私は、大きなタイトルに手が届かなくても、一生懸命に走る馬が大好きです。ましてそれが差し馬なら、なおのこと。厳しい流れの中懸命に脚を伸ばす馬は、ついつい応援してしまいます。 2017年、秋の府中。準オープンの奥多摩ステークス。何気なくパドックを見ていた時、ある馬に目が行きました。栗毛の馬体はピカピカに輝き、たてがみや尻尾...
「名馬」を語るの記事一覧
例えば、あなたが応援しているアイドルの卵が、全国区のスターへと上り詰めていく過程を見守ることができたとしたら──。 それって、とても幸せなことだと思いませんでしょうか? まだ世に広く知られていない頃からその才能に惚れ込み、やがてそれが確かなものだったと証明されていく……そんなステキな物語を私に届けてくれたのが、スティル...
マリーンCの時期になると思い出すのが、"姐さん"として愛されたダートの名牝・メイショウバトラーの存在です。 メイショウバトラーは、父がメイショウホムラ、母がメイショウハゴロモという血統。さらに両親の母も、どちらも"メイショウ"で、いわばメイショウ血統です。 父の父ブレイヴェストローマンは馬場不問で重賞産駒を輩出した名種...
皆さんはマイルを得意とする競走馬たちのなかで、どの馬が1番好きだろうか? ニホンピロウイナー、ヤマニンゼファー、エアジハード、ダイワメジャー、ショウワモダン、インディチャンプ、グランアレグリア……当然、様々な名マイラーが挙げられるだろう。 私は今も昔も、そしてきっとこれからも、最も好きな"マイラー"は、モーリスである。...
人生には、大きな転機となる出会いがある。池江泰寿調教師と池添謙一騎手にとって、ドリームジャーニーとの出会いがまさにそれだったのではないだろうか。 池江泰寿調教師。1993年に浅見国一厩舎のもとで1年間修業をしたあと父の池江泰郎厩舎に移籍。ここで後にドリームジャーニーの父となるステイゴールドに調教助手として関わっている。...
「あれ、北村? 初GⅠ?」 私の心の声をなぞるように、隣にいたオッチャンが中山の大画面を茫然と見つめながらぼやくので、相槌を打ちたくなった。2019年の大阪杯のことだ。 「ですって、意外ですねえ」「そうかあ、北村、ついにやったかあ。よかったなあ。あれ、でもアルアインて、前は松山を勝たせたよなあ。おれもアルアインに乗せて...
GI、GII、GIII……これらは、そのレースに過去の出走馬、上位馬の格に応じて定められる。GIがGIであり続けるには、それ相応のメンバーが毎年出走する必要があり、場合によっては格下げされる可能性もある。 まだ競馬歴の浅いファンには驚きかもしれないが、春の中距離GI・大阪杯は長らく「産経大阪杯」と呼ばれるGII競走であ...
私がまだ幼い頃、はじめて自分から競馬メディアを探して見た動画は、サイレンススズカの特集動画だった。新馬戦の勝ちっぷり、弥生賞でのゲートくぐり、プリンシパルSの勝利で駒を進めたダービーでの敗戦を経て見た、神戸新聞杯。 直線で大きく突き放し、セーフティリードを広げる彼に魅了され始めていた私は「ああ、かっこいいなあスズカ」と...
それは、突如としてやってきた──。 昭和の終わりから平成にかけて吹き荒れた、芦毛ブームである。そのきっかけとなったのは、昭和62年の秋から翌年にかけて連勝街道を驀進した、二頭の芦毛のサラブレッドだった。 一頭目はタマモクロス。 ダートでくすぶっていた馬が、芝に再転向すると突如の快進撃をみせ、現・1勝クラスからの6連勝で...
「ぼくは、帰ってきました」その一言に、涙が出たのを今でも思い出す。 衝撃が走った日 「……最大震度は7……特に東北地方の被害は甚大であり……付近の方々は津波の恐れがありますので厳重に注意して下さい……」 あの日、我々から「日常」を奪っていった最悪の日。2011年3月11日、東日本大震災。全国に多大な被害を負わせ、死者、...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
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