「名馬」を語る グランシルク~中山マイルの神話~ 2023年9月10日 ひざに置いた フォトグラフあなたの街は出会いの喜びと 涙をくれた──VOICE「24時間の神話」より引用 ちょうど30年前。列島の端北海道のさらに端で、多感で内気な青春を過ごしていたティーンエイジャーの私の一風変わった琴線に触れた曲の1つが、北海道出身のデュオ「VOICE」が歌い上げる「24時間の神話」だった。 歌詞に... 枝林 応一
「名馬」を語る 泥中を駆けた少女。ステイゴールドの血を感じさせたレッドリヴェール 2023年9月10日 小柄でパワー型で粘り強いといえば、ステイゴールド産駒の特徴の一つであろうか。三冠馬のオルフェーヴルや破天荒で予測不能なゆえにファンが多かったゴールドシップ、障害の絶対王者と称されるオジュウチョウサンなど、個性的で強い産駒たちも父同様に愛されている。今回はそんなステイゴールド産駒の一頭・レッドリヴェールについて語ろうと思... シラユキ
「名馬」を語る "シュウジ"と"修司" - 幸運の誘惑 2023年9月9日 1.寺山修司との出逢い 「言葉の錬金術師」と評された文筆家・寺山修司のことを、私が競馬評論家として認識したのはいつだっただろうか。はっきりとは覚えていないのだが、そのきっかけとなった言葉は覚えている。 レースはただ、馬の群走にすぎないがその勝敗を決めるナンバーは、思想に匹敵する──寺山修司『ポケットに名言を』(角川書店... 縁記台
「名馬」を語る 海を渡ったソニンクの血。ディアドラの紫苑ステークス 2023年9月8日 21世紀の在来牝系 2023年は競馬法制定から100年目にあたる。日本の洋式競馬のはじまりはもっと早く、江戸時代末期、薩摩藩士がイギリス人を殺傷した生麦事件の賠償の一環として、幕府は横浜の根岸にある高台に西洋式競馬場を建設した。これがのちの横浜競馬場だ。日本初の洋式競馬主催団体は大隈重信らが発起人となった日本レース倶楽... 勝木 淳
「名勝負」を語る 復活を果たした王者スーニ。悔し涙から1年後、2011年のサマーチャンピオン 2023年8月31日 2021年からは晩夏に行われるようになった佐賀の名物重賞・サマーチャンピオン。文字通り「夏の王者」を決める戦いであり、暑さを忘れるような熱戦が毎年繰り広げられる。本稿で取り上げるのは2011年の当レースで復活の勝利を挙げたスーニ。現在も佐賀のレコード一覧に燦然と名が輝いている。 4歳時までの同馬を表す言葉は「天才」だろ... 中川兼人
競馬と「エンタメ」 レディバグ号と「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」の不思議な関係 2023年8月30日 2023年7月5日。川崎競馬場で行われたスパーキングレディーCは5歳牝馬レディバグが2番手から抜け出し、南関東代表スピーディキックの猛追をしのぎ、重賞初制覇を達成した。レースが終わった約20分後、X(旧ツイッター)にこんな投稿がされ、競馬ファンをざわつかせた。 https://twitter.com/miraculou... 勝木 淳
「名勝負」を語る あの長い直線に挑んだ勇者たち。マイネルレコルトの新潟2歳S 2023年8月25日 馬の気持ちがくみとれるわけではないが、勝手に想像してみたりすることはある。ようは妄想に近い。パドックに出てイレ込むのは大勢の人間に囲まれてしまい、緊張して舞い上がっているのではないか。レースが始まる直前、ゲート裏で尿をたすのは、プレッシャーからの一種の逃避だったり、出すものは出して、すっきりした気分で本番に向かおうとい... 勝木 淳
それぞれの競馬愛 "まなぶっち"の復活劇。サンダルフォンと酒井学、愛すべき名コンビ。 2023年8月20日 温和な笑みを携えて颯爽と馬に跨ると、「怖くないかい」「がんばろうね」と語り掛けるように何度も優しく優しく愛撫する。パドックを周回し、本馬場入場を終え、ゲートに向かい、レースを駆け抜け、そして引き上げる…その一連の中で、彼の周りには暖かく穏やかな光が射しているように思える──。 それが、酒井学騎手だ。 彼が競馬場で見せる... norauma
「名勝負」を語る 元祖二刀流・ホクトベガ。勝利の方程式と出会った1994年札幌記念を振り返る 2023年8月20日 競馬界の「二刀流」とは? 世間の「二刀流」といえば、誰もが認める大谷翔平ではないだろうか。では、誰もが認める逸材だが、競馬界の「二刀流」といえば誰だろうか。 競馬の世界では芝とダートのG1を制した馬が、それに該当するのではないか。JRAでのダートのG1レースといえば、フェブラリーステークスとチャンピオンズカップ(201... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 60kgも何のその。2016年クラスターCでダノンレジェンドが見せた衝撃。 2023年8月15日 岩手競馬、お盆の名物重賞といえばクラスターCだ。東京盃やJBCに繋がるダートグレード競走。毎年、地方や中央の快速馬が一堂に会し、競馬場も大変多くのファンで賑わいを見せる。過去の勝ち馬を見れば、サウスヴィグラス、サマーウインド、ラブミーチャン、マテラスカイ……。ダート競馬を知っているファンならば「おお!」と声が出るような... 中川兼人