「名勝負」を語る 天才による"先手必勝"の神技が光った、2013年札幌記念を振り返る。 2022年8月20日 北海道開催のハイライトと呼ばれるのが、夏のローカル開催唯一のG2競走・札幌記念。夏場にはG1競走が行われないこともあり、数々の実力馬たちがここに集まってくる。最近は、秋の凱旋門賞のステップレースとしてここを使う馬も増えてきた一戦。レース全体のレベルとしてもソダシをはじめ、毎年のようにG1ホースが出走するようになってきた... かんちゃん
「名勝負」を語る 未来を変えた札幌記念 - ヘヴンリーロマンスが歩んだ伝説へ繋がる道 2022年8月19日 数多の競馬シーンを1ページずつ読み解いていくと、どの競走馬にも運命の分かれ道と思える瞬間が見つかる。 勝利で拓ける道もあれば、勝利が回り道の入り口になることもある。敗北で絶たれる道もあれば、敗北が飛躍の契機となることもある。「生まれた時代が早すぎた」と言われた馬が、それ故に大きなチャレンジを成し遂げて名を残すこともある... norauma
「名勝負」を語る 難病を乗り越え蘇った天才の、真夏の輝き。グレーターロンドンの中京記念。 2022年7月24日 2015年のバレンタインデーに、一頭の良血馬がデビューを迎えた。 その名はグレーターロンドン。 父は言わずと知れたディープインパクト、母は卓越したスピードを武器にデビュー3連勝でファンタジーSを制し、桜花賞でも2着に入ったロンドンブリッジ。さらに兄姉にはオークス馬のダイワエルシエーロや重賞2勝のビッグプラネット、甥には... タイガーマスクG
「名勝負」を語る 名手の英断。ゴールまで50mでの逆転。 - 1999年日本ダービー・アドマイヤベガ 2022年5月26日 1999年6月6日、日本ダービー。 やや遅めのダービーデイはスペシャルウィークが勝ち、武豊騎手が悲願のダービージョッキーに就いた前年よりわずか1日だけ早い。96年フサイチコンコルドから続いた6月ダービーは、以後03年ネオユニヴァース、08年ディープスカイ、14年ワンアンドオンリーの3回(2022年現在)。梅雨が近いこの... 勝木 淳
「名勝負」を語る 花散らしの雨で思い出す5分超のドラマ - 2010年中山グランドジャンプ観戦記 2022年4月15日 競馬新聞の馬柱にほとんど必ず載っている情報のひとつに、出走する各馬の「道悪実績」「重・不良の成績」がある。良馬場で競馬が行われる時には特に気にも留めない情報だが、重馬場や不良馬場で開催される際には人気の有無にかかわらず、その欄をチェックする競馬ファンも多いのではないだろうか。 2010年の中山グランドジャンプ。私は、現... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る [阪急杯]最高で最後の勝利の美酒 - 2006年・ブルーショットガン 2022年2月27日 寒さが一層厳しくなる2月末。競馬界ではフェブラリーSを終え、いよいよクラシックトライアルを目前に控え、春の息吹を感じる時期である。そしてそれ同時に、多くの勲章を手にしてきた人たちが競馬界を去る季節でもある。 時に劇的に、時に静かに──これまで競馬に携わってきた競馬人が、現役生活に別れを告げる。 時は2006年、2月26... 小早川 涼風
「名勝負」を語る 放たれた矢は終わりから始まりへ - 2000年フェブラリーステークス 2022年2月20日 冬場の地味なダート戦だったフェブラリーステークスもG1に昇格して4年目を迎えていた。 まるで田んぼのような泥んこ馬場で行われた記念すべき第1回(1997年)の王者は、岡部幸雄騎手と「嚙みつき馬」シンコウウインディだった。このレースの売上げは203億を超え前年比345%と驚異的な数字を残し、この日の東京競馬場の入場者数は... 林田麟(りんだりん)
「名勝負」を語る 1984年フェブラリーハンデキャップ ロバリアアモンvsアスコットエイトの思い出 2022年2月20日 競馬史のターニングポイントになった年、と聞いて、ここ数年間ですぐにイメージできる年はいつになるでしょうか? いろんな意見があるかと思いますが、わかりやすく決定的かな、と思えるのは、やはり日本がパートⅠ国に昇格した2007年が妥当なのかもしれません。それまでの日本のサラブレッドの、〝集大成〟みたいな活躍を見せたディープイ... 和田章郎
「名勝負」を語る [フェブラリーS]Pride of Iwate〜『水沢の』メイセイオペラが『日本の』メイセイオペラになった日〜 2022年2月18日 1999年1月31日。私は朝から東京競馬場を目指していた。その日のメインレース、フェブラリーステークスを観戦するためだったが、妙な違和感が拭えなかった。なぜなら、暦はまだ1月だというのに、メインは2月を冠するレース名だったからだ。「名は体を表していない。4月3週に開催される牡馬三冠レースの最初も『卯月賞』にするべきだな... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る [東京新聞杯]夢を繋いだかのように感じられた逸材。府中で末脚が光った一戦を振り返る。 - 2007年・スズカフェニックス 2022年2月3日 1998年11月1日、音速の逃亡者は府中の大欅の向こうで、まだ行ってはいけないもう一つのゴールを駆け抜けてしまった。栗毛の美しい馬だった。どんな馬が出てきても、そのスピードに追い付ける者など存在しないかのような強烈な走りだった。 多くの人が悲しみに暮れ、彼の残した伝説と、もし無事であったらの「たられば」談義を語るように... 小早川 涼風