「名勝負」を語る 美しき、「千歳」の名のごとく。 - 1995年天皇賞・秋 サクラチトセオー 2022年10月30日 北海道を訪れる多くの人が利用する、新千歳空港。その地に降り立ち、空を見上げると、サラブレッドを愛する者にとっては、ある種の情感が呼び起こされる。かの名馬たちも、同じ空を見上げていたのか、と。 かつてその空には、あたりに生息していた、多くの鶴が舞っていた。そのことから、「鶴は千年、亀は万年」の故事にちなみ、この地は「千歳... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 白毛馬ブームの原点、ユキチャンの秋華賞。 2022年10月15日 白毛馬が主役になる時代の到来 2022年の夏は白毛馬たちがローカル競馬を盛り上げた。 札幌記念のソダシ、ハヤヤッコの白毛対決を頂点に、レパードステークス優勝馬ハヤヤッコの芝の重賞・函館記念制覇。ゴールドシップ産駒のアラオキも函館、札幌で3回登場して上位に食い込み、午前中の競馬を賑わせてくれた。 新潟最終週にはハイアムズ... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る [秋華賞]ライバルの3冠を阻止。雪辱を晴らしたG1初勝利。 - 2009年・レッドディザイア 2022年10月14日 ウオッカとダイワスカーレットという2頭のライバル対決の熱も冷めやらぬ中、2009年の3歳牝馬クラシック戦線は幕を開けた。 その中心となっていたのは2頭であった。 古馬になってから天皇賞・秋やジャパンカップを制することになる名牝ブエナビスタ、そしてこちらも古馬になってドバイでG2レースを勝利するレッドディザイアである。 ... ばん
「名勝負」を語る 数センチでも負けない!グラスワンダーに宿る不思議な力に魅せられて……。 - 1999年毎日王冠 2022年10月10日 栗毛の怪物といえばグラスワンダー。1996年キーンランド・セプテンバーセールで尾形充弘調教師の目にとまり、25万ドルで落札。翌年の秋にデビュー、4連勝でGⅠ朝日杯3歳S(現フューチュリティ―ステークス)を制覇。栗毛の怪物というニックネームはその朝日杯でリンドシェーバーのレコードを塗りかえた1.33.6を象徴する。その後... 勝木 淳
「名勝負」を語る [2018年・京都大賞典]大歓声に包まれた復活V~淀のターフで輝きを放ったダイヤモンド~ 2022年10月10日 2018年、京都大賞典。 G2競走とは思えぬほど大きな祝福の歓声が、ゴール直後に響き渡った。 勝者の名は、サトノダイヤモンド。 額にダイヤの形をした流星が光り輝き、その個性的な特徴から名付けられたサトノダイヤモンドは、2015年秋に京都競馬場でデビューを迎えた。 そのデビュー戦はロイカバードとの2億円対決に注目が集まり... タイガーマスクG
「名勝負」を語る 数奇な巡り合わせを感じる、2012年セントライト記念の出走馬たちを振り返る。 2022年9月19日 皆さんはセントライト記念についてどんな印象をお持ちでしょうか? 近年では、ダービー馬が出走する傾向のある神戸新聞杯と比べてやや地味なメンバーとなり、どちらかというと菊花賞を目指す関東馬の最終切符という印象が強いかもしれません。 近年の勝ち馬だと2014年~16年のイスラボニータ、キタサンブラック、ディーマジェスティが有... 屋台の二代目
「名勝負」を語る [セントライト記念]持ち前の勝負根性で菊花賞への切符を奪取 - 2004年・コスモバルク 2022年9月18日 2004年の3歳クラシック路線は、地方競馬からやってきた1頭の馬が競馬ファンの注目を集めていた。彼の名前はコスモバルク。ホッカイドウ競馬所属のまま長きに渡って中央競馬で活躍し、今なお根強い人気を誇る「道営のエース」だ。 コスモバルクはデビュー前から評価の高い馬であった。馬体の作りに無駄がなく、筋肉の質もよく、心肺機能も... ばん
「名勝負」を語る 夢のマッチレース - 1992年・京王杯オータムハンデ/トシグリーン 2022年9月9日 ダービー馬の仔がダービーを制する時代 歴代のリーディングサイアーを暇なときに眺めるのが好きだ。 その年その年の思い出と活躍馬をダブらせていくと、自分だけのyear albumが完成する。パソコンに向かって酒を飲みながらサイアーランキングを見ていると、懐かしい馬たちが昨日の事のように蘇る。 リーディングサイアーというもの... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る そんなステイにまた騙されて - マイネルファンロンの2021年新潟記念 2022年9月4日 オルフェーヴルやゴールドシップのやらかしに、どこか頷いた自分がいた。そして必ずステイゴールドの現役時代に記憶が飛んだ。人気が急落した途端に激走、なかなか勝たないGⅠ、7歳の暮れ、エクラールとの激闘、シャティンの歓喜。ステイゴールドの競走生活はいつも人を欺き、それでも期待を込めて信じ続けた人々を救ってきた。種牡馬になって... 勝木 淳
「名勝負」を語る 白毛一族は芝でも重賞を勝てる - 2020年札幌2歳S・ソダシ 2022年9月3日 流行語大賞に選ばれた「そだねー」という言葉を覚えているだろうか? 2018年平昌五輪女子カーリングで銅メダルに輝いたLS北見の選手がコミュニケーションを取るのに使っていた北海道弁である。標準語に訳すと「そうだね」という意味だ。そのLS北見の支援者である國分純氏が自身の所有馬に「ソダネー」と名付けた。ちなみにソダネーの母... T.Notani