・スマイルカナ 2022年12月18日 2020年12月19日、中山競馬場、GⅢターコイズステークス。振り返ってみると、それは一つの「最後」となったレースになった。 誰もが足早になる、師走の暮れ。感染症禍で社会が激変した年であったが、年の暮れはいつもの年と同じようにやってくる。 師走の中山を舞台に争われる牝馬のマイル重賞に、16頭の牝馬が揃った。 1コーナー... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 「最後」の舞台、授けられた翼 - 2007年中日新聞杯・サンライズマックス 2022年12月11日 冬が、来た。キン、と冷えた外気が、頬を刺す。首を竦める。用事を済ませてまっすぐ帰宅の途に就く。帰ったら息子とのプロレスごっこが待っている──。 2022年の冬も、雪の出脚が遅い。 昨冬も初雪は遅かったが、その分をじっくりため込んだ32秒台の末脚を爆発させたが如きドカ雪が幾度も襲い、街は止まった。そして中山の大生垣が如き... 枝林 応一
「名勝負」を語る [ステイヤーズS]親子2代で横綱相撲。メジロブライト産駒マキハタサイボーグの2007年ステイヤーズSを振り返る。 2022年12月4日 1997年、この年はある1頭の馬が人気の中心になりクラシック戦線を沸かせていた。 皐月賞と日本ダービーでは1番人気、菊花賞では2番人気に支持され、人気の中心としてこの年の競馬を盛り上げてくれた存在──。 そう、四半世紀以上競馬を見ているオールドファンには懐かしい存在であろう、メジロブライトである。 3歳クラシック戦線で... ばん
「名勝負」を語る ラストランは、雨の記憶とともに。 - 2009年マイルチャンピオンシップ・カンパニー 2022年11月20日 雨の日の記憶は、どこか輪郭がぼやけている。 晴れの日とは、違う風景が見られるからだろうか。 晴れた日には見えるものが、雨に濡れて見えなくなったりするし、晴れた日には見えないものが、雨に流されて見えたりもする。 競馬観戦に限らず、誰しも出かけるときは晴れていてほしいと願う。けれど、人の意思とは関係なく、時に雨は降る。 晴... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 辛苦の先に見た光…。サダムパテックと武豊騎手が掴み取った、2012年マイルCSでの白星。 2022年11月14日 2022年9月。海を渡り韓国で種牡馬生活を送っていたサダムパテックの訃報が、静かにSNS上を駆け巡った。瞬間、西日を背に淀の直線を駆け抜けた水色メンコと競馬場を包み込んだ暖かい拍手が脳裏に蘇り、私は一抹の寂しさを覚えた。 秋も深まりG1シーズンも佳境を迎える11月3週目。東では2歳の登竜門・東京スポーツ杯2歳ステークス... norauma
「名勝負」を語る "世界"を知った秋…。日本の競馬ファンを驚愕させた、スノーフェアリーのエリザベス女王杯を振り返る。 2022年11月12日 1981年、「世界に通用する馬づくり」を掲げて国際招待競走・ジャパンカップが創設されて以降、海外から多くの競走馬が来日した。創設年には、米国で一線級とは決して言い難いメアジードーツの前にモンテプリンスやホウヨウボーイが敗れ去り、1983年には天皇賞馬キョウエイプロミスが自らの競走生命と引き換えに初めての連対。翌年、カツ... norauma
「名勝負」を語る 必殺技の奥に隠された「秘技」に惑う。インカンテーションのみやこSを振り返る。 2022年11月4日 ダートを主戦場に活躍する馬は実に息長く活躍し、その場所を選ばない。JRAだけではなく、NARのダートグレードでも走る。日本全国を出走するために飛び回り、稼ぐ。いわば、さすらいの賞金稼ぎ。ちょっとやそっとではできない生き方は羨ましくも感じる。 まるで巡業するプロレスラーだ。ただ、最近のプロレスはネットのライブ配信があり、... 勝木 淳
「名勝負」を語る pick きみがいない未来と、パンサラッサのこと - 2022年・天皇賞(秋) 2022年11月2日 2022年の天皇賞・秋、パンサラッサは見事な大逃げを打った。ハイペースを刻んで1000メートル通過は57秒4。ずっと先頭を守って、守って、最後は差された。あふれんばかりの生命力をもって、元気よく走り切った。 私は「パンサラッサ本命なら、残り100メートルまでは絶対に楽しめるからね、アハハ」という職場のおやじを思い出して... 手塚 瞳
「名勝負」を語る メジロマックイーンの1着降着/1991年天皇賞(秋) 2022年10月30日 あなたの好きな馬は? 思い出のレースは? 初対面の競馬好きの人とのコミュニケーションワードは3つある。これを行使すれば、大抵の人とスムーズに話せるようになると思っている。それが、下記の3つである。 競馬を好きになったきっかけのレース、または馬は?一番好きな馬、思い出の馬は?思い出のレースとそれにまつわるエピソードは?... 夏目 伊知郎