「名勝負」を語る 真冬の府中に突如光臨した"太陽神" - 2019年フェブラリーS 、インティ破竹の7連勝逃げ切り勝ち 2024年2月14日 "太陽神"インティ ──まず、はじめに自己紹介させていただくと、筆者はかなりの寒がりである。真冬の肌着はヒートテック超極暖、ズボンの下にタイツ(もちろんヒートテック)は欠かさず、ホッカイロを背中とお腹に貼り付けないと外出できない。競馬を現地観戦することを生きがいとしている筆者でも、2月の東京開催はほぼ自宅観戦である。し... ムラマシ
「名勝負」を語る [佐賀記念]カシノオウサマ、オペラキッスの幻影を追いかけて 2024年2月12日 オペラキッスが追い込んで2着入線した2004年佐賀記念(勝ち馬クーリンガー)は、佐賀競馬ファンとして最も印象に残っています。この頃はまだ佐賀記念においてはJRA勢と地方勢との差が拮抗していた時代。出走メンバーはJRAから佐賀2.000mを非常に得意とする「ミスター佐賀記念」「白すぎ」クーリンガー、前年に群馬記念を制して... 小田切ワオ
「名勝負」を語る 東京大賞典で見せた鮮烈な4馬身差V。心揺さぶるホッコータルマエの走り 2023年12月29日 ホープフルステークスが行われるようになったものの、年末の大一番といえば有馬記念という競馬ファンが多いだろう。だが、私は10年近く前から東京大賞典と決まっている。まぁ、個人的な話をすれば、大みそかに高知競馬のファイナルレースを買って馬券を外し、もやもやしたままひと眠り。そして、目が覚めたら初詣で馬券的中を願って、名古屋や... 中川兼人
「名勝負」を語る 不沈艦の旅程は永遠に - 2015年有馬記念 ゴールドシップのラストランと引退式 2023年12月24日 有馬記念とゴールドシップ 近代競馬発祥の地はイギリスと言われている。その近代競馬が「洋式競馬」として日本に伝わったのが西暦1860年ごろ。そしてイギリスの競馬を模倣する形で日本国内で開催され、戦乱などの様々な困難を乗り超えて発展を遂げてきたのが、日本近代競馬である。 その歴史の中で、日本独自の大レースとして国民的な支持... ムラマシ
「名勝負」を語る 2015年、ゴールドシップ引退の有馬記念。ウインズでも驚きの地響きが始まった、白き名馬の"捲り"を振り返る 2023年12月23日 直線距離では全国一とも呼ばれる札幌の地下街は、全長1.9㎞にも及ぶ。 北はJR札幌駅の北口のさらに先から、南は歓楽街すすきのまで地下鉄2駅分という、札幌中心部を貫く地下通路。その日の私は足早に、北から南へと向かっていた。 すっかり人通りの戻った地下街を、人波に抗うように先を急ぐ。時計は15時少し前。大通公園の下を抜け、... 枝林 応一
「名勝負」を語る 障害競走で素敵な花を咲かせた歴戦の名馬、ニシノデイジー - 2022年中山大障害 2023年12月22日 1934年に「大障害特別」の名で実施された競走に端を発する、障害馬による暮れの大一番「中山大障害」。私が見た、初めての中山大障害は2017年のもの。アップトゥデイトの全身全霊を賭けた大逃げ策に、オジュウチョウサンが真っ向から食らいつく。まさに死闘とも呼べるこのレースに、大いに魅了された。 その時は、まさかこのレースに"... 鳥野 紗々実
「名勝負」を語る 始発に乗り、開門ダッシュで見た1年間の総決算。私にとって人生最高の有馬記念となった2001年有馬記念を振り返る 2023年12月21日 有馬記念は多数あるG1レースの中でも"特別なレース"である。 馬券の売上高も断トツで1位なのが有馬記念、しかしそれだけではないのが有馬記念だ。 1年を締めくくるG1レースとしての盛り上がり、有馬記念をラストランとする馬たちの見納めなど…。師走の寒空の中で、精いっぱいの声を張り上げて選んだ馬を応援すると、長い1年が終わっ... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 砂の怪物ルヴァンスレーヴ 全日本2歳優駿で見せた衝撃の快走劇 2023年12月13日 いつの時代も盛り上がる「ダート最強馬論争」。ある人はクロフネという。またある人はホクトベガの名前を出すし、カネヒキリやスマートファルコンだと主張する人もいる。人それぞれ意見があるのは承知。だが、私はルヴァンスレーヴを真っ先に挙げたい。ダートGI級を4勝。勝ち星だけ見れば突出したものではないが、レース内容、凄み、迫力は数... 中川兼人
「名勝負」を語る 「ヒシアマゾン女傑ストーリー」の原点、1993年阪神3歳牝馬ステークス 2023年12月10日 【女傑】 しっかりした気性とすぐれた知恵を持ち、実行力に富んだ女性──出典:コトバンク 「女傑」というフレーズを耳にすると、平成の初め頃に活躍していた一頭の牝馬を思い出す。 その名をヒシアマゾンという、黒鹿毛のがっちりとした牝馬である。外国産馬ゆえに、4歳(現3歳)の春のクラッシック戦線には出走できず、秋のエリザベス女... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 歩み続けるということ。ニホンピロアワーズと酒井学騎手が掴み取った待望の"1勝" 2023年12月2日 お金は無くとも時間はたくさんあった学生時代。馬券を買っても買わなくてもハラハラできて、だいたいはお金が減るけれど時々はお小遣いがもらえて、何より馬たちがひたむきに命を燃やす姿を見られる競馬場が大好きだった。 少し先の予定を調整するとき、心の片隅でいつも「その日はあのレースがあるな」「推しのあの子が走るかもしれないな」と... norauma