「名馬」を語る ウオッカ〜澄んだ青空が紡いだ襷〜 2020年5月16日 2007年5月27日。この日、この時、私はテレビを前にして初めての衝撃を覚えた。 逃げるアサクサキングスを残り200で捉え、豪快に突き抜け世代の頂点に立つ1頭の牝馬。澄んだ青空、鞍上の右手が高々と上がった水色の襷の黄色い勝負服。漆黒の雄大な馬体。彼女が成し遂げたのは「64年ぶりの牝馬によるダービー制覇」という快挙だった... KOBA
「名馬」を語る 華麗に咲き誇れ!師弟で挑んだG1レース~川島信二騎手に託した、1人のファンの思い出〜 2020年5月16日 師匠と弟子。 この響きに、どんなイメージを持つだろうか。 競馬以外の話になってしまうけれど、私が愛して止まないダーツには師匠が居る。師匠と出会う前もダーツはしていたものの、今考えるとムチャクチャでありえないフォームで投げたり、定石を無視した攻め方をしていたように思う。私の仕事はダーツをすることではない。矢でサラリーをも... 並木 ポラオ
「名馬」を語る 明日を夢見た彗星~シングンマイケル~ 2020年5月15日 2019年12月21日、中山大障害。難関・大竹柵や大生垣を飛越していく人馬に歓声が上がる。そしてレース後には、全人馬の無事完走を労う拍手が湧き起こった。その激戦を制し、祝福を一身に浴びる優勝馬はシングンマイケル。鞍上は金子光希騎手であった。「障害競走って、いいな」人馬を前にそんな事を思う、いつもの暖かい光景。障害競走で... 川井 旭
「名馬」を語る アグネスタキオン〜幻の三冠馬と呼ばれた"超光速"の名馬〜 2020年4月18日 その馬は、スピードが違い過ぎた。それだけでなく、強靭なスタミナも兼ね備えてた。 まるで自分のレースタイムがどれほどのものか、理解しているかのような走り方をしていた。後続から来る、今もなお名を残している強力なライバル達を、子供扱いしていた。 ある者は、欲望・羨望を。ある者は、絶望を。そしてある者は、日本競馬史上最強馬とい... ウマフリライター
「名馬」を語る 桜のつぼみの季節に、初めての記念馬券〜ライデンリーダーに託した夢 2020年3月15日 競馬に限らない話かもしれないが、何かを覚え始めたときの記憶というのは意外と残り続けるもので、つい先日も競馬仲間数人が集まった際に 「情報がアップデートされていないねぇ」と笑われたことがあった。 かつては牝馬限定の重賞で使われていた名称に「牝馬特別」というものがある。略して「牝特(ひんとく)」という呼び方をするファンも多... 並木 ポラオ
「名馬」を語る ブロードアピール~砂を切り裂く鬼の末脚~ 2020年2月2日 2000年11月12日、エリザベス女王杯開催日。 私は京都競馬場にいた。20世紀最後の競馬界はテイエムオペラオーが無尽の強さを見せつけ、破竹の連勝を飾っていた。古馬の王道路線をひた走るテイエムオペラオーを尻目に、牝馬戦線は少々盛り上がりにかけていた印象もあるが、それでもGⅠともなれば競馬場は人で溢れていた。 そのエリザ... 例の元上司
「名馬」を語る オールブラッシュ~二冠馬の血を繋ぐその日まで~ 2020年1月28日 2017年2月1日、川崎競馬場。 その日行われた交流GI「川崎記念」は、前年の最優秀ダート馬・サウンドトゥルーに、交流重賞3連勝と勢いに乗るケイティブレイブ、大逃げと後方一気でオープン特別を連勝したミツバによる三つ巴の争いが予想され、中央で開催されるGIフェブラリーステークスの陰に隠れることもあるこのレースにも、中央・... Shin
「名馬」を語る 万能こそ、最大の武器〜落語でふりかえる、種牡馬・シンボリクリスエス〜 2020年1月19日 とあるところで、八兵衛さんと五郎兵衛さんが立ち話。 五「よお、はっつあん、この前はあんたのかかぁには世話になったな。よろしく言っておいてくれよ。ところでよ、POGの指名、なににすんのよ」 八「おお、ごろちゃん、それなんだけどよ、これにしようかと思ってさ」 五「おっ、どれどれ。あーそいつはいけねぇや」 八「なんでだよ」 ... 勝木 淳
「名馬」を語る 「その名はスリーコース」 2020年1月12日 1997年2月1日、京都競馬場。 曇天の寒空だった。その日のメインレース、すばるステークスのファンファーレが高らかに鳴り響く。 このレースを最後に引退する、中央競馬では速いスタートで誰にもハナを譲ったことがない、快速韋駄天で鳴らしたスリーコースもゲートインした。 発走態勢が整った、その直後だった。どうやらゲート内で激し... 日刊こうマロネ
「名馬」を語る 1月のライオン~新春の京都で吼えた、とある栗毛馬との思い出~ 2020年1月11日 ある馬を好きになってずっと追い掛けるということは、競馬が好きな人の多くが一度はやったことがある行為ではないだろうか? そして、特定の馬を好きになるキッカケは、人それぞれだろう。 例えば、馬券で高額な払戻金を手にすることが出来たから。例えば、パドックで自分のことをじっと見つめていたから。例えば、名前がカッコ良いと思ったか... 並木 ポラオ