オルフェーヴルの走りを想うとき、吉川英治の描く「宮本武蔵」が想起される。 ふと。おのれッと思う。満身の毛穴が、心をよそに、敵へ対して、針のようにそそけ立って歇(や)まない。筋、肉、爪、髪の毛——およそ生命に附随しているものは、睫毛(まつげ)ひとすじまでが、みな挙(あ)げて、敵へ対し、敵へかかろうとし、そして自己の声明を...
コラム・エッセイ
コラム・エッセイの記事一覧
有馬記念は人生の道しるべだ。 その年最後の祭典・有馬記念がやってくると、私は自然とこの一年に思いを馳せる。だから、有馬記念を振り返ると、その年が自分にとってどんな年だったのか、そんな自分史も同時に甦る。 どこでどんな心境でその有馬記念を観戦したのか……。必ずしも明るい気分だけではない。大きな挫折を味わった年の有馬記念は...
1997年11月30日。 第49回阪神3歳牝馬ステークス、現在の阪神ジュベナイルフィリーズは大混戦を極めた。最後の直線、人気各馬がもがきあう中、内ラチ沿いから1頭、白い帽子が突き抜けてきた。 1枠の白帽子。逃げた1番エイシンシンシアナではない。夏の小倉で見たゼッケン番号2番、アインブライドだ! 思わず家でテーブルを叩き...
2013年の2歳女王決定戦、阪神ジュヴェナイルフィリーズは重賞勝ち馬5頭が揃う史上空前のハイレベルなものとなった。 レースの中心は、3頭。……いや、レース前は2頭だったかもしれない。 一等星の血を引く母と英雄の仔にして、その閃光のごとき末脚で新潟の直線を独り占めにしたハープスター。その果敢なる先行力で小倉を席巻し、京都...
「現役の頃からファンだった」「産駒の馬券を買ったら万馬券が的中した」などなど……好きな種牡馬や"推し"種牡馬をもつ競馬ファンは、決して少なくないだろう。 では、いわゆるその道のプロ──血統のスペシャリストにとっての好きな種牡馬は、果たしてどの馬なのだろうか。今回は、日本を代表する血統評論家の栗山求氏にインタビューを敢行...
ダートでもジャパンカップと並ぶ国際招待レースを作ろうと2000年に創設された「ジャパンカップダート」。創設当初はジャパンカップと同週(場合によっては同日)に東京競馬場で行われていたのだが、2007年に日程が1週繰り下げられ阪神競馬場で行われるようになった。そして2014年には、開催場所が中京競馬場へ。アメリカのダートは...
年の終わりを感じさせる冬。 我々競馬民にとっては有馬記念が見えてくると年の終わりを感じ始め、東京大賞典が始まる頃にはいよいよ差し迫った年の瀬を迎えた気持ちになりつつ、その年のラストは東京2歳優駿牝馬で迎える……という人も多いのではないだろうか。 そんな12月、中央競馬の開幕G1はチャンピオンズCというダート王座決定戦で...
読書が苦手だ。こうして競馬コラムを執筆しているだけでなく、自身のブログを日々更新していたり、あるいは本業でもコピーライティングの世界に身を置く立場でありながら、どうにも他人の文章を読むのが好きになれない。なかでも小説の類は「しょせんは作り話」と冷めた感情が邪魔をしてしまって、素直に楽しめないのだから困ったものだ。我なが...
岩手県の中心地、盛岡。 競馬ファンにとっては、盛岡競馬場がある場所として有名なスポットであるが、それだけではなく「チャグチャグ馬コ」という、馬に色とりどりの鈴や衣装を身に着け街中を行進する伝統行事も執り行われている、いわば「馬どころ」でもある。 そんな盛岡市から車を20分から30分走らせ、隣の滝沢市に向かうと、ひとつの...
大学時代の私は、日本史の勉強をしながら乗馬クラブでアルバイトをして、週末には競馬場への遠征を重ねるという日々を送っていた。授業がない日は基本的に乗馬クラブか競馬場にいるという馬漬けの毎日を過ごしていたから、大学の“華”のひとつであるサークル活動には積極的に参加していなかったのである。ただし、サークルに所属していなかった...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]復活と希望の勝利!北村友一騎手とクロワデュノールがホープフルSを制覇~2024年・ホープフルS~
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[重賞回顧]いざ、新時代へ! 復活を遂げたレガレイラが偉業を達成~2024年・有馬記念~
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[重賞回顧]ニュースター誕生! 見惚れるほどの圧勝劇~2024年・朝日杯フューチュリティステークス~
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[重賞回顧]世界を完封! 主役はやはり日本総大将~2024年・ジャパンカップ~
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[重賞回顧]最速の母”ラッシュ”から魂の”ラッシュ”へ、鞍上が繋ぐ悲願成就!~2024年・マイルCS~
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[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
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[重賞回顧]夕暮れに映えた白き古豪、ハヤヤッコ~2024年・アルゼンチン共和国杯~